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ロシア ロスアトム社、アジア地域において原子力産業のトップへ

 ロシアの国営原子力企業ロスアトム社(Rosatom)は、急速に成長・発展するアジア諸国での経済需要に伴う電力の生産において原子力エネルギーを採用することを推奨しており、最近ではラオスやミャンマーなど数か国と原子力に関する契約を締結しました。
 これについてロスアトム社アジア地域副社長のエゴル・シモノフ氏は、「アジア地域では原子力エネルギーへの関心がだんだんと高くなってきました。それに伴い、インドネシアなどで電力不足が発生しており、現状のままだと電力供給網における一日の需要の最低水準であるベースロード(基礎負荷)を供給できません。」と述べています。
 また、国際エネルギー機関(IEA)が発表した調査では、現在の東南アジア地域における人口は25%の約7.6億人も増加し、エネルギー需要は2040年までに80%の成長を見込んでいます。これにより、原子力産業はアジアにおいて必要不可欠なものであり、今後も更なる発展を遂げようとしています。


世界的に増加傾向にあるエネルギー需要を満たすロスアトム社の原子力技術
 ロスアトム社は、生産性・安全性が極めて高い最新のVVER-1200原子炉をロシア中部ヴォロネジ州の近郊にあるノヴォヴォロネジ発電所に導入しました。この原子炉は60年もの寿命を持ち、電源や動力を必要としない自然冷却システムを採用するなど、人為的な操作無しでも良好に作動する革新的な自動制御システムを搭載しています。

 原子力産業を有する各国の企業の中で、フランスのアレヴァ社は新型原子炉建設が難航しているほか、アメリカのウェスティングハウス社は、VVER-1200よりも一段階性能の低いAP1000型原子炉を中国でテストしており、その中国では原子炉の華龍一号を北京で独自に開発しています。
 このような現状の中、ロスアトム社の最新の原子炉は電力の生産のみならず、原子力産業の牽引役に再浮上したものとして、ロシア国内でも関心を集めています。また、これについて同発電所 訓練センター所長のウラジミール・ロバノフ氏は「この原子炉は福島での事故を食い止めただろう。」と話しています。

 さらに、世界的大手コンサルティング会社のプライスウォーターハウスクーパース(以下、PwC)のアレクセイ・ホフロフ氏は、「原子力に関連する企業は、福島第一原子力発電所が求めている解決策や技術をすでに持っていますが、ロスアトムはそれを初めて実行し稼働させることに成功しました。福島での原発事故後 停止した状況において、ノヴォヴォロネジ原発の存在はロスアトムを含む技術提供者からの重要なメッセージであり、福島第一原発の再建に大きく貢献することでしょう。」と、述べています。

 ロシアはこれまでにチェルノブイリや福島で起きた事故から多くを学び、独自の開発により原子炉の改善と発展を進めて参りました。その結果、現在ロスアトム社は国内では8件、海外においては中国、フィンランド、ベトナムなど、合わせて34件もの原子炉を新しく建設しています。
 世界原子力協会は、現在世界各国において65件の原子炉が建設中であり、2030年までには新しいものが173件、主に発展途上国で建設されるとして見ています。これについてロスアトム社副社長のキリル・コマロフ氏は、先日モスクワで開催されたAtomExpo2016にて、「世界各国で建設中の原子力発電所の20〜25%はロシア製になります。」と話しています。
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