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リクルートマネジメントソリューションズ、埼玉大学大学院 宇田川元一准教授との「組織における対話方法の開発」に関する共同研究 中間成果を公表

 企業における経営・人事課題の解決および、事業・戦略の推進を支援する株式会社リクルートマネジメントソリューションズ (本社:東京都品川区 代表取締役社長:藤島 敬太郎 以下、当社)は、埼玉大学大学院 宇田川元一准教授と2019年9月から推進している「組織における対話方法の開発」に関する共同研究の中間成果を公表致します。




1.概要
 本共同研究は、組織における中間管理職がプレイングマネジャー化するなかで、多様な従業員のマネジメントや変化の大きいビジネスへの対応をはじめとした組織内で生じるさまざまな問題を解決することを求められ、役割を十分に果たすのが難しくなっているという状況の解消を目的としています。そこで、中間管理職が組織マネジメントにおいて活用できる「対話の方法」を開発し、その活用により、中間管理職が組織やメンバーに対する捉え方を広げ、膠着した関係性を新たにし、より良い組織を構築していけるようになることを目指しています。

▼対話とは
単なるコミュニケーションの手法ではなく、「新しい関係性を構築すること」を意味します。


[画像1: https://prtimes.jp/i/29286/78/resize/d29286-78-113405-2.png ]


2.本研究の背景
 現代の職場は、変化するビジネス環境や、多様化する従業員、働き方改革など、さまざまな要因が積み重なって複雑化し、問題を捉えることすら難しくなっています。今後のさらなる変化でますます組織人材マネジメントのあり方を変える必要が高まっていくでしょう。
[画像2: https://prtimes.jp/i/29286/78/resize/d29286-78-178850-3.png ]

 そのなかでも、中間管理職がメンバーをマネジメントすることが特に難しくなってきています。現在、中間管理職のうち7割強はプレイングマネジャーであり、そのうちの4割強はプレイング業務の割合が45%以上 となっています。すなわち、多くの中間管理職が、業績・業務やメンバーのマネジメント業務に加えてプレイング業務も行わねばならない状況で、業務過多の傾向があるのです。
 そこで当社は、そういった中間管理職の抱える問題の解消を支援するため、臨床心理などで研究されてきたナラティヴ・アプローチや社会構成主義の概念を企業組織に応用する研究をしている埼玉大学大学院 宇田川准教授と、中間管理職の組織マネジメントにおける問題の捉え方を広げることのできる対話方法を開発するため、共同研究を開始しました。

3.共同研究 中間報告・今後の展望
■新たな対話手法「2on2」を用いたプログラムの開発
 現在、多くの組織では、プライバシーが守られた場で行われる自由で親密な対話手法「1on1」が面談等で取り入れられています。「1on1」は、2者間の了解に基づいて話が進んでいくため、特定の話題を深めていくのに有効な手法です。他方、参加者間の関係性が深まっていない場合には、本音での会話が難しく、クローズドな環境で行われる特性から、関係性の固定化や会話のパターン化を招くケースもあります。その結果、頻繁に会話がなされているにも関わらず、組織の問題が慢性化するという状況が生じてしまうのです。

 現在開発を行っている「2on2」は、このような状況に適した対話の手法です。「2on2」では、ピア(職場メンバー)や支援者も対話に加わることで、当事者同士の会話にフィードバックがかかるような環境を作り出します。つまり、慢性的に生じている職場の困りごとをめぐって、その「当事者」が主体となって困りごとを「研究」するアプローチをとるのです。こういったアプローチをとることにより、多様な視点を出し合いながら捉え方を拡げ、困りごとが生じるメカニズムを知り、その事象とのより良い付き合い方を見出すことができるようになります。

 このように、「2on2」という対話方法は、従来の短期的な技術的問題解決型のアプローチとは異なり、ナラティヴ・アプローチの既存研究や方法をもとにしながら、企業内で慢性的に繰り返される問題の背後にある適応課題に向き合えるように開発された対話の方法です。わたしたちは、開発から現在まで、複数社での実施を経て、本手法を核とする対話プログラムを開発しています。本対話方法は、今後、さまざまな組織で活用して頂けるよう、2020年9月頃まで実用化の可能性を検討していく予定です。研究成果は、論文にまとめ学会で発表することや、当社が提供する管理職のためのメンバーマネジメント支援サービス『INSIDES(インサイズ)』実施後に行うプログラムとして顧客に提供することを目指していきます。

4.管理職のためのメンバーマネジメント支援サービス『INSIDES(インサイズ)』について
■サービス概要
 「INSIDES」は、多様性が重視される現代の管理職のために開発された組織マネジメント支援サービスです。メンバー(従業員)のワーク・メンタリティ(仕事に向き合う心の状態)を可視化し、管理職によるメンバー の個性と内面に寄り添ったアクションを引き出す支援をします。
 これまでの組織課題への対策は、「メンバー全員の意見を平均化し、メンバーに共通する問題点に対して取り組んでいく」という方法が主流でした。INSIDESでは、組織全体の平均的な問題を指摘するのではなく、メンバー一人ひとりの状態と特性を可視化し、管理職がメンバーごとに適切な向き合い方ができるように設計されています。また、定期的にメンバー向けのアンケートを実施することで、本人のなかに「仕事へのやりがい」が育まれていく過程を可視化する仕組みも設けています。2018年11月22日に特許取得、『2018年度グッドデザイン賞』受賞。「日本の人事部 HRアワード2019」最優秀賞を受賞。

※詳細については下記URLをご覧ください。https://www.ms.recruit-insides.net/

■サービスの特徴

[画像3: https://prtimes.jp/i/29286/78/resize/d29286-78-754689-4.png ]


5. 株式会社リクルートマネジメントソリューションズ 概要
 リクルートマネジメントソリューションズは、「人材採用・人材開発・組織開発・制度構築」の4つの事業領域とHRアナリティクス・アセスメント・トレーニング・コンサルティングの4つのソリューション手法を駆使し、企業・団体の「個と組織を生かす」ことを支援しています。領域の広さと人事知見の深さを強みに日本における業界のリーディングカンパニーとして、ヒューマンリソースマネジメントのさまざまな課題解決をし続けています。また、社内に専門機関である「組織行動研究所」「測定技術研究所」を有し、理論と実践を元にした研究・開発・情報発信を行っております。
 WEBサイト:https://www.recruit-ms.co.jp

6. 埼玉大学大学院 宇田川 元一准教授 について
埼玉大学大学院 准教授 宇田川 元一(うだがわ もとかず)

[画像4: https://prtimes.jp/i/29286/78/resize/d29286-78-667563-5.png ]

2006年早稲田大学アジア太平洋研究センター助手、2007年長崎大学経済学部講師・准教授、2010年西南学院大学商学部准教授を経て、2016年より埼玉大学大学院人文社会科学研究科(通称:経済経営系大学院)准教授。
社会構成主義など、人文系の理論を基盤にしながら、組織における対話やナラティヴをもとにした日本企業の経営改革についての研究を行っている。
専門は、経営戦略論、組織論。2007年度経営学史学会賞(論文部門奨励賞)受賞。著書に『他者と働く─「わかりあえなさ」から始める組織論』(NewsPicksパブリッシング刊)。


7. 本テーマに関するスピーカーのご紹介
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
HRアセスメントソリューション統括部マネジャー・主任研究員
飯塚 彩(いいづか あや)

[画像5: https://prtimes.jp/i/29286/78/resize/d29286-78-465098-6.png ]

同社にて、採用・就職、リテンション、人材開発、組織開発、メンタルヘルス、キャリアなど、人・組織に関する幅広い領域のサービス開発、コンサルティング、研究活動に従事。
管理職のための組織マネジメント支援サービスINSIDES(2018年度グッドデザイン賞受賞、HRアワード2019プロフェッショナル部門最優秀賞)には、立ち上げから携わる。


[1] 出典:リクルートマネジメントソリューションズ「ミドル・マネジャーの置かれる環境と仕事の実態に関する調査(2014年)」
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