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リアルテックファンド、超高機能コンクリートを開発するシンガポール発ベンチャー、ceEntekへ出資

 リアルテックホールディングス株式会社(所在地:東京都墨田区、代表:丸幸弘、永田暁彦、以下:「当社」)が運営するリアルテックグローバルファンド※は、ceEntek Pte Ltd(以下「ceEntek」)への出資を実施したことをお知らせします。
 ceEntekは親水性のカーボンナノファイバーを配合した超高機能コンクリートを提供する素材ベンチャー企業です。世界中でインフラの更新需要が高まる中、ceEntekが建築現場におけるCO2排出量を削減し、より強靭で持続可能なインフラの構築に大きな役割を果たすことが期待されます。当社は、現在アメリカ・中東地域を中心に展開しているceEntekの日本進出を支援すべく、事業会社や研究機関との連携を促進して参ります。




[画像1: https://prtimes.jp/i/36405/88/resize/d36405-88-1c604ed06bbfc1c6363c-0.jpg ]


世界のインフラの老朽化と、建築現場におけるCO2排出のジレンマ
 世界ではインフラの老朽化が進んでおり、その対策が急務となっています。米国ではインフラに10億ドル、道路と橋に1100億ドルを投資することが決まり、今後40年間でおよそ2.3百万平方メートルのインフラの再構築が必要と言われています。日本でも高度経済成長期に整備された道路橋、トンネル、河川、下水道、湾岸等は今後20年間のうちに建設から50年以上が経過することになります。
[画像2: https://prtimes.jp/i/36405/88/resize/d36405-88-7120505bb557ab374ce3-3.png ]

↑老朽化が進み、メンテナンスが必要となった橋

 一方で、建設に使用されるコンクリートは世界で最も多く使用されている材料の一つであり、最も汚染度の高い産業の一つでもあります。コンクリートのライフサイクル全体で排出される温室効果ガスは世界の温室効果ガス排出量の8%を占めると言われており、これはプラスチックの約30倍の規模です。既存のコンクリート製造過程では、シリカ等の環境負荷が高い材料が使用されています。また、その耐久性や長期間にわたって利用者の通行を妨げてしまうような建設時間なども、かねてより問題視されてきました。
 近年ではコンクリートがもたらすCO2排出の削減や、CO2回収型セメントの製造技術が注目されてきています。しかしどれも研究開発段階であり、マーケットリーダーが現われず、特に東南アジア地域においては高い需要に反して技術開発が不足する状況が続いています。


いままでの常識を打ち破る新しい超高性能コンクリート
 ceEntekが開発したのは、独自のカーボンナノファイバー(CNF)ペーストです。このCNFペーストは可塑剤とCNFの混合物であり、本来ならば水に混ざりにくい特性を持つCNFを砂・セメント・水などの材料と調合することができます。このCNFペーストがセメントの隙間を均一に埋めることで、コンクリートに強度と柔軟性を持たせることができます。


[画像3: https://prtimes.jp/i/36405/88/resize/d36405-88-a9a90382580fb2b7c3be-2.png ]

[画像4: https://prtimes.jp/i/36405/88/resize/d36405-88-911bdc62daaeecff5e0e-1.jpg ]

↑生成されたCNFペーストと、その出荷の様子

 コンクリートの精製過程において環境負荷が最も大きい素材はスチールファイバー、シリカフューム、セメントです。ceEntek社が開発したCNFペーストと廃ガラス(GGBS)を用いることで、シリカフュームを使用せず、セメントの含有量も30%未満に低減したコンクリート(UHPC2.0™)が生成できます。
 UHPC2.0™は、既存のコンクリートと比較すると多くの優れた特性を持っています。ニューヨーク州で実施された品質試験においては、強度、弾性、吸水性、耐久性等の項目で既存のコンクリートを超える結果を示しました。またCNFは粉末化されて建築現場の250マイル以内で既存物質(砂・水など)と調合されるため、コンクリートの移動によって生じるCO2排出量を92%削減することにもつながります。
 このように、CNFペーストを用いたUHPC2.0™は精製過程におけるCO2排出量を半分に抑えた上に、優れた強度・耐久性を持ち、セメント量や骨材量の削減、建設時間の短縮や構造物の長寿命化を実現します。

 アメリカ・中東地域を中心に展開しているceEntek社ですが、新たな市場の可能性として日本市場への進出をして参ります。当社は素材認証や現場導入などのハードルをceEntekと共に乗り越えながら、日本のインフラを支える新素材の普及を加速していきます。

※:正式名称:「リアルテックグローバルファンド1号投資事業組合」


■ceEntekについて


設立年月:2010年1月
所在地:21 Tuas Avenue 3, Singapore 639417
代表者:Peter W Weber
事業内容:建設アプリケーションの効率性、持続可能性、耐久性を向上させる次世代UHPC 2.0™を開発
公式サイト:https://ceentek.com/
出資時期:2022年9月



■リアルテックファンドについて
地球や人類の課題解決に資する革新的テクノロジーを有するスタートアップ(リアルテックベンチャー)への投資育成を行うベンチャーキャピタルファンドです。国内外の政府・企業・自治体と密に連携し、技術の社会実装を最速・最大化させるためにフルハンズオンで支援を行っています。これまで200億円以上を運用し、国内外のスタートアップ70社以上に投資しています。 2021年には、ディープテック領域に投資するファンドとしては日本で初めてのインパクト投資ファンドを設立しました。

■リアルテックホールディングスについて
地球や人類の課題解決に資する革新的テクノロジー(リアルテック)の社会実装を目指して創設された、株式会社ユーグレナと株式会社リバネスの合弁企業です。研究開発型スタートアップとして幾多の困難を乗り越えてきたユーグレナと、研究から技術の社会実装への包括的な支援を行うリバネスの知見を活かし、投資育成などの事業を行っています。
HP: https://www.realtech.holdings

<お問い合わせ先>
リアルテックホールディングス株式会社
広報担当:成田
https://www.realtech.holdings/contact
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