AOSデータ社、「フードテック×AI/DXフォーラム」開催、「食の未来」「食とDX」セッションを通し、食の社会課題解決や、流通合理化支援、食のパーソナライゼーションを推進する「最新DX事例」
[23/05/24]
提供元:PRTIMES
提供元:PRTIMES
クラウドデータ、システムデータ、リーガルデータ、AIデータなどのデータアセットマネジメント事業を展開するAOSデータ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 春山 洋 以下AOSデータ社)は、フードテック分野向けに「フードテックxAI/DXデータフォーラム」を、2023年5月18日(木)に、虎ノ門ヒルズダイニングで開催いたしました。
本レポートでは「フードテックxAI/DXデータフォーラム」の抄訳をお届けいたします。
「食の未来」と「食×DX」セッションで、最新のフードテック分野のDX/AI事例を学ぶ
[画像1: https://prtimes.jp/i/40956/256/resize/d40956-256-576cf4c6073e1266b654-2.jpg ]
本フォーラムのスピーカーには、食を起点とした地域価値共創のためのデータ収集・分析システムなどを専門に研究を進める早稲田大学創造理工学部経営システム工学科の野中朋美教授に加え、「食の未来」と「食×DX」セッションを設け、日本で新たな「食」に関する事業をけん引されているスタートアップやベンチャー企業が登壇しました。
「食の未来」セッションでは、AIを活用した味覚センサー技術などを提供するAISSY株式会社、最先端のバイオサイエンス技術を応用し、コオロギと技術を組み合わせ社会課題の解決に取り組む株式会社グリラスが登壇されました。
「食×DX」セッションでは、食品小売り流通業界のDXプラットフォームを推進する株式会社デリズマート、麹づくりの全自動無人化を実現した醸造機械のトップメーカー 株式会社フジワラテクノアート、そして人工光型植物工場を推進する株式会社プランテックスが登壇されました。
(1) 「Data to AI企業へ」 AOSデータ株式会社 AI・DXデータ事業部長 五十嵐 司
技術の進化や健康志向の高まりにより、食料生産や流通における自動化、食品の栄養バランスや消費者の嗜好に合わせたカスタマイズされた食品などが注目されています。フードテックは、より効率的な生産、流通、販売、消費のデータ管理、消費者のニーズに合わせたカスタマイズ、流通の最適化、食品の品質管理と安全性確保、パーソナライゼーションによるサービス向上などを図ります。
[画像2: https://prtimes.jp/i/40956/256/resize/d40956-256-b6a6ce773c1f5be00239-9.jpg ]
このような各産業DXの進展を下支えしているのは、データの安心・安全な共有・管理・活用・保存の仕組みや、データのリスク管理です。データのライフサイクルマネジメントと品質向上、リスク管理の重要性の啓発を行い、日本のDX推進に貢献するため、AOSデータ社は業種ごとの、先進企業のDX推進やAIデータの活用事例、またリスクマネジメント事例などをご紹介する産業DXフォーラムを企画、今回は食と農業の未来とDXに焦点を当てた「フードテックxAI/DXフォーラム」を企画しました。
(2) 「フードテックにData to AIエンジンを実装せよ! フードデータプラットフォーム AOS IDX」
AOSデータ株式会社 取締役 志田大輔
[画像3: https://prtimes.jp/i/40956/256/resize/d40956-256-bf8bfce3acaf749b83dd-1.jpg ]
世界中で食品に関するテクノロジーの進化により、食品産業が大きく変化しています。日本は「食品安全性と品質の高さ」「食文化の豊かさ」「AIやIoT、ロボティクス技術を活用した自動化、精度の高い生産技術、新しい食品素材の研究開発など先進的なテクノロジー」「高齢化社会におけるニーズ」「産学官連携など協業の文化」など、日本独自の強みを生かしてフードテック事業が発展し、グローバル競争力を持ったビジネスが構築されています。
フードテック事業では、AIやIoTなどの技術による食品の品質管理や安全性の確保、サステナブルな食品の生産・流通・消費による環境に配慮したビジネスモデル、より正確な食品の在庫や需要予測による食品ロスの削減、AIやビッグデータで消費者の嗜好やニーズを分析し、商品開発やマーケティングへの活用、自動化やロボット技術の導入による、生産性の向上やコスト削減の実現など、技術活用による様々な効果があります。さらにデータプラットフォームを導入することで生成された膨大な量のデータを収集・保管・分析が可能になります。
一方で、データの品質、データのプライバシー、セキュリティなどを確保するための信頼性の確保が急務であり、このようなフードテックにおけるデータを統合管理するのが「フードデータプラットフォーム AOS IDX」(https://www.aosidx.jp/)です。「AOS IDX」は、データ保護を最優先としたデータバックアップ、セキュアなデータ共有と、AIシステムのためのデータ活用をコンセプトにした次世代データプラットフォームです。AOSグループのVDR技術をベースにしたデータ共有&ストレージの「AOS IDX」は、既存のデータ共有方式とは全く異なる方法でセキュアなデータ送受信や共有を行っています。
また、「AOS IDX」は、AIが利用可能なフードデータ共有・集積プラットフォームとなり、成分や栄養価などの食品データ、購買履歴や嗜好などのマーケティングデータ、温度や湿度センサー、供給チェーンなどの製造データなど複数のデータを入力し、マルチモーダルAIなどで総合的な判断を出力することも可能になります。
【AOS IDXの機能】
1、フード関連企業におけるデータをバックアップし、どこからでもアクセスできるようにする
2、内部や外部と安全な共有をし、チームコラボレーションを効果的に行う
3、すべてのドキュメントのバージョンと変更を追跡する
4、DRドリブンセキュリティにより、セキュリティとコンプライアンスを最大化し、企業内外の関係者のデータを安全に保つ
5、AI活用を見据えた検索用メタタグ機能
6、大規模なコスト削減を可能にする大容量データ管理機能
7、独自カスタムブランドでの展開、ロゴ設定可能
8、マルチモーダルAIへの対応
(3)「AI味覚センサーが拓く食の未来」 AISSY株式会社 代表取締役社長 鈴木隆一 氏
[画像4: https://prtimes.jp/i/40956/256/resize/d40956-256-29dddebc4de00710735c-5.png ]
AISSY株式会社(https://aissy.co.jp/)は、AI味覚センサー「レオ」という味のセンシングの仕組みを開発し、甘みと苦みを掛け合わせた「ちょっと新しい味」である美味しさの開発に取り組んでいる会社です。「悪魔の食べ合わせ」という書籍でも注目され、メディアへの登場の機会も増えています。
ペットボトルの緑茶開発では、苦みとうまみのバランスを研究して新しい生茶を開発し、メーカーの売上伸長に貢献しました。定番商品でも、ずっと同じ味では売れなくなるため、「ちょっと新しい味」をアップデートし続け、進化し続けることが大事です。
日本の料理は平均してうまみが強く、外国の料理は酸味が比較的強いという差異があります。日本は海に囲まれ、様々な海流の交差点になり、多様な魚を捕ることができたため、昆布や魚のダシなど豊かな多様なうまみを得られる環境です。これが日本人の味覚にプラスに働き、日本人はうまみを感じ取る力が強く、「日本人の味覚は世界一」です。
これからはうまみが世界を席巻する時代であり、日本食を海外にプロモーションし、日本の食の素晴らしさを世界に広げていくところに、日本の食の未来があると考えています。
*「おいしさの見える化マニュアル」を2023年5月発売
(4)「社会課題の解決に向けた食用コオロギの大規模養殖とスマート飼育の可能性」
[画像5: https://prtimes.jp/i/40956/256/resize/d40956-256-80341bb717bea7261657-3.png ]
株式会社グリラス 取締役CFO 柿内将也 氏
株式会社グリラス(https://gryllus.jp/)は、30年にわたる徳島大学の基礎研究をベースに、コオロギの可能性を社会に実装していくことを目的として2019年に徳島県で創業したベンチャーです。
食品計画と提携し、コオロギせんべいの販売や、国内初機内食への導入、NTT東日本と開始した「食用コオロギのスマート飼育」の確立をめざす実証実験など、様々な取り組みを進めています。
同社が解決に取り組む社会課題のひとつは、人口増加と経済発展に伴い需要が拡大する一方、供給が追いつかない動物性タンパク質の安定した供給です。もうひとつは、未活用で廃棄される食品廃棄物/食品ロスの課題です。
コオロギは、変温動物である、ということと雑食性である、という2つの強みがあります。変温動物であるため、他の畜産業と比較して餌や水など少量で済み、持続可能で環境にやさしいタンパク質源と言えます。さらに、干しエビや入りこだしに近いうまみ成分をもち、栄養価や機能性が高く、パウダーから液状まで加工できることで汎用性が高く、売上拡大を図りやすい特徴があります。また、高い繁殖力を有し、雑食性からフードロスを活用できることで生産コストを下げ、収益化が見込めます。
現在はコオロギのスマート飼育に取り組んでおり、カメラを用いて発育状況の定点観測などデータを収集・分析し、自動飼育装置の中に入れておく餌の量など、効率・効果的な飼育プロセスをデータ蓄積により解明し、自動化、機械化を進めています。
食品の残渣や農業の残渣をコオロギの餌として利用し、コオロギの糞を肥料に活かすなどのフードサイクルを構築し、循環型食品であるサーキュラーフードを展開し、持続可能なコオロギ生産システムを通して、あらゆる生き物にとって健康に生きていく社会の実現を目指しています。
(5) 「食品流通業界のDXの未来と課題について」 株式会社デリズマート 代表取締役CEO 上村友一 氏
[画像6: https://prtimes.jp/i/40956/256/resize/d40956-256-932b603908ba8898349b-8.png ]
株式会社デリズマート(https://www.delizmart.co.jp/)は、「おいしい未来をデザインする」ことをミッションに食品流通業界のDX化にチャレンジしているスタートアップ企業です。アナログで属人的な「食品業界特有の商取引をスマート化」することで、産業全体の生産性向上に貢献し、よりなめらかに美味しさが流通する未来をデザインしています。
近年は、円安やエネルギーなど原料が高騰し「粗利率の改善」が急務となっています。コロナ禍であっても継続的に成長している企業は、ユニクロ、ニトリ、セブンイレブンなど、商品力が強い点が共通しています。
アフターコロナ時代は商品力が勝負であり、職人芸となっていた差別化商品の調達や、独自商品の効果的な開発をDX化する、「MD(マーチャンダイズ)業務のDX化」が重要です。これを独自開発しようとすると、大きな投資やデジタル人材の獲得が必要になるため、デリズマートはこれをパッケージ化し、食品流通業界のDXプラットフォーム「スマートMDクラウド」として開発、提供を開始しました。
「スマートMDクラウド」には、差別化商品の提案・依頼管理ソフト「デリズマート」があります。食品サプライヤーと食品バイヤーをつなぎ、バイヤー側にとっては調達をスマート化し、差別化商品の品ぞろえ強化を実現し、サプライヤー側にとっては、提案営業のスマート化で、売上アップと業務生産性向上を実現します。
また、「スマートMDクラウド」には、「デリズマート」に加え、独自商品の開発支援ソフト「デリズパッド」、商品発注や在庫管理の自動化を行なう「デリズオーダー」もあります。
(6) 「伝統とデジタル技術の融合:データ活用による醸造産業の進化と可能性」
株式会社フジワラテクノアート 代表取締役副社長 藤原加奈 氏|執行役員 西村直純 氏
株式会社フジワラテクノアート(https://www.fujiwara-jp.com/)は、醤油、味噌、清酒、焼酎などの醸造食品、一般食品を生産するための機械・プラントを手掛ける食品機械メーカーで、創業90周年を迎え、現在日本全国約1500社、海外27ヵ国に設備を納入しています。匠の技による醸造食品づくりを、最新技術で機械化、自動化し、各工程に対応する機械を製造するほか、それらを効率的に配置し、より快適で生産性の高い工場環境を実現するプラントの設計・施工も行っています。
[画像7: https://prtimes.jp/i/40956/256/resize/d40956-256-27a9b6e66e139118d2ae-6.png ]
代表する装置が、醸造食品の品質、生産性を左右する麹づくりを自動化した回転式自動製麹装置です。吟醸酒からの麹づくりは、匠の長年の経験の蓄積からくるもので、自動化は難しいと言われていましたが、麹ができる基本原理を解明し、機械化を行ない、データを活用することで麹の開発を行なっています。さらに、AIに製麹情報を学習させることで、麹の品質評価を数値化し、製麹条件から麹の品質を予測、希望の麹の品質から最適な製麹条件を提供しています。同装置は国内外の大手醸造食品メーカーなどに採用され、国内シェアは麹の機械生産能力に換算して80%に達しています。
これらのDX推進の取り組みが評価され、同社は経済産業省が2023年3月16日に開催した「DXセレクション2023」において、「グランプリ」を受賞しました。
未来に向けて「開発ビジョン2050|世界で微生物インダストリーを共創」という30年後を見据えたビジョンを掲げ、醸造分野で培った「ものづくり技術」と「微生物の潜在能力を最大化する技術」を活用し、食糧問題や環境問題の解決策として、食糧や飼料、バイオ素材などのサステナブルな生産システム構築を通じて、心豊かな循環型社会への貢献を目指しています。
(7) 「日本のものづくり技術を活かして、植物生産産業を創出する」
株式会社プランテックス 取締役会長 山田眞次郎 氏
[画像8: https://prtimes.jp/i/40956/256/resize/d40956-256-46fe68203ffb88c3d624-4.png ]
株式会社プランテックス(https://www.plantx.co.jp/)は、高度なものづくり技術を結集し、人工光型植物工場による新しい食料供給システムを実現していきます。同社は世界初となる密閉方式の栽培装置と植物成長制御ソフトウェアを独自開発しました。このソフトウェアの導入により、効率性、安定性、多品種への対応力に優れた食料生産、更には特定の有用成分を豊富に含む高付加価値植物の栽培などの先端的な研究開発が可能になりました。
人口爆発による、きたる食料不足を見据え、創業者の山田氏は2013年に千葉大学で植物工場と出会い、2014年6月に光と空気と水で植物を生産する装置を作るプランテックスを創業しました。20種のパラメータを個別に制御する、密封型の植物工場を、組み立てから設計まで独自に設計・開発し、新商品「京橋レタス」 として販売を開始しています。20種の環境パラメータをAIで解析し、βカロチン30倍、ビタミンC50倍などを再生産できるレシピ化することで、高品質のレタスの生産を可能にしています。
2022年に日産5000株を生産する大型植物工場が完成、完全無人、全自動のプランテックスプラットフォームで稼働しており、同工場で作られるβカロチンが通常のレタスの16倍という、栄養素の高い「京橋レタス」は毎日完売しています。
(8)「食×オンラインで世界の人と地域をつなぐ:食・地域資源を活用した価値共創プラットフォームGAstroEduの取り組み」 早稲田大学 創造理工学部経営システム工学科 教授 野中朋美 氏
[画像9: https://prtimes.jp/i/40956/256/resize/d40956-256-db61d9209e0a67b89002-7.png ]
野中教授が推進されている「GAstroEdu」は、「食」をテーマにしたワークショップを通じて、子どもたちの主体性や創造性を育み、生産者と生活者をつなぐオンライン教育のSDGsワークショップ開発プロジェクトです。大学が有する食の世界的なネットワークと、最先端のリモート技術で海外と直接つながり、ライブ感あふれる体験型プログラムを実現しています。
例えば「トマトアドベンチャー」というプロジェクトでは、イタリアとオンラインでつなぎ、日本の小学生がトマトを通じて食品ロスをなくす取り組みを行ないました。広島島県尾道市瀬戸田町の、レモン谷と呼ばれている地域(日本農業大賞2022年受賞)では、地域、企業、生産者、自治体、加工事業者が連携して、イノベーションを起こしていく取り組みを推進しています。
このように、世界の社会課題に対し、身近な食を通じて、自らの手でひとつの解決策を作り出していく体験から、 サイエンス、テクノロジーのみならず文化や歴史などの多くの視点から問題の本質をとらえることができる、アントレプレナーシップ教育や、イノベーション人材の育成につながることを期待しています。
◆関連動画:
https://youtu.be/iygrcVfdZR4
https://youtu.be/tzBkfdsztIU
https://youtu.be/iygrcVfdZR4
【AOSデータ株式会社について】
代表者:春山 洋 設 立:2015年4月
所在地:東京都港区虎ノ門5-1-5 メトロシティ神谷町ビル4F
資本金:1億円(資本準備金15億2500万円)
URL:https://www.aosdata.co.jp/
AOSデータ社は、データ管理技術で知的財産を守る活動を続けており、企業7000社以上、国内会員90万人を超えるお客様のデータをクラウドにお預かりするクラウドデータ事業、20年に渡り100万人以上のお客様の無くしてしまったデータを復旧してきたデータ復旧事業、1,300万人以上のお客様のデータ移行を支援してきたシステムデータ事業で数多くの実績を上げてきました。データ移行、データバックアップ、データ復旧、データ消去など、データのライフサイクルに合わせたデータアセットマネジメント事業を展開し、BCNアワードのシステムメンテナンスソフト部門では、14年連続販売本数1位を獲得しています。また、捜査機関、弁護士事務所、大手企業に対して、証拠データのフォレンジック調査や証拠開示のEデイスカバリサービスで数多くの事件の解決をサポートした技術が評価され、経済産業大臣賞を受けたグループ企業のリーガルテック社のリーガルデータ事業を統合し、今後一層、データコンプライアンス、AI・DXデータを含めた「データアセットマネジメント」ソリューションを通して、お客様のデータ資産を総合的に守り、活用できるようにご支援することで、社会に貢献いたします。
本レポートでは「フードテックxAI/DXデータフォーラム」の抄訳をお届けいたします。
「食の未来」と「食×DX」セッションで、最新のフードテック分野のDX/AI事例を学ぶ
[画像1: https://prtimes.jp/i/40956/256/resize/d40956-256-576cf4c6073e1266b654-2.jpg ]
本フォーラムのスピーカーには、食を起点とした地域価値共創のためのデータ収集・分析システムなどを専門に研究を進める早稲田大学創造理工学部経営システム工学科の野中朋美教授に加え、「食の未来」と「食×DX」セッションを設け、日本で新たな「食」に関する事業をけん引されているスタートアップやベンチャー企業が登壇しました。
「食の未来」セッションでは、AIを活用した味覚センサー技術などを提供するAISSY株式会社、最先端のバイオサイエンス技術を応用し、コオロギと技術を組み合わせ社会課題の解決に取り組む株式会社グリラスが登壇されました。
「食×DX」セッションでは、食品小売り流通業界のDXプラットフォームを推進する株式会社デリズマート、麹づくりの全自動無人化を実現した醸造機械のトップメーカー 株式会社フジワラテクノアート、そして人工光型植物工場を推進する株式会社プランテックスが登壇されました。
(1) 「Data to AI企業へ」 AOSデータ株式会社 AI・DXデータ事業部長 五十嵐 司
技術の進化や健康志向の高まりにより、食料生産や流通における自動化、食品の栄養バランスや消費者の嗜好に合わせたカスタマイズされた食品などが注目されています。フードテックは、より効率的な生産、流通、販売、消費のデータ管理、消費者のニーズに合わせたカスタマイズ、流通の最適化、食品の品質管理と安全性確保、パーソナライゼーションによるサービス向上などを図ります。
[画像2: https://prtimes.jp/i/40956/256/resize/d40956-256-b6a6ce773c1f5be00239-9.jpg ]
このような各産業DXの進展を下支えしているのは、データの安心・安全な共有・管理・活用・保存の仕組みや、データのリスク管理です。データのライフサイクルマネジメントと品質向上、リスク管理の重要性の啓発を行い、日本のDX推進に貢献するため、AOSデータ社は業種ごとの、先進企業のDX推進やAIデータの活用事例、またリスクマネジメント事例などをご紹介する産業DXフォーラムを企画、今回は食と農業の未来とDXに焦点を当てた「フードテックxAI/DXフォーラム」を企画しました。
(2) 「フードテックにData to AIエンジンを実装せよ! フードデータプラットフォーム AOS IDX」
AOSデータ株式会社 取締役 志田大輔
[画像3: https://prtimes.jp/i/40956/256/resize/d40956-256-bf8bfce3acaf749b83dd-1.jpg ]
世界中で食品に関するテクノロジーの進化により、食品産業が大きく変化しています。日本は「食品安全性と品質の高さ」「食文化の豊かさ」「AIやIoT、ロボティクス技術を活用した自動化、精度の高い生産技術、新しい食品素材の研究開発など先進的なテクノロジー」「高齢化社会におけるニーズ」「産学官連携など協業の文化」など、日本独自の強みを生かしてフードテック事業が発展し、グローバル競争力を持ったビジネスが構築されています。
フードテック事業では、AIやIoTなどの技術による食品の品質管理や安全性の確保、サステナブルな食品の生産・流通・消費による環境に配慮したビジネスモデル、より正確な食品の在庫や需要予測による食品ロスの削減、AIやビッグデータで消費者の嗜好やニーズを分析し、商品開発やマーケティングへの活用、自動化やロボット技術の導入による、生産性の向上やコスト削減の実現など、技術活用による様々な効果があります。さらにデータプラットフォームを導入することで生成された膨大な量のデータを収集・保管・分析が可能になります。
一方で、データの品質、データのプライバシー、セキュリティなどを確保するための信頼性の確保が急務であり、このようなフードテックにおけるデータを統合管理するのが「フードデータプラットフォーム AOS IDX」(https://www.aosidx.jp/)です。「AOS IDX」は、データ保護を最優先としたデータバックアップ、セキュアなデータ共有と、AIシステムのためのデータ活用をコンセプトにした次世代データプラットフォームです。AOSグループのVDR技術をベースにしたデータ共有&ストレージの「AOS IDX」は、既存のデータ共有方式とは全く異なる方法でセキュアなデータ送受信や共有を行っています。
また、「AOS IDX」は、AIが利用可能なフードデータ共有・集積プラットフォームとなり、成分や栄養価などの食品データ、購買履歴や嗜好などのマーケティングデータ、温度や湿度センサー、供給チェーンなどの製造データなど複数のデータを入力し、マルチモーダルAIなどで総合的な判断を出力することも可能になります。
【AOS IDXの機能】
1、フード関連企業におけるデータをバックアップし、どこからでもアクセスできるようにする
2、内部や外部と安全な共有をし、チームコラボレーションを効果的に行う
3、すべてのドキュメントのバージョンと変更を追跡する
4、DRドリブンセキュリティにより、セキュリティとコンプライアンスを最大化し、企業内外の関係者のデータを安全に保つ
5、AI活用を見据えた検索用メタタグ機能
6、大規模なコスト削減を可能にする大容量データ管理機能
7、独自カスタムブランドでの展開、ロゴ設定可能
8、マルチモーダルAIへの対応
(3)「AI味覚センサーが拓く食の未来」 AISSY株式会社 代表取締役社長 鈴木隆一 氏
[画像4: https://prtimes.jp/i/40956/256/resize/d40956-256-29dddebc4de00710735c-5.png ]
AISSY株式会社(https://aissy.co.jp/)は、AI味覚センサー「レオ」という味のセンシングの仕組みを開発し、甘みと苦みを掛け合わせた「ちょっと新しい味」である美味しさの開発に取り組んでいる会社です。「悪魔の食べ合わせ」という書籍でも注目され、メディアへの登場の機会も増えています。
ペットボトルの緑茶開発では、苦みとうまみのバランスを研究して新しい生茶を開発し、メーカーの売上伸長に貢献しました。定番商品でも、ずっと同じ味では売れなくなるため、「ちょっと新しい味」をアップデートし続け、進化し続けることが大事です。
日本の料理は平均してうまみが強く、外国の料理は酸味が比較的強いという差異があります。日本は海に囲まれ、様々な海流の交差点になり、多様な魚を捕ることができたため、昆布や魚のダシなど豊かな多様なうまみを得られる環境です。これが日本人の味覚にプラスに働き、日本人はうまみを感じ取る力が強く、「日本人の味覚は世界一」です。
これからはうまみが世界を席巻する時代であり、日本食を海外にプロモーションし、日本の食の素晴らしさを世界に広げていくところに、日本の食の未来があると考えています。
*「おいしさの見える化マニュアル」を2023年5月発売
(4)「社会課題の解決に向けた食用コオロギの大規模養殖とスマート飼育の可能性」
[画像5: https://prtimes.jp/i/40956/256/resize/d40956-256-80341bb717bea7261657-3.png ]
株式会社グリラス 取締役CFO 柿内将也 氏
株式会社グリラス(https://gryllus.jp/)は、30年にわたる徳島大学の基礎研究をベースに、コオロギの可能性を社会に実装していくことを目的として2019年に徳島県で創業したベンチャーです。
食品計画と提携し、コオロギせんべいの販売や、国内初機内食への導入、NTT東日本と開始した「食用コオロギのスマート飼育」の確立をめざす実証実験など、様々な取り組みを進めています。
同社が解決に取り組む社会課題のひとつは、人口増加と経済発展に伴い需要が拡大する一方、供給が追いつかない動物性タンパク質の安定した供給です。もうひとつは、未活用で廃棄される食品廃棄物/食品ロスの課題です。
コオロギは、変温動物である、ということと雑食性である、という2つの強みがあります。変温動物であるため、他の畜産業と比較して餌や水など少量で済み、持続可能で環境にやさしいタンパク質源と言えます。さらに、干しエビや入りこだしに近いうまみ成分をもち、栄養価や機能性が高く、パウダーから液状まで加工できることで汎用性が高く、売上拡大を図りやすい特徴があります。また、高い繁殖力を有し、雑食性からフードロスを活用できることで生産コストを下げ、収益化が見込めます。
現在はコオロギのスマート飼育に取り組んでおり、カメラを用いて発育状況の定点観測などデータを収集・分析し、自動飼育装置の中に入れておく餌の量など、効率・効果的な飼育プロセスをデータ蓄積により解明し、自動化、機械化を進めています。
食品の残渣や農業の残渣をコオロギの餌として利用し、コオロギの糞を肥料に活かすなどのフードサイクルを構築し、循環型食品であるサーキュラーフードを展開し、持続可能なコオロギ生産システムを通して、あらゆる生き物にとって健康に生きていく社会の実現を目指しています。
(5) 「食品流通業界のDXの未来と課題について」 株式会社デリズマート 代表取締役CEO 上村友一 氏
[画像6: https://prtimes.jp/i/40956/256/resize/d40956-256-932b603908ba8898349b-8.png ]
株式会社デリズマート(https://www.delizmart.co.jp/)は、「おいしい未来をデザインする」ことをミッションに食品流通業界のDX化にチャレンジしているスタートアップ企業です。アナログで属人的な「食品業界特有の商取引をスマート化」することで、産業全体の生産性向上に貢献し、よりなめらかに美味しさが流通する未来をデザインしています。
近年は、円安やエネルギーなど原料が高騰し「粗利率の改善」が急務となっています。コロナ禍であっても継続的に成長している企業は、ユニクロ、ニトリ、セブンイレブンなど、商品力が強い点が共通しています。
アフターコロナ時代は商品力が勝負であり、職人芸となっていた差別化商品の調達や、独自商品の効果的な開発をDX化する、「MD(マーチャンダイズ)業務のDX化」が重要です。これを独自開発しようとすると、大きな投資やデジタル人材の獲得が必要になるため、デリズマートはこれをパッケージ化し、食品流通業界のDXプラットフォーム「スマートMDクラウド」として開発、提供を開始しました。
「スマートMDクラウド」には、差別化商品の提案・依頼管理ソフト「デリズマート」があります。食品サプライヤーと食品バイヤーをつなぎ、バイヤー側にとっては調達をスマート化し、差別化商品の品ぞろえ強化を実現し、サプライヤー側にとっては、提案営業のスマート化で、売上アップと業務生産性向上を実現します。
また、「スマートMDクラウド」には、「デリズマート」に加え、独自商品の開発支援ソフト「デリズパッド」、商品発注や在庫管理の自動化を行なう「デリズオーダー」もあります。
(6) 「伝統とデジタル技術の融合:データ活用による醸造産業の進化と可能性」
株式会社フジワラテクノアート 代表取締役副社長 藤原加奈 氏|執行役員 西村直純 氏
株式会社フジワラテクノアート(https://www.fujiwara-jp.com/)は、醤油、味噌、清酒、焼酎などの醸造食品、一般食品を生産するための機械・プラントを手掛ける食品機械メーカーで、創業90周年を迎え、現在日本全国約1500社、海外27ヵ国に設備を納入しています。匠の技による醸造食品づくりを、最新技術で機械化、自動化し、各工程に対応する機械を製造するほか、それらを効率的に配置し、より快適で生産性の高い工場環境を実現するプラントの設計・施工も行っています。
[画像7: https://prtimes.jp/i/40956/256/resize/d40956-256-27a9b6e66e139118d2ae-6.png ]
代表する装置が、醸造食品の品質、生産性を左右する麹づくりを自動化した回転式自動製麹装置です。吟醸酒からの麹づくりは、匠の長年の経験の蓄積からくるもので、自動化は難しいと言われていましたが、麹ができる基本原理を解明し、機械化を行ない、データを活用することで麹の開発を行なっています。さらに、AIに製麹情報を学習させることで、麹の品質評価を数値化し、製麹条件から麹の品質を予測、希望の麹の品質から最適な製麹条件を提供しています。同装置は国内外の大手醸造食品メーカーなどに採用され、国内シェアは麹の機械生産能力に換算して80%に達しています。
これらのDX推進の取り組みが評価され、同社は経済産業省が2023年3月16日に開催した「DXセレクション2023」において、「グランプリ」を受賞しました。
未来に向けて「開発ビジョン2050|世界で微生物インダストリーを共創」という30年後を見据えたビジョンを掲げ、醸造分野で培った「ものづくり技術」と「微生物の潜在能力を最大化する技術」を活用し、食糧問題や環境問題の解決策として、食糧や飼料、バイオ素材などのサステナブルな生産システム構築を通じて、心豊かな循環型社会への貢献を目指しています。
(7) 「日本のものづくり技術を活かして、植物生産産業を創出する」
株式会社プランテックス 取締役会長 山田眞次郎 氏
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株式会社プランテックス(https://www.plantx.co.jp/)は、高度なものづくり技術を結集し、人工光型植物工場による新しい食料供給システムを実現していきます。同社は世界初となる密閉方式の栽培装置と植物成長制御ソフトウェアを独自開発しました。このソフトウェアの導入により、効率性、安定性、多品種への対応力に優れた食料生産、更には特定の有用成分を豊富に含む高付加価値植物の栽培などの先端的な研究開発が可能になりました。
人口爆発による、きたる食料不足を見据え、創業者の山田氏は2013年に千葉大学で植物工場と出会い、2014年6月に光と空気と水で植物を生産する装置を作るプランテックスを創業しました。20種のパラメータを個別に制御する、密封型の植物工場を、組み立てから設計まで独自に設計・開発し、新商品「京橋レタス」 として販売を開始しています。20種の環境パラメータをAIで解析し、βカロチン30倍、ビタミンC50倍などを再生産できるレシピ化することで、高品質のレタスの生産を可能にしています。
2022年に日産5000株を生産する大型植物工場が完成、完全無人、全自動のプランテックスプラットフォームで稼働しており、同工場で作られるβカロチンが通常のレタスの16倍という、栄養素の高い「京橋レタス」は毎日完売しています。
(8)「食×オンラインで世界の人と地域をつなぐ:食・地域資源を活用した価値共創プラットフォームGAstroEduの取り組み」 早稲田大学 創造理工学部経営システム工学科 教授 野中朋美 氏
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野中教授が推進されている「GAstroEdu」は、「食」をテーマにしたワークショップを通じて、子どもたちの主体性や創造性を育み、生産者と生活者をつなぐオンライン教育のSDGsワークショップ開発プロジェクトです。大学が有する食の世界的なネットワークと、最先端のリモート技術で海外と直接つながり、ライブ感あふれる体験型プログラムを実現しています。
例えば「トマトアドベンチャー」というプロジェクトでは、イタリアとオンラインでつなぎ、日本の小学生がトマトを通じて食品ロスをなくす取り組みを行ないました。広島島県尾道市瀬戸田町の、レモン谷と呼ばれている地域(日本農業大賞2022年受賞)では、地域、企業、生産者、自治体、加工事業者が連携して、イノベーションを起こしていく取り組みを推進しています。
このように、世界の社会課題に対し、身近な食を通じて、自らの手でひとつの解決策を作り出していく体験から、 サイエンス、テクノロジーのみならず文化や歴史などの多くの視点から問題の本質をとらえることができる、アントレプレナーシップ教育や、イノベーション人材の育成につながることを期待しています。
◆関連動画:
https://youtu.be/iygrcVfdZR4
https://youtu.be/tzBkfdsztIU
https://youtu.be/iygrcVfdZR4
【AOSデータ株式会社について】
代表者:春山 洋 設 立:2015年4月
所在地:東京都港区虎ノ門5-1-5 メトロシティ神谷町ビル4F
資本金:1億円(資本準備金15億2500万円)
URL:https://www.aosdata.co.jp/
AOSデータ社は、データ管理技術で知的財産を守る活動を続けており、企業7000社以上、国内会員90万人を超えるお客様のデータをクラウドにお預かりするクラウドデータ事業、20年に渡り100万人以上のお客様の無くしてしまったデータを復旧してきたデータ復旧事業、1,300万人以上のお客様のデータ移行を支援してきたシステムデータ事業で数多くの実績を上げてきました。データ移行、データバックアップ、データ復旧、データ消去など、データのライフサイクルに合わせたデータアセットマネジメント事業を展開し、BCNアワードのシステムメンテナンスソフト部門では、14年連続販売本数1位を獲得しています。また、捜査機関、弁護士事務所、大手企業に対して、証拠データのフォレンジック調査や証拠開示のEデイスカバリサービスで数多くの事件の解決をサポートした技術が評価され、経済産業大臣賞を受けたグループ企業のリーガルテック社のリーガルデータ事業を統合し、今後一層、データコンプライアンス、AI・DXデータを含めた「データアセットマネジメント」ソリューションを通して、お客様のデータ資産を総合的に守り、活用できるようにご支援することで、社会に貢献いたします。