凸版印刷とIGS、リチウムイオン蓄電池の故障を可視化し事故防止
[20/02/27]
提供元:PRTIMES
提供元:PRTIMES
リチウムイオン電池の電流密度分布状態を破壊せずに画像として可視化世界初の革新的な技術を用いた画像診断システムの販売を開始
凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:麿 秀晴、以下 凸版印刷)と国立大学法人神戸大学発のスタートアップ企業 株式会社Integral Geometry Science(本社:兵庫県神戸市、CEO:木村 憲明、以下 IGS社)は、IGS社が開発した蓄電池画像診断システムの機器販売と蓄電池の受託検査サービスを、2020年2月より本格的に開始します。
本システムは、IGS社CSOである国立大学法人神戸大学数理データサイエンスセンターの木村建次郎教授が開発した、蓄電池内部の電流密度分布状態を破壊せずに可視化できる、世界で唯一実用化されたシステムです。蓄電池から発生する磁場を測定し、木村教授らが発見した磁場と蓄電池内電流の逆問題の解析解を用いることで、電気の流れを画像として可視化することができ、故障につながる可能性のある電気回路の短絡箇所を把握できます。
このたび凸版印刷は、株式会社T&Tエナテクノ(本社:東京都台東区、代表取締役社長:佐田 則明、以下 T&Tエナテクノ)を販売窓口として、本システムの販売と受託検査サービスを自動車メーカーやリチウムイオン電池メーカーなどに向けて開始します。
なお、本システムは2020年2月26日(水)〜28日(金)より東京ビッグサイトにおいて開催される「二次電池展」(小間番号A4-47)のIGS社とT&Tエナテクノ合同ブースに出展します。
[画像1: https://prtimes.jp/i/33034/379/resize/d33034-379-838466-1.jpg ]
[画像2: https://prtimes.jp/i/33034/379/resize/d33034-379-840929-0.jpg ]
■ 背景
電気自動車やIT機器などの発達とともに蓄電池が使用される頻度は、今後大きく増えることが予想されます。その中で、より大きなエネルギーを蓄えられるリチウムイオン電池の需要はさらに高まっています。一方、リチウムイオン電池は使用している材料の特性により、何らかの不具合が起きると発熱や発火の危険性があり、予防の観点から品質保証技術の改善が求められています。
従来の電池検査方式は電池に通電して不具合を検査していましたが、IGS社が開発した本システムは、電池内部の電流経路や電流密度分布状態を可視化し、電池を破壊することなく正確に把握できます。この特長により、電流分布の短絡個所の存在が特定可能となり、電池の将来的な設計リスク箇所の特定や、リサイクル転用する際の安全性判断としても活用可能です。
凸版印刷はIGS社にマイクロ波マンモグラフィ事業で出資し、共同で事業活動をおこなっています。このたび、蓄電池画像診断システムおいてもIGS社と事業協力を行い、本システムの機器販売と受託検査サービスを凸版印刷の販売リソースに加えることで、リチウムイオン電池のより安心で安全な使用を推進します。
■ 蓄電池画像診断システムの特長
・世界で初めて電流密度分布状態を非破壊で可視化
従来のエージング試験やX線イメージングを用いた検査方法では、電圧降下状態や内部の機械的構造は把握できたものの、蓄電池の動作と寿命に直接影響を及ぼす電気的状態を可視化することはできませんでした。本システムは、蓄電池から発生する磁場を測定し、木村教授らが発見した磁場と蓄電池内電流の逆問題の解析解を用いて電気の流れを正確に画像化することで、電池を破壊することなく画像診断することができます。
■ 蓄電池画像診断システムについて
・機器販売
超高精度検査磁気センサーに極めて微弱な磁気まで検出可能な特殊センサーを採用することで、蓄電池内部のごくわずかな電流密度分布状態の不均一性や短絡を破壊せずに正確かつ短時間で検知できるシステムを販売します。
・受託検査サービス
試作開発品、量産品などの商品を預かり、蓄電池の検査・分析を受託します。非破壊検査のため、検査前と同じ品質状態での返却が可能です。
■ 今後の展開
凸版印刷は、T&Tエナテクノを販売窓口として、本システムの販売と受託検査サービスを自動車メーカーやリチウムイオン電池メーカーなどに向けて開始。今後、IGS社と共同で蓄電池検査機器関連のさらなる開発を進めていきます。
■ 「株式会社Integral Geometry Science」について
神戸大学発のスタートアップ企業で、神戸大学数理データサイエンスセンターの木村建次郎教授および木村憲明博士によって2012年に設立されました。木村教授らは、応用数学上の未解決問題である“波動散乱の逆問題”(※1)を世界で初めて解析的に解くことに成功、一連の未解決逆問題を解析的に解いた研究成果をもとに、本蓄電池検査装置のほか高精度かつ瞬時に3次元画像を再構成する、マイクロ波マンモグラフィのプロトタイプ機器を開発、その実用化に取り組んでいます。
■ 凸版印刷株式会社の「リチウムイオン電池」事業について
凸版印刷は、リチウムイオン電池に関連する事業として主にリチウムイオン電池用外装材事業を連結子会社であるT&Tエナテクノにおいて行っています。T&Tエナテクノは、リチウムイオン電池用外装材の製造・販売を手掛ける専門メーカーとして、凸版印刷と東洋製罐株式会社の事業提携により、 2011年6月に誕生しました。両社の持つコア技術を融合することにより、ソフトパック(アルミラミネートフィルム)から、ハードパック(金属缶)まで、あらゆる種類のリチウムイオン電池用外装材を取り揃えるトータルサプライヤーとして事業を展開しています。
※1 波動散乱の逆問題
散乱したマイクロ波などの波動から、外部からは見えない構造等を決定しようとする問題。「散乱」という物理現象の因果関係を逆方向に辿るという意味で「逆問題」と呼ばれ、応用数学史上の未解決問題として知られている。
* 本ニュースリリースに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。
以 上
凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:麿 秀晴、以下 凸版印刷)と国立大学法人神戸大学発のスタートアップ企業 株式会社Integral Geometry Science(本社:兵庫県神戸市、CEO:木村 憲明、以下 IGS社)は、IGS社が開発した蓄電池画像診断システムの機器販売と蓄電池の受託検査サービスを、2020年2月より本格的に開始します。
本システムは、IGS社CSOである国立大学法人神戸大学数理データサイエンスセンターの木村建次郎教授が開発した、蓄電池内部の電流密度分布状態を破壊せずに可視化できる、世界で唯一実用化されたシステムです。蓄電池から発生する磁場を測定し、木村教授らが発見した磁場と蓄電池内電流の逆問題の解析解を用いることで、電気の流れを画像として可視化することができ、故障につながる可能性のある電気回路の短絡箇所を把握できます。
このたび凸版印刷は、株式会社T&Tエナテクノ(本社:東京都台東区、代表取締役社長:佐田 則明、以下 T&Tエナテクノ)を販売窓口として、本システムの販売と受託検査サービスを自動車メーカーやリチウムイオン電池メーカーなどに向けて開始します。
なお、本システムは2020年2月26日(水)〜28日(金)より東京ビッグサイトにおいて開催される「二次電池展」(小間番号A4-47)のIGS社とT&Tエナテクノ合同ブースに出展します。
[画像1: https://prtimes.jp/i/33034/379/resize/d33034-379-838466-1.jpg ]
[画像2: https://prtimes.jp/i/33034/379/resize/d33034-379-840929-0.jpg ]
■ 背景
電気自動車やIT機器などの発達とともに蓄電池が使用される頻度は、今後大きく増えることが予想されます。その中で、より大きなエネルギーを蓄えられるリチウムイオン電池の需要はさらに高まっています。一方、リチウムイオン電池は使用している材料の特性により、何らかの不具合が起きると発熱や発火の危険性があり、予防の観点から品質保証技術の改善が求められています。
従来の電池検査方式は電池に通電して不具合を検査していましたが、IGS社が開発した本システムは、電池内部の電流経路や電流密度分布状態を可視化し、電池を破壊することなく正確に把握できます。この特長により、電流分布の短絡個所の存在が特定可能となり、電池の将来的な設計リスク箇所の特定や、リサイクル転用する際の安全性判断としても活用可能です。
凸版印刷はIGS社にマイクロ波マンモグラフィ事業で出資し、共同で事業活動をおこなっています。このたび、蓄電池画像診断システムおいてもIGS社と事業協力を行い、本システムの機器販売と受託検査サービスを凸版印刷の販売リソースに加えることで、リチウムイオン電池のより安心で安全な使用を推進します。
■ 蓄電池画像診断システムの特長
・世界で初めて電流密度分布状態を非破壊で可視化
従来のエージング試験やX線イメージングを用いた検査方法では、電圧降下状態や内部の機械的構造は把握できたものの、蓄電池の動作と寿命に直接影響を及ぼす電気的状態を可視化することはできませんでした。本システムは、蓄電池から発生する磁場を測定し、木村教授らが発見した磁場と蓄電池内電流の逆問題の解析解を用いて電気の流れを正確に画像化することで、電池を破壊することなく画像診断することができます。
■ 蓄電池画像診断システムについて
・機器販売
超高精度検査磁気センサーに極めて微弱な磁気まで検出可能な特殊センサーを採用することで、蓄電池内部のごくわずかな電流密度分布状態の不均一性や短絡を破壊せずに正確かつ短時間で検知できるシステムを販売します。
・受託検査サービス
試作開発品、量産品などの商品を預かり、蓄電池の検査・分析を受託します。非破壊検査のため、検査前と同じ品質状態での返却が可能です。
■ 今後の展開
凸版印刷は、T&Tエナテクノを販売窓口として、本システムの販売と受託検査サービスを自動車メーカーやリチウムイオン電池メーカーなどに向けて開始。今後、IGS社と共同で蓄電池検査機器関連のさらなる開発を進めていきます。
■ 「株式会社Integral Geometry Science」について
神戸大学発のスタートアップ企業で、神戸大学数理データサイエンスセンターの木村建次郎教授および木村憲明博士によって2012年に設立されました。木村教授らは、応用数学上の未解決問題である“波動散乱の逆問題”(※1)を世界で初めて解析的に解くことに成功、一連の未解決逆問題を解析的に解いた研究成果をもとに、本蓄電池検査装置のほか高精度かつ瞬時に3次元画像を再構成する、マイクロ波マンモグラフィのプロトタイプ機器を開発、その実用化に取り組んでいます。
■ 凸版印刷株式会社の「リチウムイオン電池」事業について
凸版印刷は、リチウムイオン電池に関連する事業として主にリチウムイオン電池用外装材事業を連結子会社であるT&Tエナテクノにおいて行っています。T&Tエナテクノは、リチウムイオン電池用外装材の製造・販売を手掛ける専門メーカーとして、凸版印刷と東洋製罐株式会社の事業提携により、 2011年6月に誕生しました。両社の持つコア技術を融合することにより、ソフトパック(アルミラミネートフィルム)から、ハードパック(金属缶)まで、あらゆる種類のリチウムイオン電池用外装材を取り揃えるトータルサプライヤーとして事業を展開しています。
※1 波動散乱の逆問題
散乱したマイクロ波などの波動から、外部からは見えない構造等を決定しようとする問題。「散乱」という物理現象の因果関係を逆方向に辿るという意味で「逆問題」と呼ばれ、応用数学史上の未解決問題として知られている。
* 本ニュースリリースに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。
以 上