イエメン 72時間の停戦期間に突入 ユニセフ、停戦中の人道支援を拡大【報道参考資料】
[16/10/21]
提供元:PRTIMES
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全土で760万人がコレラの感染リスク
[画像1: http://prtimes.jp/i/5176/791/resize/d5176-791-313995-1.jpg ]
※本信の原文をご入用の方は、日本ユニセフ協会広報室にお問合せください。
※イエメン危機に関連する画像・動画は、http://uni.cf/2eyDOc2 よりダウンロードいただけます。
【2016年10月20日 イエメン発】
イエメンでは、現地時間の19日深夜から72時間の停戦に入りました。停戦期間はその後更新される可能性もあります。アフメド事務総長特使による国連の発表によると、「あらゆる軍事的行動」の停止に加えて、「イエメン全土において、人道支援のためのすべての物資および人員の、自由で無制限のアクセス」を保障する義務が、この停戦には含まれます。
ユニセフ(国連児童基金)は、イエメン国内で紛争の影響を受けている家族や子どもたちのために、緊急支援を続けています。今月にはコレラの流行が確認されるなど、イエメンの子どもたちを取り巻く状況は悪化の一途を辿っています。今回の停戦期間中、ユニセフは、避難民の人々への水と衛生、母子への保健・栄養支援などを集中的に行うべく、停戦に先立って救援物資などを準備していました。現在のイエメンの状況と、停戦期間中のユニセフの緊急支援活動についてお伝えします。(日本時間2016年10月20日午後22時時点の情報です)
◇イエメンの現状
2015年3月にイエメンで紛争が勃発して以来、およそ320万人が避難を余儀なくされ、その半数近くが子どもたちです。国際社会およびイエメンで活動する人道支援パートナーは、紛争のすべての関係者が、国際人道法に則り、人道状況の改善のために喫緊の対策をとる必要があると強調しています。
イエメン国内では、以前から切迫していた経済的、財政的な状況は、さらに悪化しています。基本的な医薬品やその他の生活必需品が不足している状況が、イエメン全土で続いています。人道支援物資もまた、治安状況やアクセスの制限によって不足している状況が続いています。
イエメンの保健システムの現在の状況が、ユニセフとパートナー団体の最大の懸念事項です。世界保健機関(WHO)の予備データによると、調査対象となった国内16の行政区域において、54パーセント以上の保健施設が、機能していない、もしくは、一部の機能しか維持できていない状況です。
紛争の直接的な影響として、3,584の学校が閉鎖されており、180万人以上の学齢期の子どもたちが学校に通えていません。2016年10月に一部の学校は再開できたものの、未だに1,000校以上が、不安定な治安状況、学校を標的にした攻撃、校舎の損壊、国内避難民のための避難所使用、という理由により再開できていません。
◇停戦中のユニセフの活動
[画像2: http://prtimes.jp/i/5176/791/resize/d5176-791-488044-0.jpg ]
不安定な治安状況と長期化する紛争の中でも、ユニセフは、最も影響を受け、最も困難な状況にある人々に支援を届けるために、イエメン全土で統合的な緊急対応を続けています。
ユニセフは、イエメンの最も困難な状況にある子どもたちに対する、統合的な子どもの保護プログラムや母親・新生児・子どもたちに対する保健・栄養また疾病予防支援、栄養不良の子どもたちの治療ケアの提供、避難している家族への安全な水の提供と衛生施設の設置などを行うために、イエメン国内に5カ所のサブ・オフィスを設置しています。停戦期間には、こうした支援がすべて、集中的に行われる予定です。
停戦がこのまま守られれば、ユニセフはパートナー団体とともに、長期化する武力紛争によってアクセスが断続的に遮断されているタイズ、サアダ、セルハン(Serhan)、マリブ、アデンの避難民にも、事前に配置しておいた救援物資を届ける予定です。
この停戦という貴重な時間に、ユニセフは、アクセスが困難な地域において高まっている人道ニーズに応えるため、移動式の診療所や、保健・栄養・水と衛生の統合的なプログラムを通じて、保健や栄養分野の支援対象地域を拡大する予定です。
◇コレラへの対応
ユニセフとパートナーは、コレラ流行への対応を続けています。10月18日時点、イエメンの3つの行政地区で8件のコレラの感染が確認され、イエメン全土では276件の感染の疑いが報告されています。
ユニセフは、保健・水と衛生クラスターを通じて、コレラおよび急性の水様性下痢に対する統合的な対応策を公表しました。イエメンの人口の3分の2は、紛争の影響で、安全な水を手に入れることができません。200万人以上の国内避難民、さらにはおよそ100万人の帰還民が、特にコレラなどの流行のリスクに晒されています。
その流行は、サヌア市、タイズ、アデン、アルべイダ、ラへジ、ホデイダの6つの行政区域で最も広がっており、450万人が感染リスクに晒されています。イエメン全土では、合計760万人がそれらの感染リスクに晒されています。
停戦期間中、ユニセフは、初期段階で感染症の流行を封じ込むために、現在実施中の、水と衛生プログラム、および、保健、開発のためのコミュニケーション(C4D)プログラムを、感染症の広がりを防ぐための重要な策として、さらに拡大する予定です。コレラ治療の対象地域、および、水と衛生の支援物資を配布する対象地域を広げるとともに、水道局とユニセフ現地事務所のスタッフ混成による即応チームの数も増やす予定です。
前回の停戦および和平協議の期間に見られたように、停戦は、避難民たちにより自由な移動と故郷への帰還を可能にし、また、ユニセフが必要不可欠なサポートを提供し続けているイエメンの緊急保健救援活動に手を差し伸べることにもなります。
* * *
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
[画像1: http://prtimes.jp/i/5176/791/resize/d5176-791-313995-1.jpg ]
※本信の原文をご入用の方は、日本ユニセフ協会広報室にお問合せください。
※イエメン危機に関連する画像・動画は、http://uni.cf/2eyDOc2 よりダウンロードいただけます。
【2016年10月20日 イエメン発】
イエメンでは、現地時間の19日深夜から72時間の停戦に入りました。停戦期間はその後更新される可能性もあります。アフメド事務総長特使による国連の発表によると、「あらゆる軍事的行動」の停止に加えて、「イエメン全土において、人道支援のためのすべての物資および人員の、自由で無制限のアクセス」を保障する義務が、この停戦には含まれます。
ユニセフ(国連児童基金)は、イエメン国内で紛争の影響を受けている家族や子どもたちのために、緊急支援を続けています。今月にはコレラの流行が確認されるなど、イエメンの子どもたちを取り巻く状況は悪化の一途を辿っています。今回の停戦期間中、ユニセフは、避難民の人々への水と衛生、母子への保健・栄養支援などを集中的に行うべく、停戦に先立って救援物資などを準備していました。現在のイエメンの状況と、停戦期間中のユニセフの緊急支援活動についてお伝えします。(日本時間2016年10月20日午後22時時点の情報です)
◇イエメンの現状
2015年3月にイエメンで紛争が勃発して以来、およそ320万人が避難を余儀なくされ、その半数近くが子どもたちです。国際社会およびイエメンで活動する人道支援パートナーは、紛争のすべての関係者が、国際人道法に則り、人道状況の改善のために喫緊の対策をとる必要があると強調しています。
イエメン国内では、以前から切迫していた経済的、財政的な状況は、さらに悪化しています。基本的な医薬品やその他の生活必需品が不足している状況が、イエメン全土で続いています。人道支援物資もまた、治安状況やアクセスの制限によって不足している状況が続いています。
イエメンの保健システムの現在の状況が、ユニセフとパートナー団体の最大の懸念事項です。世界保健機関(WHO)の予備データによると、調査対象となった国内16の行政区域において、54パーセント以上の保健施設が、機能していない、もしくは、一部の機能しか維持できていない状況です。
紛争の直接的な影響として、3,584の学校が閉鎖されており、180万人以上の学齢期の子どもたちが学校に通えていません。2016年10月に一部の学校は再開できたものの、未だに1,000校以上が、不安定な治安状況、学校を標的にした攻撃、校舎の損壊、国内避難民のための避難所使用、という理由により再開できていません。
◇停戦中のユニセフの活動
[画像2: http://prtimes.jp/i/5176/791/resize/d5176-791-488044-0.jpg ]
不安定な治安状況と長期化する紛争の中でも、ユニセフは、最も影響を受け、最も困難な状況にある人々に支援を届けるために、イエメン全土で統合的な緊急対応を続けています。
ユニセフは、イエメンの最も困難な状況にある子どもたちに対する、統合的な子どもの保護プログラムや母親・新生児・子どもたちに対する保健・栄養また疾病予防支援、栄養不良の子どもたちの治療ケアの提供、避難している家族への安全な水の提供と衛生施設の設置などを行うために、イエメン国内に5カ所のサブ・オフィスを設置しています。停戦期間には、こうした支援がすべて、集中的に行われる予定です。
停戦がこのまま守られれば、ユニセフはパートナー団体とともに、長期化する武力紛争によってアクセスが断続的に遮断されているタイズ、サアダ、セルハン(Serhan)、マリブ、アデンの避難民にも、事前に配置しておいた救援物資を届ける予定です。
この停戦という貴重な時間に、ユニセフは、アクセスが困難な地域において高まっている人道ニーズに応えるため、移動式の診療所や、保健・栄養・水と衛生の統合的なプログラムを通じて、保健や栄養分野の支援対象地域を拡大する予定です。
◇コレラへの対応
ユニセフとパートナーは、コレラ流行への対応を続けています。10月18日時点、イエメンの3つの行政地区で8件のコレラの感染が確認され、イエメン全土では276件の感染の疑いが報告されています。
ユニセフは、保健・水と衛生クラスターを通じて、コレラおよび急性の水様性下痢に対する統合的な対応策を公表しました。イエメンの人口の3分の2は、紛争の影響で、安全な水を手に入れることができません。200万人以上の国内避難民、さらにはおよそ100万人の帰還民が、特にコレラなどの流行のリスクに晒されています。
その流行は、サヌア市、タイズ、アデン、アルべイダ、ラへジ、ホデイダの6つの行政区域で最も広がっており、450万人が感染リスクに晒されています。イエメン全土では、合計760万人がそれらの感染リスクに晒されています。
停戦期間中、ユニセフは、初期段階で感染症の流行を封じ込むために、現在実施中の、水と衛生プログラム、および、保健、開発のためのコミュニケーション(C4D)プログラムを、感染症の広がりを防ぐための重要な策として、さらに拡大する予定です。コレラ治療の対象地域、および、水と衛生の支援物資を配布する対象地域を広げるとともに、水道局とユニセフ現地事務所のスタッフ混成による即応チームの数も増やす予定です。
前回の停戦および和平協議の期間に見られたように、停戦は、避難民たちにより自由な移動と故郷への帰還を可能にし、また、ユニセフが必要不可欠なサポートを提供し続けているイエメンの緊急保健救援活動に手を差し伸べることにもなります。
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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)