ウガンダ、起業家精神溢れる土壌に日本を歓迎 日本の新規事業に手を差し伸べる駐日ウガンダ大使館のプロジェクト「East x East」
[16/07/21]
提供元:@Press
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2015年「Global Entrepreneurship Monitor」によって発表された調査が、世界中の起業家に大きな衝撃を与えました。世界で最も起業家が多い国はウガンダで、成人人口の28.1%が2015年6月までの42カ月以内に起業しているというのです。これは、2位のタイの16.7%に大きな差をつける圧倒的な数字で、ちなみに日本は1.3%(※1)、下から4番目に位置しています。
ウガンダでは、外資の大手企業の参入はまだ始まったばかりで、約4,000万(※2)の人口に十分な雇用を提供できる規模を持つ現地企業の数もまだまだ足りません。そのため国は、新しい雇用主を切望し、また新しいビジネス機会で溢れているのです。ウガンダでは、起業の機が熟しているのです。
■East x East:日本の起業家を歓迎するプロジェクト
東京にある駐日ウガンダ大使館は、日本の中小企業や起業家をウガンダに招くことを目的に、東京に拠点を置くコンサルティング会社アイディオロジー・インターナショナル(代表取締役:塩光 順、以下 アイディオロジー)と協力し、プロジェクト「East x East」を2016年5月より開始しています。ベティ・グレース・アケチ=オクロ大使は、「今こそ、日本の企業家がウガンダに参入する時です」と話し、「ヨウェリ・ムセベニ大統領も、特に日本の起業家を喜んで迎え入れたいと公式に発表しています。私も個人的な関係作りを大切に、できうるかぎり最大限のお手伝いをさせていただくつもりです」と、ウガンダが国を挙げて日本を歓迎することを明らかにしています。
アイディオロジーは、ウガンダにおける新規事業者のコミュニティをより深く理解するために、ウガンダ現地の起業家と海外から参入した起業家の両方を含む広範囲にわたって、調査を実施しました。その結果について塩光氏は、「私たちは、一つの共通するテーマを発見しました」と話します。「それは、ウガンダで新規事業を始めるにあたって、画期的なアイデアというものは必ずしも必要ないということです。むしろ、ウガンダにおいてのビジネス革新は、既に世界に広まっている製品やサービスを、アフリカの文脈に適応させていくことにあります」
塩光氏によるとウガンダでは、IT関連業界の起業家が急増しており、『WIRED』(※3)など多数の雑誌に頻繁に取り上げられて注目を集めていると言います。そこでアイディオロジーの調査は、それ以外の残りの業種に焦点が当てられました。
■Endiro Coffee:ウガンダの新しいカフェ文化を牽引する女性
カフェの新しいブランドを展開しようとする起業家にとって、日本は激戦地と言えるでしょう。しかし一方、世界でも有数のコーヒー輸出大国(※4)であるウガンダは最近まで、コーヒーの消費量は決して多くありませんでした。お洒落でモダンなインテリアを誇る「Endiro Coffee」(※5)は、そんなウガンダのカフェ文化のパイオニア的存在の一つ。近年ウガンダを訪れる外国人の数が増加し続けていることを受けて、Endiro Coffeeは2011年に第一号店をオープンし、現在は5店舗を運営しています。美味しいコーヒー、健康的なフード、洗練された内装、そして忘れてはならないWi-Fi(ウガンダでは高価なサービス)を目当てに、たくさんの外国人客がEndiro Coffeeに集まっています。
しかし、Endiro Coffeeがウガンダに与えた影響は、単にウガンダにコーヒー・ルネサンスとも呼ぶべき、新しい風を吹き込んだことだけにとどまりません。Endiro Coffeeのモットーは「brewing a better world(より良い世界をつくる※brewはコーヒーを「いれる」際に使う動詞)。創設者で代表取締役のグロリア・カトゥシーメさんは、「私たちは企業理念、企業戦略、社会活動の全てにおいて、特に弱い立場にある子どもたちのために、より良い未来をつくることを目指して設計されています」と話します。
■伊藤 淳氏:日本の宅配サービス基準をウガンダへ
日本人の伊藤 淳氏は、2014年にそれまでコンサルタントとして勤めていたアクセンチュアを退職し、起業家としてウガンダで人材育成会社WBPF Training (※6)やビジネス・インキュベーターFabLab Kampalaなど、さまざまな事業を起こしてきました。伊藤氏が最近取り組んでいる事業の一例には、日本のバイク便をモデルにした宅配サービス、CourieMateがあります。
「ウガンダの宅配業に力強い未来があることは明らかです」と伊藤氏は言います。交通渋滞が深刻なカンパラでは、いち早く宅配便を届ける手段はバイクであり、法人の顧客からも個人の顧客からも需要が非常に高くなっているそうです。
自身の貯蓄と数人の友人からの支援のみで事業を立ち上げることができた伊藤氏は、どうしてそれが可能なのか、次のように話します。「大企業のブランドは近隣の数カ国では定着しているものの、ウガンダにはまだ乗り出し始めたばかりなので、今のウガンダで起業する人はより低いコストで迅速に市場に参入することができるのです。そして、既にウガンダに来ている企業であっても、まだ事業戦略を計画している段階のものが多いのです」
伊藤氏の真の望みは、人々とビジネスをつなげるプラットフォームを作ることだそう。「人を繋げることによって、グローバル社会に新たな一石を投じることのできる、持続可能性のあるエコシステムをアフリカで構築・発信していきたい」と伊藤氏。
■Aquafish4Life:シンガポール発の養殖漁業コンサルティング会社
「今こそ、起業家がウガンダに来るべき時だ」と明言するのは、Aquafish4Lifeの創設者でシンガポール人のルイス・チュア氏。2005年からウガンダに滞在しているチュア氏は、「今ウガンダにやって来る起業家は、5年以内にその労働の豊かな成果を見ることができるでしょう」と確信に満ちた表情で話します。
チュア氏はそれまで、養殖漁業とは全く無縁の仕事をしていました。ゴルフのアウトフィッターとして、妻とウガンダに移り住んできたチュア氏は、移住から3年の間に、養殖漁業に大きなビジネスチャンスがあることに気が付きました。「魚は、ウガンダの人々の食生活の大きな一部を占めています。しかし、新鮮な魚のウガンダ最大の宝庫であったビクトリア湖では、乱獲のために漁獲高が激減してしまっていたのです」
親族や友人から10万ドル(約1,000万円)の資金を募り、2014年、チュア氏は革新的な養殖漁場の運営を始めました。今では、「アクアポニックス」という手法 ―水に浮かぶケージの中で魚を育て、その排泄物を野菜栽培の肥料に使用する― を生かして、ウガンダ現地の数多くの養殖漁業者のコンサルティングも行っています。さらに、チュア氏は現地の養殖漁業者から高品質な魚を買い戻し、カンパラ近辺にある最高級レストラン、大使館にも卸売りをするという、素晴らしい発想を実現化したのです。
チュア氏は、「これから先の5〜10年で莫大な利益を得ることができると予想する投資家たちが、日に日にウガンダに押し寄せてきています。好機はウガンダの至る所にあります。問題は、誰がそのチャンスを一番最初に掴むのかということ。それを見つけ出し、手にさえすることができれば・・・ものごとが進むペースも事業の成長率も速いものだと、僕は確信しています」と語ります。
※1 Virgin News
( https://www.virgin.com/entrepreneur/uganda-named-the-worlds-most-entrepreneurial-country )
※2 World Bank
( http://data.worldbank.org/country/uganda )
※3 Wired
( http://www.wired.co.uk/article/ugandas-tech-pioneers )
※4 European Coffee Federation
( http://www.ecf-coffee.org/about-coffee/coffee-facts )
※5 Endiro Coffee website
( http://www.endirocoffee.com )
※6 Reference:WBPF Training website
( http://www.wbpftraining.com )
ウガンダでは、外資の大手企業の参入はまだ始まったばかりで、約4,000万(※2)の人口に十分な雇用を提供できる規模を持つ現地企業の数もまだまだ足りません。そのため国は、新しい雇用主を切望し、また新しいビジネス機会で溢れているのです。ウガンダでは、起業の機が熟しているのです。
■East x East:日本の起業家を歓迎するプロジェクト
東京にある駐日ウガンダ大使館は、日本の中小企業や起業家をウガンダに招くことを目的に、東京に拠点を置くコンサルティング会社アイディオロジー・インターナショナル(代表取締役:塩光 順、以下 アイディオロジー)と協力し、プロジェクト「East x East」を2016年5月より開始しています。ベティ・グレース・アケチ=オクロ大使は、「今こそ、日本の企業家がウガンダに参入する時です」と話し、「ヨウェリ・ムセベニ大統領も、特に日本の起業家を喜んで迎え入れたいと公式に発表しています。私も個人的な関係作りを大切に、できうるかぎり最大限のお手伝いをさせていただくつもりです」と、ウガンダが国を挙げて日本を歓迎することを明らかにしています。
アイディオロジーは、ウガンダにおける新規事業者のコミュニティをより深く理解するために、ウガンダ現地の起業家と海外から参入した起業家の両方を含む広範囲にわたって、調査を実施しました。その結果について塩光氏は、「私たちは、一つの共通するテーマを発見しました」と話します。「それは、ウガンダで新規事業を始めるにあたって、画期的なアイデアというものは必ずしも必要ないということです。むしろ、ウガンダにおいてのビジネス革新は、既に世界に広まっている製品やサービスを、アフリカの文脈に適応させていくことにあります」
塩光氏によるとウガンダでは、IT関連業界の起業家が急増しており、『WIRED』(※3)など多数の雑誌に頻繁に取り上げられて注目を集めていると言います。そこでアイディオロジーの調査は、それ以外の残りの業種に焦点が当てられました。
■Endiro Coffee:ウガンダの新しいカフェ文化を牽引する女性
カフェの新しいブランドを展開しようとする起業家にとって、日本は激戦地と言えるでしょう。しかし一方、世界でも有数のコーヒー輸出大国(※4)であるウガンダは最近まで、コーヒーの消費量は決して多くありませんでした。お洒落でモダンなインテリアを誇る「Endiro Coffee」(※5)は、そんなウガンダのカフェ文化のパイオニア的存在の一つ。近年ウガンダを訪れる外国人の数が増加し続けていることを受けて、Endiro Coffeeは2011年に第一号店をオープンし、現在は5店舗を運営しています。美味しいコーヒー、健康的なフード、洗練された内装、そして忘れてはならないWi-Fi(ウガンダでは高価なサービス)を目当てに、たくさんの外国人客がEndiro Coffeeに集まっています。
しかし、Endiro Coffeeがウガンダに与えた影響は、単にウガンダにコーヒー・ルネサンスとも呼ぶべき、新しい風を吹き込んだことだけにとどまりません。Endiro Coffeeのモットーは「brewing a better world(より良い世界をつくる※brewはコーヒーを「いれる」際に使う動詞)。創設者で代表取締役のグロリア・カトゥシーメさんは、「私たちは企業理念、企業戦略、社会活動の全てにおいて、特に弱い立場にある子どもたちのために、より良い未来をつくることを目指して設計されています」と話します。
■伊藤 淳氏:日本の宅配サービス基準をウガンダへ
日本人の伊藤 淳氏は、2014年にそれまでコンサルタントとして勤めていたアクセンチュアを退職し、起業家としてウガンダで人材育成会社WBPF Training (※6)やビジネス・インキュベーターFabLab Kampalaなど、さまざまな事業を起こしてきました。伊藤氏が最近取り組んでいる事業の一例には、日本のバイク便をモデルにした宅配サービス、CourieMateがあります。
「ウガンダの宅配業に力強い未来があることは明らかです」と伊藤氏は言います。交通渋滞が深刻なカンパラでは、いち早く宅配便を届ける手段はバイクであり、法人の顧客からも個人の顧客からも需要が非常に高くなっているそうです。
自身の貯蓄と数人の友人からの支援のみで事業を立ち上げることができた伊藤氏は、どうしてそれが可能なのか、次のように話します。「大企業のブランドは近隣の数カ国では定着しているものの、ウガンダにはまだ乗り出し始めたばかりなので、今のウガンダで起業する人はより低いコストで迅速に市場に参入することができるのです。そして、既にウガンダに来ている企業であっても、まだ事業戦略を計画している段階のものが多いのです」
伊藤氏の真の望みは、人々とビジネスをつなげるプラットフォームを作ることだそう。「人を繋げることによって、グローバル社会に新たな一石を投じることのできる、持続可能性のあるエコシステムをアフリカで構築・発信していきたい」と伊藤氏。
■Aquafish4Life:シンガポール発の養殖漁業コンサルティング会社
「今こそ、起業家がウガンダに来るべき時だ」と明言するのは、Aquafish4Lifeの創設者でシンガポール人のルイス・チュア氏。2005年からウガンダに滞在しているチュア氏は、「今ウガンダにやって来る起業家は、5年以内にその労働の豊かな成果を見ることができるでしょう」と確信に満ちた表情で話します。
チュア氏はそれまで、養殖漁業とは全く無縁の仕事をしていました。ゴルフのアウトフィッターとして、妻とウガンダに移り住んできたチュア氏は、移住から3年の間に、養殖漁業に大きなビジネスチャンスがあることに気が付きました。「魚は、ウガンダの人々の食生活の大きな一部を占めています。しかし、新鮮な魚のウガンダ最大の宝庫であったビクトリア湖では、乱獲のために漁獲高が激減してしまっていたのです」
親族や友人から10万ドル(約1,000万円)の資金を募り、2014年、チュア氏は革新的な養殖漁場の運営を始めました。今では、「アクアポニックス」という手法 ―水に浮かぶケージの中で魚を育て、その排泄物を野菜栽培の肥料に使用する― を生かして、ウガンダ現地の数多くの養殖漁業者のコンサルティングも行っています。さらに、チュア氏は現地の養殖漁業者から高品質な魚を買い戻し、カンパラ近辺にある最高級レストラン、大使館にも卸売りをするという、素晴らしい発想を実現化したのです。
チュア氏は、「これから先の5〜10年で莫大な利益を得ることができると予想する投資家たちが、日に日にウガンダに押し寄せてきています。好機はウガンダの至る所にあります。問題は、誰がそのチャンスを一番最初に掴むのかということ。それを見つけ出し、手にさえすることができれば・・・ものごとが進むペースも事業の成長率も速いものだと、僕は確信しています」と語ります。
※1 Virgin News
( https://www.virgin.com/entrepreneur/uganda-named-the-worlds-most-entrepreneurial-country )
※2 World Bank
( http://data.worldbank.org/country/uganda )
※3 Wired
( http://www.wired.co.uk/article/ugandas-tech-pioneers )
※4 European Coffee Federation
( http://www.ecf-coffee.org/about-coffee/coffee-facts )
※5 Endiro Coffee website
( http://www.endirocoffee.com )
※6 Reference:WBPF Training website
( http://www.wbpftraining.com )