後場に注目すべき3つのポイント〜米利上げはアク抜け意識、あとは中国の底入れ見極めへ
[15/08/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
28日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・米利上げはアク抜け意識、あとは中国の底入れ見極めへ
・ドル・円は121円01銭付近、日本株と上海株の堅調受けドル堅調
・円安基調を受け自動車株にも買い
■米利上げはアク抜け意識、あとは中国の底入れ見極めへ
日経平均は大幅に続伸。513.66円高の19088.10円(出来高概算14億6000万株)で前場の取引を終えた。前日の中国・上海市場の反発や、米4-6月GDP改定値が予想を大幅に上回り、NYダウが369ドル高となったことが好感されている。シカゴ日経225先物清算値は19000円に乗せていたこともあり、これにさや寄せする格好から始まった。寄り付き直後に19000円を回復した日経平均は、上海市場の動向を見極めたいとして、その後は19000円近辺でのこう着が続いていた。
注目された上海が続伸で始まると、いったんは利食いに押される局面がみられたが、前引けにかけて上げ幅を拡大させている。東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1800を超えており、ほぼ全面高商状に。セクターでは、鉱業、鉄鋼、非鉄金属、石油石炭、卸売、輸送用機器、銀行、ゴム製品、機械、証券などが強い。一方で、原油高を受けて空運は利食い優勢。前日に強い動きをみせていた食料品なども売り買い交錯に。
中国の下げ止まりや商品相場の上昇が買い安心感につながっており、資源・素材関連が軒並み堅調な値動きをみせている。また、米国の9月利上げへの思惑がくすぶるものの、前日の予想を上回る4-6月GDP改定値の発表を受けても、警戒感にはつながらなかった。そのため、たとえ9月利上げが実施されたとしても、アク抜け材料になりそうだ。
そのため、あとは中国の底入れが確実視されてくるようだと、相場全体のリバウンドが意識されやすい。11月の郵政上場を控えて需給悪化も意識されるが、政府の経済対策や日銀の追加緩和への思惑が売り込みづらくさせる。
自律反発の域でもあり、再び慎重姿勢が強まる可能性は十分にあるため、今しばらくは値動きの荒い展開を意識。上値追いは慎重になるだろうが、スタンスとしてはリバウンド入りとして、押し目拾いのスタンスは継続。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■ドル・円は121円01銭付近、日本株と上海株の堅調受けドル堅調
ドル・円は121円01銭付近で推移。日経平均株価が500円超高となるなか、ドルは上値を切り上げ、一時121円31銭まで買われた。上海総合指数が節目の3000ポイントを超えて続伸となっていることもドルの押し上げ要因。
27日夜に発表された米4-6月期国内総生産(GDP)改定値は前期比年率3.7%増と、速報値の2.3%増から上方修正された。これを好感し、ドルは前日海外市場で121円40銭まで上昇。買い一服後は東京市場の朝方まで売りが続いた。東京市場では、引き続き日経平均や上海株をにらみながらの取引で、株高継続ならリスク選好的なドル買いが優勢となり、121円50銭レベルを試す可能性がある。
12時27分時点のドル・円は121円01銭、ユーロ・円は136円25銭、ポンド・円は186円84銭、豪ドル・円は86円94銭で推移している。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・ファナック<6954>、ソフトバンクG<9984>、京セラ<6971>が日経平均値上がり寄与上位
・中国関連銘柄の上昇が目立つ
・円安基調を受け自動車株にも買い
☆後場の注目スケジュール☆
<国内>
・特になし
<海外>
・15:45 スイス・4-6月期GDP(前期比予想:-0.1%、1-3月期:-0.2%)
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