前場に注目すべき3つのポイント〜個人の需給状況の悪化はやや警戒しておく必要も
[16/08/09]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
9日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■株式見通し:個人の需給状況の悪化はやや警戒しておく必要も
■外資系証券の注文動向:差し引き580万株の買い越し
■前場の注目材料:天皇陛下 生前退位を示唆
■個人の需給状況の悪化はやや警戒しておく必要も
9日の日本株市場はこう着感の強い相場展開になりそうだ。8日の米国市場は米雇用統計を好感した先週末の大幅上昇の反動もあり、NYダウ、ナスダックともに小幅に下落している。原油相場は上昇しているが、相場への影響は限定的だったようだ。シカゴ日経225先物清算値は大阪比25円高の16635円だった。
シカゴ先物にさや寄せする格好から、底堅い展開になりそうではある。ただし、16600-16800円は価格帯別出来高で商いが膨れている水準であるため、強弱感が対立しやすいと考えられる。決算発表がピークを迎えるなか、積極的には手掛けづらい面もありそうだ。一方で日銀によるETF買入れに対する思惑から下を売り込む流れになりづらく、底堅さは意識されるだろう。
原油相場の上昇や円相場はやや円安に振れて推移していることもあり、先高期待は高まりやすく、16600-16800円の抵抗レンジでの攻防といったところが意識されやすい。一方でインデックスに絡んだ商い、指数インパクトの大きい値がさ株に資金が向かう半面、中小型株などに冴えない動きも目立つ。マザーズ指数は5ヵ月ぶりの安値水準をつけており、日経平均の強い動きの一方で、個人の需給状況の悪化はやや警戒しておく必要もありそうだ。
物色としては決算を手掛かりとした日替わり物色に。また、ソフトバンクグ<9984>のVR参入を受けて、VRのほかAR関連などにも関心が向かいそうである。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■外資系証券の注文動向:差し引き580万株の買い越し
朝の外資系証券5社経由の注文状況は、売り630万株、買い1210万株、差し引き580万株の買い越しとの観測。なお、直近5日分の注文動向は以下の通り。
8月02日(火):180万株の買い越し
8月03日(水):30万株の買い越し
8月04日(木):140万株の売り越し
8月05日(金):480万株の買い越し
8月06日(月):230万株の買い越し
■前場の注目材料
・NYダウは下落(18529.29、-14.24)・NY原油(43.02、+1.22)
・トランプ氏、TPP離脱などの姿勢強調
・中国貿易統計、輸出入の前年割れ続く
・天皇陛下 生前退位を示唆
・7月の景気ウオッチャー調査、4カ月ぶり上昇
・野村不動産HD<3231>、東京・浜松町周辺で大規模再開発へ乗り出す
・バイオジェット、20年後半にも羽田で導入する方針
・昭和電工<4004>、17年末までにリチウムイオン電池向け材料の生産増強
・スズキ<7269>、富士重工<7270>の保有株式売却
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:50 7月マネーストックM2(前年比予想:+3.3%、6月:+3.4%)
<海外>
・10:30 中・7月消費者物価指数(前年比予想:+1.8%、6月:+1.9%)
・10:30 中・7月生産者物価指数(前年比予想:-2.0%、6月:-2.6%)
<WA>