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国内株式市場見通し:基本はアク抜けによる上昇に期待

注目トピックス 市況・概況
先週の日経平均は下落。日米の金融イベントを翌週に控えるなか、金融政策に対する思惑等から不安定な相場展開となった。前週末の米国株式相場の急落が嫌気される格好から、週初は大幅に下落して始まった。米早期利上げ観測が再燃するなか、海外勢のポジション調整に伴う売り圧力が主力株を中心に上値の重しとなった。その後、ブレイナードFRB理事の発言を受けた利上げ観測の後退による米国株高を受けた反発もみられたが、米利上げ観測の後退に伴う円高基調から輸出関連等は上値が抑えられており、不安定な相場展開が続いた。また、日銀のETF買入れによる需給面での下支えが期待される中、市場のインパクトも次第に限られてきており、これが売り方に安心感を与える格好にもなったようだ。

また、国内については日銀が20・21日に開く金融政策決定会合でまとめる異次元緩和の「総括的な検証」で、今後の金融緩和の軸にマイナス金利政策の深掘りを据える方針と報じられるなか、メガバンクを中心に銀行株が軟調。国債の大量購入で期間25年を超す超長期国債の購入を抑えることを議論すると報じられており、超長期債の利回り上昇への思惑から保険株が上昇する半面、不動産株の売りにつながっている。さらに、バンクオブアメリカ・メリルリンチ 2016 ジャパンコンファレンスのほか、みずほ証券によるインベストメント カンファレンス等が開催されていたことで、市場参加者も限られていた影響もあったとみられる。

今週はシルバーウイークとなるが、3日間の取引のなかで緊張感の高まる週になろう。3連休明け後の飛び石連休の谷間の20・21日には米連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀の金融政策決定会合が開催される。両方の結果が分かるのは22日未明となるが、この日は秋分の日のため日本市場だけが休場となる。この間世界の市場は大きく動く可能性があり、週末23日には外部環境の影響をフルに受けることになろう。20・21日は思惑的な売買が中心となり、日銀の決定介護の結果を受けて21日午後は荒い値動きになりそうだが、FOMCの結果を見極めたいとする状況の中では、リスクはとりづらいところである。

もっとも、FRBに対しては、これまでの米指標やFRB幹部らの講演内容を総合すれば、イエレンFRB議長が9月に利上げに踏み切る可能性は低く、サプライズはないとの見方が市場コンセンサスとなろう。一方で日銀の金融政策の「総括的な検証」を巡って、不透明感がくすぶっており、相場の波乱要因になるとみられている。先週末16日こそメガバンクは反発をみせていたが、連休を控えての買戻しとみられ、連休明けは不安感が高まりそうだ。

ただし、マイナス金利の深掘りが警戒されようが、「三菱東京UFJ銀行頭取は日銀にマイナス金利の副作用検証を要望と」伝えられていた。銀行収益へのリスクからマイナス幅の大胆な深掘りはできないとみられ、今回の異次元緩和の総括的な検証では、ひとまず現在の政策が機能していることを強調し、現状維持が見込まれよう。現状維持ではあるが、市場はいったんアク抜けとの見方に向かうことになり、シルバーウイーク明け後のリバウンドを意識しておきたい。




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