来週の相場で注目すべき3つのポイント:米FOMC、総括的な検証、マイナス金利深掘り
[16/09/18]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 市況・概況
■株式相場見通し
予想レンジ:上限17000-下限16000円
来週はシルバーウイークとなるが、3日間の取引のなかで緊張感の高まる週になろう。3連休明け後の飛び石連休の谷間の20・21日には米連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀の金融政策決定会合が開催される。両方の結果が分かるのは22日未明となるが、この日は秋分の日のため日本市場だけが休場となる。この間世界の市場は大きく動く可能性があり、週末23日には外部環境の影響をフルに受けることになろう。
20・21日は思惑的な売買が中心となり、日銀の決定会合の結果を受けて21日午後は荒い値動きになりそうだが、FOMCの結果を見極めたいとする状況の中では、リスクはとりづらいところである。
もっとも、FRBに対しては、これまでの米指標やFRB幹部らの講演内容を総合すれば、イエレンFRB議長が9月に利上げに踏み切る可能性は低く、サプライズはないとの見方が市場コンセンサスとなろう。一方で日銀の金融政策の「総括的な検証」を巡って、不透明感がくすぶっており、相場の波乱要因になるとみられている。先週末16日こそメガバンクは反発をみせていたが、連休を控えての買戻しとみられ、連休明けは不安感が高まりそうだ。
ただし、警戒されるマイナス金利政策に関しては、「三菱東京UFJ銀行頭取は日銀にマイナス金利の副作用検証を要望」と先週末にも伝わっているように、銀行収益へのリスクからマイナス幅の大胆な深掘りはできないとみられ、今回は、異次元緩和の総括的な検証でひとまず現在の政策が機能していることを強調し、現状維持が見込まれよう。現状維持ではあるが、市場はいったんアク抜けとの見方に向かうことになり、シルバーウイーク明け後のリバウンドを意識しておきたい。
■為替市場見通し
来週のドル・円は、20-21日開催の日本銀行金融政策決定会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)が焦点となる。米連邦準備制度理事会(FRB)は金融政策の現状維持を決めることが市場コンセンサスとなっている。日本側では日銀による追加金融緩和の実施(マイナス金利の深掘り)が一部で予想されているが、今回は金融政策を変更せず、「総括的な検証」の結果を報告し、今後の方向性を提示するだけにとどまるとの見方もある。金融政策の現状維持が決まった場合、ドル売り・円買いが一時的に強まる可能性がある。
2%の物価目標を達成するための措置として、次回の金融政策決定会合で追加の金融緩和を行う可能性は高いとみられているが、マイナス金利の拡大は金融機関の業績悪化や利用者負担が重くなるなどのデメリットがあるとみられており、政府・日銀の思惑に反して株安・円高に振れる相場展開もあり得る。
米FOMC会合では利上げ見送りが決定される公算。8月米雇用統計やISM製造業業況指数などの経済指標は予想を下回っていることや、インフレ加速の兆しは現れていないことから、12月利上げへの期待が高まりつつある。このため、9月利上げ見送りでドル安・円高に振れても、年内利上げ観測を背景とするドル買い・円売りの興味は大きく後退せず、ドルは下げ渋る可能性がある。
■来週の注目スケジュール
9月19日(月):中不動産価格、欧経常収支、米NAHB住宅市場指数など
9月20日(火):金融政策決定会合、基準地価、米住宅着工件数、FOMCなど
9月21日(水):貿易収支、訪日外国人客数、日銀総括的検証、FOMC政策金利など
9月22日(木):米新規失業保険申請件数、米景気期待指数、ドラギECB総裁が講演など
9月23日(金):全産業活動指数、独製造業PMI、米製造業PMIなど
<TM>