後場に注目すべき3つのポイント〜日銀のETF買入が需給面での下支えとなるか
[16/12/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
26日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日銀のETF買入が需給面での下支えとなるか
・ドル・円は117円07銭付近、ドル・円は下げ渋り、117円台を維持
・黒田日銀総裁講演(経団連)
■日銀のETF買入が需給面での下支えとなるか
日経平均は小幅に続落。17.24円安の19410.43円(出来高概算6億9000万株)で前場の取引を終えている。円相場が1ドル117円前半での推移となるなか、参加者が限られていることもあり、小幅に続落で始まった。ただし、売り込む流れにはならず、19400円を挟んでの推移が続いている。セクターでは、その他製品、精密機器、サービス、食料品、医薬品が上昇。半面、鉱業、輸送用機器、鉄鋼、石油石炭、銀行、証券が冴えない。
規模別指数は大型株指数のみが下落。東証1部の騰落銘柄は値上がり、値下がり数が拮抗。売買代金上位では任天堂<7974>、ディーエヌエー<2432>、インタートレード<3747>、キーエンス<6861>、SOSEI<4565>、メタップス<6172>が堅調。一方で、メガバンク3行や
トヨタ自<7203>、ソフトバンクG<9984>、KDDI<9433>が冴えない。
日経平均は狭いレンジでのこう着となっているが、参加者が限られるなかで想定内である。TOPIXは4.46pt安となるなか、後場は日銀のETF買入が需給面での下支えとなるかが注目される。前場の売買代金が1兆円に届いていない状況であり、ETF買入が入るようだと、薄商いの中で指数を押し上げてくる可能性がある。ただし、オーバーナイトのポジションは取りづらく、先回り的な参加者による利食い等が重しになりそうだ。
また、指数反応が見られないようだと、任天堂<7974>、ディーエヌエー<2432>、SOSEI<4565>のショートカバー狙いのほか、新興市場を中心とした中小型株での値幅取りにとどまりそうである。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■ドル・円は117円07銭付近、ドル・円は下げ渋り、117円台を維持
26日午前の東京外為市場では、ドル・円は下げ渋り。年末休暇入りで材料難のなか、引き続き116円台は買いが観測され117円台を維持した。
今日はクリスマスの振替休日、ボクシングデーで主要国が休場のため、材料難から動意の薄い展開となっている。朝方117円38銭を付けた後、日経平均株価の弱含みを受けややドル売りが強まり、117円05銭まで値を下げた。
ただ、ランチタイムの日経平均先物はプラス圏で推移し、日経平均の浮揚への期待からドル買い・円売りに振れやすい展開。116円台は引き続きドル買い意欲が強く、117円台は維持されそうだ。
ここまでのドル・円の取引レンジは117円05銭から117円38銭、ユーロ・円は122円30銭から122円77銭、ユーロ・ドルは1.0444ドルから1.0460ドルで推移した。
12時25分時点のドル・円は117円07銭、ユーロ・円は122円41銭、ポンド・円は143円81銭、豪ドル・円は84円22銭で推移している。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・オルトプラス<3672>、インタートレード<3747>、三桜工業<6584>など6社がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・日銀金融政策決定会合・議事要旨(10月31日-11月1日開催分)
「物価情勢の先行きについて消費者物価の前年比は、マクロ的な需給バランスが改善し、中長期的な予想物価上昇率も高まるにつれ見通し期間の後半には2%に向け上昇率を高める」
「2%程度に達する時期は、見通し期間の終盤である2018年度ごろになる可能性が高い」
「保有残高の増加額年間約80兆円のメドを維持したうえで、引き続き金利操作方針を実現するよう長期国債の買入れを運営することが適当」
☆後場の注目スケジュール☆
<国内>
・13:00 黒田日銀総裁講演(経団連)
・14:00 10月景気動向指数改定値・先行(速報値:101.0)
<海外>
・豪、NZ、香港、シンガポール、独、仏、英国、米国、カナダなどはクリスマスの振替休日
<WA>