デリカフーズ Research Memo(2):非常時の危機管理体制が迅速に機能する物流体制に強み
[14/12/04]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
デリカフーズ<3392>の事業は、契約農家や市場等から仕入れた野菜を顧客の要望に合わせて加工し配送するカット野菜事業と、仕入れた野菜をそのまま配送するホール野菜事業、その他事業に分けられる。その他事業には日配品(卵、豆腐、冷凍食品等)の販売、業務委託※のほか子会社のデザイナーフーズ(株)が外食企業等に対して行っているメニュー提案等のコンサルティング業務や食品の栄養成分に関する受託分析サービスが含まれる。
※業務委託:同社が現在物流拠点を有していない北海道、東北の一部エリア、中国・四国地域等において協力企業に配送を委託しており、その部分にかかる売上高のこと。
2015年3月期第2四半期累計の部門別売上高構成比は、ホール野菜が53.2%、カット野菜が35.6%、その他が11.2%となっており、カット野菜の占める比率が上昇傾向にある。スーパーやコンビニエンスストアのほか、最近では人材不足の影響もあり外食業界でも需要が伸びていることが背景だ。
業態別売上構成比では、ファミリーレストランが55.1%と最も高く、次いでファーストフード15.0%、居酒屋11.2%となり、外食産業向けが全体の85.1%、中食産業向けが14.9%といった構成になっている。配送先は全国で約10,000店舗程度あり、青果物専業の流通企業としては業界で最大規模となっている。
同社事業の特徴は、カット野菜の製造で国内最大手企業ということだけでなく、外食産業など顧客企業が繁盛するためのコンサルティング業務(メニュー提案)も同時に行っていることが挙げられる。コンサルティングに関しては、同社が10年以上に渡って取り組んできた野菜の機能性に着目した栄養価に関する豊富な分析データの蓄積がベースとなっており、同業他社ではまねのできない強みとなっている。
また、もう1つの強みとしては卸売事業者として、高品質で安全、確実に商品を顧客のもとに配送することが可能な物流体制を全国に構築(委託業者を含む)していることが挙げられる。2014年2月に関東を直撃した大雪により、物流網が一時混乱する事態となったが、同社においては、非常時の危機管理体制が迅速に機能し、納入遅延など大きなトラブルを起こさなかったことで、顧客から高い評価を受けたことは記憶に新しい。
さらに、業界では初となるスーパーコールドチェーン※を実現した東京第二FSセンターの稼働は、新規顧客の獲得に大きく貢献しており、今後新設するセンターはすべてスーパーコールドチェーン対応にする予定となっている。
※スーパーコールドチェーン:野菜の入庫から出荷、配送までの全工程を1〜4℃の低温度で管理するシステム。野菜の鮮度が保持できるため、カット野菜の賞味期限を従来比2倍に延長することが可能となった。
安心・安全の確保という点においては、食品安全マネジメントシステムの国際規格である「ISO22000」の認証取得を進めている。東京第一FSセンターに続き、今年度に入って第二FSセンター及び神奈川事業所で取得し、今後はグループ全工場で取得する予定となっている。また、新たに「FSSC22000」の認証も、東京第一FSセンターで取得する計画を立てている。「FSSC22000」とは、「ISO22000」に食品安全対策(フード・テロ対策、原材料やアレルギー物質の管理方法など)や、「食品安全に関連する要員の監視」「サービスに関する仕様」などを追加した認証規格であり、さらに上位の安全認証規格とも言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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