伊藤忠エネクス Research Memo(3):LPガスの利幅は一定だが販売量変動の影響は大きい
[14/12/15]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
(2)各事業部門の内容と収益変動ファクター
以下では、伊藤忠エネクス<8133>の各事業部門の収益構造と、主な収益変動ファクターを説明する。
ホームライフ事業
ホームライフ事業の商材・サービスには、LPガスの販売、都市ガス運営事業、産業用ガスの販売、タクシー(LPガスを燃料とするもの)向けのオートスタンドの運営、太陽光発電システムなど次世代エネルギーシステムの販売などがある。
これらのなかで収益貢献度が大きい事業はLPガス事業であり、ホームライフ事業部門の収益動向を大きく捉えようとするならば、LPガスの価格(仕入値及び販売価格)と販売数量の動向を把握しておくことが重要になる。同社は直接販売・間接販売(販売店経由)合わせて100万世帯を顧客として握っており、そうしたマクロの動きの影響が、良くも悪くも同社の業績に反映される状況にある。
日本ではLPガスは約80%が輸入され、同社も輸入・元売り業者から仕入れる。この仕入価格は原油価格や為替レートなどの影響を受けて上下する。原油価格が上昇する局面ではLPガス原料の価格も上昇し、為替レートが円安になれば、輸入価格上昇となってやはり上昇する。しかしこのような原料価格変動は原料費調整制度によってある程度吸収され、同社を含めて卸売業者・小売業者は一定のマージンを確保できるようになっている。
反対に、販売数量の変動が利益に与える影響は大きい。利益額は利幅と販売数量の掛け算で求められるが、前述のように、単位当たりの利幅が一定であるため、数量変動が直接利益額に影響を及ぼすことになる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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