ネクステージ Research Memo(16):全国No.1の中古車ディーラーを目指し「2020年ビジョン」を掲げる
[15/02/23]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
(3)長期目標2020年ビジョン:200店舗、売上高2,000億円、経常利益100億円
ネクステージ<3186>は、全国No.1の中古車ディーラーを目指し「2020年ビジョン」を掲げている。長期的な数値目標は、200店舗、売上高2,000億円、経常利益100億円、売上高経常利益率5%である。2014年11月期との比較では、売上高が約4倍、店舗数は5.4倍となる。
将来の大量出店を可能にする、新たな店舗形態を推進する。これまでのエリアにおける点的な展開から、面取りを意図した複数店の組合せに発展させる。具体的には、敷地面積が3,000-4,000坪と大きい旗艦店が広いストックスペースと整備ピットを擁し、販売に特化した3-4店舗のサテライト(周辺)店と連携した運営で陣地取りをする。
急激な事業の拡張には、人材供給がボトルネックになるおそれがある。中型店では、店長及び整備に3人、事務に1人、セールス5人の人員構成となる。特に店長は、中古車販売のあらゆる業務に精通し、管理能力も問われるため、育成に7-8年かかる。従来型の出店では、200店舗の店長を育成しなくてはならない。店舗の新しい組み合わせでは、旗艦店にそのエリアを見る店長クラスの社員を配置すれば済む。サテライト店にはピットも設置せず、営業に専念する3-4人を配置する。営業要員ならば、新卒でも3-4年で育つ。旗艦店のピットの稼働率も、高水準を維持できる。
販売業が追求するビジネスモデルは、顧客のロイヤリティを上げ、ライフタイムバリュー(顧客生涯価値)を獲得することである。それには、顧客と定期的にコンタクトする仕掛けが必要となる。同社は、オイル交換、損害保険の更新、車検などを通して来店を誘導している。車両を購入した顧客の高い満足度を維持することが、現車の下取と別の中古車への乗り換え需要を獲得することにつながる。
インターネットやテレビCMによる広告で、商圏エリアを広げる取り組みをしている。軽自動車専門店に関しては、エリアごとのドミナント戦略を実行するための出店形態を採っている。こちらの集客には、新聞折り込みチラシ等の媒体も活用している。消費者は、中古車の出品状況や価格などをインターネットで調べてから、現車の確認に店舗に向かう。
同社のAmazon.co.jpへの出品も、クロスメディアの一環と捉えられる。2014年6月から、Amazon.co.jpの総合オンラインストア初の中古車のオンライン販売を開始した。ワンクリックの購入を対象とする商品は、販売価格が30-50万円と店頭販売のクルマよりもグレードが低くなる。ここでも、『納車後1週間以内であれば返品可能』や『主要消耗品8パーツを新品に交換』を含めて、安心感を高めた販売を行っている。ワンクリックのグレードよりも高年式車を望む顧客には、全国展開している店舗に来てもらう。バーチャルとリアル店舗での相乗効果を狙う
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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