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MDV Research Memo(4):医療・健康データの蓄積と蓄積データを活用するサービスを提供

注目トピックス 日本株

■ソフトウェアプロダクツとサービスの詳細な内容

各種システムの提供を通じて医療・健康データを蓄積する「データネットワークサービス」と、蓄積したデータを活用する「データ利活用サービス」に大きく分かれている。データネットワークサービスではベンチマーク分析等による経営改善、データ利活用サービスは医療現場の詳細なデータを根拠とした事業活動支援を可能にする。

以下に、主要システム並びにサービスを紹介する。

・データネットワークサービス

「EVE」や「Medical Code」などのソフトウェア販売とその後のメンテナンスサービスは、納入時にイニシャル、その後はランニングの収益を生む。健康保険組合向けのソフトウェア「けんぽアナライザー」は無償で提供している。

○DPC分析ベンチマークシステム「EVE」:
出来高請求とDPC請求の差額分析、患者数・在院日数・医療資源などの各種指標を疾患別・症例別に分析するDPC分析ベンチマークシステム。他院との比較ができるベンチマーク機能で、自院の強みと弱みを把握した上での診療及び経営方針の立案が可能だ。圧倒的なベンチマークデータ量、容易なデータの可視化、優れた操作性により誰もが利用できるという特長を持つ。導入費用は、イニシャルコストが400万円、メンテナンス費用は月額5万円である。2014年12月期末の累計導入数は、705病院。

○DPC詳細分析ベンチマークシステム「EVE-ASP」:
自院の名称を実名公開すると、他院の実名で公開された診療内容を閲覧することができるサービス。自院の気になる症例を検索し、パス画面一覧を表示すると、「EVE-ASP」を導入している全病院の収益因子や、詳細な診療情報を閲覧できる。「EVE-ASP」の月額利用料は、2万円。

○病院向け経営支援システム「Medical Code」:
DPCフォーマットの入院外来EFや電子レセプトデータなどの標準フォーマットデータを活用し、院内に埋もれている様々な経営課題の解決を支援するシステム。院内での情報共有、意識改革・行動誘発を促し、経営改善の手法まで提示するため、経営改善行動サイクルを誘発し効果的な経営改善が可能になる。現状に即した機能増殖型パッケージソフト。イニシャルコストが800万円、メンテナンス費用は月額10万円である。2014年12月期末の導入数は、131病院。

・データ利活用サービス

EBM Providerサービスを利用した製薬会社は、累計60社を数える。また、2015年からは処方医薬品だけでなく、OTC医薬品の領域を対象とした分析サービスも開始している。

○診療データ分析ツール「MDV analyzer」:
顧客自身が患者数や処方日数、処方量などを分析するためのWEBツール。疾患や薬剤だけでなく、手術や検査など実際の診療行為を起点とした多角的な分析が可能。年間利用料は、2,000万円。2014期12月期の利用社数は、10社。

2015年3月からは、疫学調査支援を目的とした分析システム「MDV analyzer for Academia」の提供を開始している。

○アドホック調査サービス:
顧客の様々な要望に応じて、より具体的でピンポイントな分析をメディカル・データ・ビジョン<3902>で行うサービス。詳細な集計レポートやデータセットなどを提供する。「MDV analyzer」を利用した顧客から、より詳細なデータ分析を依頼されることも多い。調査内容は、処方継続率状況、薬剤の新規継続切り替え状況などの詳細な分析が可能である。平均単価は300万円。分析の工数と難易度などにより、1,000万円を超えるケースもある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)



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