ミルボン Research Memo(6):2015年12月期は増収増益で着地、ヘアケアやヘアカラーが順調
[16/03/07]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■中期事業構想の概要と進捗状況
(2) 2015年12月決算の詳細と中期事業構想の進捗状況
ミルボン<4919>の今中期事業構想初年度の2015年12月期は、国内市場についてはヘアカラーにおいてグレイカラー(白髪染め)市場の拡大、「オージュア」を中心としたヘアケア製品の市場拡大、新フィールド活動システムを具体策のポイントとして掲げてスタートした。海外市場については前述のように、各国市場の深耕が大きなテーマだ。結論を先に述べれば、内容的には国内、海外の両市場で重点施策が順調に進み、業績面でも売上高、利益ともに計画を上回り、順調な滑り出しとなった。
2015年12月期は、売上高27,377百万円(前期比8.5%増)、営業利益4,727百万円(同6.2%増)、経常利益4,427百万円(同5.0%増)、当期利益2,950百万円(同12.6%増)と、増収増益で着地した。
事業部門別では、ヘアケア用剤部門が16,195百万円(前期比10.9%増)と順調に伸びた。独自開発の毛髪補修成分「CMADK」を配合した商品やエイジングケア関連品が好調だったことが寄与した。ブランド別ではエイジングニーズの高まりを追い風に主力の「オージュア」が前期比23.6%増の4,418百万円となったほか、20代女性をターゲットにした新製品「ジェミールフラン」も552百万円(計画達成率138.2%)を売り上げた。
染毛剤(ヘアカラー)部門の売上高は9,507百万円(同7.8%増)だった。6月に投入したグレイヘアー用新製品「オルディーブ クリスタル」は1,014百万円(計画達成率137.1%)を売り上げ、市場からの高評価を獲得した。主力ブランド「オルディーブ」も追加色の売上好調が続いている。パーマネントウェーブ用剤部門は市場縮小が続き、前期比7.2%減の1,410百万円だった。
ブランド別では、前述のように主力のヘアケア剤「オージュア」を始め、既存ブランド、新製品ブランドともに、いずれも好調だった。2015年12月期に注目された動きは、イタリアから導入しているオーガニックヘアケア剤「ヴィラロドラ」だ。2014年12月期は115百万円の売上げにとどまったが、カラー剤の発売を機に大きく売上げを伸ばし、「ヴィラロドラ」全体で489百万円(前期比322.7%増)と大幅に伸びた。躍進の原動力となった「ヴィラロドラカラー」の売上高は、262百万円(計画達成率218.3%)だった。
国内外別に見ると、国内売上高が前期比5.6%増の23,880百万円だったのに対し、海外売上高は同33.8%増の3,496百万円と、大きな伸びを示した。主要国別状況は以下のとおりだ。
韓国: ヘアカラー剤「オルディーブ」の追加色が好調で増収に寄与した。代理店側のミルボンの奨める提案型営業への理解が深まり、代理店主体の独自セミナーや海外研修などが行われるようになったこともプラスに働いた。2015年10月からプレミアムヘアケアブランド「オージュア」のテストマーケティングを開始した。本格的な業績寄与は2016年からとなる見込みだが、今後が注目される。
米国: 元来、同社自身が直販の形で全米の製品を販売してきたが、徐々に代理店販売へと切り替えている。そのなかで2015年は契約販売代理店が地方の代理店を買収したことで、代理店販売網が東海岸7州に拡大した。代理店向け提案・サポート強化で信頼感が高まり、取引サロン数は順調に拡大している状況だ。
中国: 同社から販売代理店に対する勉強会を増やしたことで、販売代理店からサロンへの教育活動が活発化し、それが地域の有力サロンとの関係強化につながるという流れができ、それが業績拡大に結び付いた。同社からサロンへの直接提案・指導もさらに強化し、それによるサロンの売上高拡大に貢献する取り組みも積極化させている。
タイ: 市場としてのタイは2015年12月期は前期比約倍増の90百万円を記録し、好調だ。ヘアカラー剤が好調だったが、高齢化に伴いヘアケア剤の「プラーミア」も需要を伸ばしている。工場としてのタイは、年初に計画した輸出対象国8ヶ国への輸出が、年末までにすべて開始された。2016年には中国への出荷が本格化する予定で、設備稼働率が着実に向上している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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(2) 2015年12月決算の詳細と中期事業構想の進捗状況
ミルボン<4919>の今中期事業構想初年度の2015年12月期は、国内市場についてはヘアカラーにおいてグレイカラー(白髪染め)市場の拡大、「オージュア」を中心としたヘアケア製品の市場拡大、新フィールド活動システムを具体策のポイントとして掲げてスタートした。海外市場については前述のように、各国市場の深耕が大きなテーマだ。結論を先に述べれば、内容的には国内、海外の両市場で重点施策が順調に進み、業績面でも売上高、利益ともに計画を上回り、順調な滑り出しとなった。
2015年12月期は、売上高27,377百万円(前期比8.5%増)、営業利益4,727百万円(同6.2%増)、経常利益4,427百万円(同5.0%増)、当期利益2,950百万円(同12.6%増)と、増収増益で着地した。
事業部門別では、ヘアケア用剤部門が16,195百万円(前期比10.9%増)と順調に伸びた。独自開発の毛髪補修成分「CMADK」を配合した商品やエイジングケア関連品が好調だったことが寄与した。ブランド別ではエイジングニーズの高まりを追い風に主力の「オージュア」が前期比23.6%増の4,418百万円となったほか、20代女性をターゲットにした新製品「ジェミールフラン」も552百万円(計画達成率138.2%)を売り上げた。
染毛剤(ヘアカラー)部門の売上高は9,507百万円(同7.8%増)だった。6月に投入したグレイヘアー用新製品「オルディーブ クリスタル」は1,014百万円(計画達成率137.1%)を売り上げ、市場からの高評価を獲得した。主力ブランド「オルディーブ」も追加色の売上好調が続いている。パーマネントウェーブ用剤部門は市場縮小が続き、前期比7.2%減の1,410百万円だった。
ブランド別では、前述のように主力のヘアケア剤「オージュア」を始め、既存ブランド、新製品ブランドともに、いずれも好調だった。2015年12月期に注目された動きは、イタリアから導入しているオーガニックヘアケア剤「ヴィラロドラ」だ。2014年12月期は115百万円の売上げにとどまったが、カラー剤の発売を機に大きく売上げを伸ばし、「ヴィラロドラ」全体で489百万円(前期比322.7%増)と大幅に伸びた。躍進の原動力となった「ヴィラロドラカラー」の売上高は、262百万円(計画達成率218.3%)だった。
国内外別に見ると、国内売上高が前期比5.6%増の23,880百万円だったのに対し、海外売上高は同33.8%増の3,496百万円と、大きな伸びを示した。主要国別状況は以下のとおりだ。
韓国: ヘアカラー剤「オルディーブ」の追加色が好調で増収に寄与した。代理店側のミルボンの奨める提案型営業への理解が深まり、代理店主体の独自セミナーや海外研修などが行われるようになったこともプラスに働いた。2015年10月からプレミアムヘアケアブランド「オージュア」のテストマーケティングを開始した。本格的な業績寄与は2016年からとなる見込みだが、今後が注目される。
米国: 元来、同社自身が直販の形で全米の製品を販売してきたが、徐々に代理店販売へと切り替えている。そのなかで2015年は契約販売代理店が地方の代理店を買収したことで、代理店販売網が東海岸7州に拡大した。代理店向け提案・サポート強化で信頼感が高まり、取引サロン数は順調に拡大している状況だ。
中国: 同社から販売代理店に対する勉強会を増やしたことで、販売代理店からサロンへの教育活動が活発化し、それが地域の有力サロンとの関係強化につながるという流れができ、それが業績拡大に結び付いた。同社からサロンへの直接提案・指導もさらに強化し、それによるサロンの売上高拡大に貢献する取り組みも積極化させている。
タイ: 市場としてのタイは2015年12月期は前期比約倍増の90百万円を記録し、好調だ。ヘアカラー剤が好調だったが、高齢化に伴いヘアケア剤の「プラーミア」も需要を伸ばしている。工場としてのタイは、年初に計画した輸出対象国8ヶ国への輸出が、年末までにすべて開始された。2016年には中国への出荷が本格化する予定で、設備稼働率が着実に向上している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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