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ダイコク電 Research Memo(1):中期経営計画「Next50 第一章」を公表、成長力及び収益力の向上を目指す

注目トピックス 日本株
ダイコク電機<6430>は、パチンコホール向けコンピュータシステムの開発・製造・販売のほか、パチンコ・パチスロ遊技機の表示・制御ユニット及びパチスロ遊技機の開発・製造・販売等を2本柱としている。主力のホールコンピュータ分野では、デファクトスタンダードとなっている管理手法の提供等により、業界No1の市場シェア約35%を握る。また、パチンコホールの経営を支援する業界唯一の会員制情報提供サービス「DK-SIS」では、会員ホール数3,717店(2016年3月末現在)とのネットワークを形成し、同社の事業基盤を支えている。自社開発パチスロ遊技機の製造・販売にも本格参入した。

同社は、年々縮小傾向にあるパチンコ市場等を踏まえ、中長期を見据えた事業改革を推進している。足元の業績は、業界における自主規制の影響等により一旦後退する格好になったものの、事業改革の柱である1)次世代ホールコンピュータの開発、2)ストック型収益モデルへの転換、3)自社開発パチスロ遊技機の拡大については概ね順調に進展している。特に、これまで多額の研究開発費を投入してきた次世代ホールコンピュータが、いよいよ来期(2018年3月期)以降の販売開始に向けて最終段階に入ってきたようだ。クラウドサーバーを駆使したビッグデータ対応による高度な分析機能を備えており、他社の追随を許さない圧倒的な優位性を確立することで市場シェアの拡大を目指している。

ただ、2016年3月期の業績は、売上高が前期比13.0%減の47,004百万円、営業損失が894百万円(前期は1,425百万円の利益)と想定を下回る減収減益となり、営業損失に転落した。自主規制の追加等により厳しい市場環境が続くなかで、情報システム事業及び制御システム事業がともに低調に推移した。特に、自社開発パチスロ遊技機の販売(期初計画4機種のうち3機種)が、自主規制に伴う仕様変更等により翌期(2017年3月期)にずれ込んだことが業績の足を引っ張った。

2017年3月期の業績予想について同社は、売上高を前期比6.4%増の50,000百万円、営業利益を1,000百万円と増収及び黒字転換の達成を見込んでいる。厳しい市場環境が継続する見通しのもと、情報システム事業は引き続き周辺機器の販売減による縮小を見込んでいるものの、制御システム事業における巻き返しが業績回復に大きく貢献する想定となっている。弊社でも、パチンコ遊技機向けが適合基準の浸透により平常化に向かっていることや、前期からの持ち越しとなった自社開発パチスロ遊技機(3機種)の販売が寄与することにより同社業績予想の達成は可能であるとみている。ただ、業績の伸びが下期偏重になっているところには注意が必要である。また、前期同様、外部要因(自主規制の影響の長期化等)が同社の業績に与える影響についても注意深く見守る必要はあるだろう。

同社は、今期(2017年3月期)を初年度とする新たな中期経営計画「Next50 第一章」を公表した。来期(2018年3月期)以降の販売開始を目指している次世代ホールコンピュータによるシェア拡大のほか、データ分析力や企画開発力を活かした新たな価値の創出により、成長力及び収益力の向上を実現する方針である。最終年度である2020年3月期の目標として、売上高570億円、営業利益40億円(営業利益率7.0%)、ROE7%以上を掲げている。弊社でも、圧倒的なポジショニングの確立による同社自身の成長期待に加えて、業界全体の活性化に向けた取り組みに注目している。

■Check Point
・パチンコホール向けコンピュータシステムの開発・製造・販売を主力とする
・17/3期は制御システム事業などの伸張で増収増益の見通し
・次世代ホールコンピュータの開発が最終段階に入る

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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