デリカフーズ Research Memo(2):国内最大手の「業務用の八百屋」
[16/12/13]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
(1)事業内容
デリカフーズ<3392>の事業は、契約農家や市場等から仕入れた野菜を顧客の要望に合わせて加工し配送するカット野菜事業と、仕入れた野菜をそのまま配送するホール野菜事業、その他事業に分けられる。その他事業には日配品(卵、豆腐、冷凍食品等)の販売や業務委託※のほか、子会社のデザイナーフーズ(株)が外食企業、量販店等に行っている食で健康を目指すコンサルティング業務や、農産物の受託分析サービスが含まれる。
※業務委託:同社が現在物流拠点を有していない北海道、東北の一部エリア、中国・四国地域等において協力企業に配送を委託しており、その部分にかかる売上高のこと。
また、同社は持ち株会社制を取っており、主要拠点となる東京、名古屋、大阪に子会社を展開しているほか、デザイナーフーズ、(株)メディカル青果物研究所※、2015年7月から新たに事業を開始した物流会社のエフエスロジスティックス(株)と合わせて6 社の子会社で構成されている。
※メディカル青果物研究所は実質的に休眠状態となっている。
(2)部門別、業態別売上高
2017年3月期第2四半期累計の部門別売上構成比は、ホール野菜が51.7%、カット野菜が35.9%、その他が12.4%となっており、ここ数年はカット野菜の占める比率が上昇傾向にある(2011年3月期は32.1%)。また、業態別売上構成比では、ファミリーレストランが58.1%と最も高く、次いでファストフード11.3%、居酒屋10.2%となり、外食産業向けが全体の84.0%を占め、残り16.0%を食品メーカーや弁当・総菜事業者向けを中心とした中食産業向けで占めている。5年前との比較では中食産業向けの比率が若干上昇している。配送先は全国で約10,000店舗あり、青果物専業の流通企業としては業界で最大規模となる。
(3)同社の強み
同社の強みは、業務用野菜の卸し、カット野菜の製造で国内最大手ということだけでなく、外食チェーンなど顧客企業が繁盛するためのコンサルティング業務(メニュー提案)も同時に行っていることが挙げられる。同社は10年以上にわたって、野菜の機能性を研究しており、特に、日本中から取り寄せた野菜に関する栄養価などの分析データベースでは国内最大規模のデータを蓄積している。この分析データに基づいて、健康増進につながるメニュー提案をできることが同業他社にはない強みとなっている。
また、もう1つの強みとしては卸売事業者として、国内外で開拓してきた多くの契約産地(仕入高の60%超)から安定した仕入を行うことができる調達力と、高品質で安全、確実に商品を顧客のもとに配送する物流網を全国に構築(委託業者を含む)していることが挙げられる。業界では初となるスーパーコールドチェーン※1を実現した東京第二FSセンターを稼働(2013年7月)させたほか、食品安全マネジメントシステムの国際標準規格となるISO22000や、さらにその上位規格となるFSSC22000※2の認証も取得するなど、食の安心・安全を確保するうえでの取り組みを積極的に進めていることも、顧客からの高い評価につながっている。
※1スーパーコールドチェーン: 野菜の入庫から出荷、配送までの全工程を1〜4℃の低温度で管理するシステム。野菜の鮮度が保持できるため、カット野菜の賞味期限を従来比2 倍に延長することが可能となった。
※2「FSSC22000」:「ISO22000」に食品安全対策(フード・テロ対策、原材料やアレルギー物質の管理方法など)や、「食品安全に関連する要員の監視」「サービスに関する仕様」などを追加したもの。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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(1)事業内容
デリカフーズ<3392>の事業は、契約農家や市場等から仕入れた野菜を顧客の要望に合わせて加工し配送するカット野菜事業と、仕入れた野菜をそのまま配送するホール野菜事業、その他事業に分けられる。その他事業には日配品(卵、豆腐、冷凍食品等)の販売や業務委託※のほか、子会社のデザイナーフーズ(株)が外食企業、量販店等に行っている食で健康を目指すコンサルティング業務や、農産物の受託分析サービスが含まれる。
※業務委託:同社が現在物流拠点を有していない北海道、東北の一部エリア、中国・四国地域等において協力企業に配送を委託しており、その部分にかかる売上高のこと。
また、同社は持ち株会社制を取っており、主要拠点となる東京、名古屋、大阪に子会社を展開しているほか、デザイナーフーズ、(株)メディカル青果物研究所※、2015年7月から新たに事業を開始した物流会社のエフエスロジスティックス(株)と合わせて6 社の子会社で構成されている。
※メディカル青果物研究所は実質的に休眠状態となっている。
(2)部門別、業態別売上高
2017年3月期第2四半期累計の部門別売上構成比は、ホール野菜が51.7%、カット野菜が35.9%、その他が12.4%となっており、ここ数年はカット野菜の占める比率が上昇傾向にある(2011年3月期は32.1%)。また、業態別売上構成比では、ファミリーレストランが58.1%と最も高く、次いでファストフード11.3%、居酒屋10.2%となり、外食産業向けが全体の84.0%を占め、残り16.0%を食品メーカーや弁当・総菜事業者向けを中心とした中食産業向けで占めている。5年前との比較では中食産業向けの比率が若干上昇している。配送先は全国で約10,000店舗あり、青果物専業の流通企業としては業界で最大規模となる。
(3)同社の強み
同社の強みは、業務用野菜の卸し、カット野菜の製造で国内最大手ということだけでなく、外食チェーンなど顧客企業が繁盛するためのコンサルティング業務(メニュー提案)も同時に行っていることが挙げられる。同社は10年以上にわたって、野菜の機能性を研究しており、特に、日本中から取り寄せた野菜に関する栄養価などの分析データベースでは国内最大規模のデータを蓄積している。この分析データに基づいて、健康増進につながるメニュー提案をできることが同業他社にはない強みとなっている。
また、もう1つの強みとしては卸売事業者として、国内外で開拓してきた多くの契約産地(仕入高の60%超)から安定した仕入を行うことができる調達力と、高品質で安全、確実に商品を顧客のもとに配送する物流網を全国に構築(委託業者を含む)していることが挙げられる。業界では初となるスーパーコールドチェーン※1を実現した東京第二FSセンターを稼働(2013年7月)させたほか、食品安全マネジメントシステムの国際標準規格となるISO22000や、さらにその上位規格となるFSSC22000※2の認証も取得するなど、食の安心・安全を確保するうえでの取り組みを積極的に進めていることも、顧客からの高い評価につながっている。
※1スーパーコールドチェーン: 野菜の入庫から出荷、配送までの全工程を1〜4℃の低温度で管理するシステム。野菜の鮮度が保持できるため、カット野菜の賞味期限を従来比2 倍に延長することが可能となった。
※2「FSSC22000」:「ISO22000」に食品安全対策(フード・テロ対策、原材料やアレルギー物質の管理方法など)や、「食品安全に関連する要員の監視」「サービスに関する仕様」などを追加したもの。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<NB>