セグエ Research Memo(7):市場、社会より求められる企業グループを目指す
[17/10/24]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■セグエグループ<3968>の中長期の成長戦略
1. 更なるセキュリティ需要の拡大
同社グループの属する業界では、サイバー攻撃増加が新聞などに取り上げられ、企業や組織におけるセキュリティ対策の継続は重要度を増している。サイバー攻撃は、年々高度化・巧妙化が進むとともに、新たなものも日々生み出されており、最近ではランサムウェアの急増やIoT(Internet of Things:モノのインターネットのこと。従来は主にパソコンやサーバー、プリンタ等のIT関連機器が接続されていたインターネットに、それ以外の様々なモノを接続すること)の進行に伴う攻撃対象の増加等が起きている。
このような環境変化のなか、政府では内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を設置し、2020年東京オリンピック・パラリンピックを見据え、社会的影響の大きい重要インフラ13分野について、標的型サイバー攻撃に対する防御の強化(管理サーバーアクセス制限、ログ取得要件含む)等のセキュリティ対策を推進している。
また、金融・製造業を中心に、情報システムの脆弱性対策が加速している。特に大企業では、より先進的なセキュリティ対策を実行し、短い検討期間での早期導入の傾向が強い。こうしたセキュリティ需要の拡大により、同社グループにとっては有利な事業環境が続くと見られる。
2. 成長戦略
セキュリティ需要の拡大見込みに対応して、同社グループでは、サービス高度化、情報セキュリティ技術者の育成、新たなドライビングフォースとしての自社開発、独自のIT&セキュリティコンバージェンスビジネスの展開、業界トップクラスの企業へ戦略的な取り組み、グループ力の強化と拡充などの成長戦略を推進することで、市場、社会より求められる企業グループへの発展を目指している。
製品面では、自社開発製品SCVXの販売に注力することが、同社グループにとって重要な成長戦略である。SCVXは2017年8月に従前にも増して大規模事業者による導入を視野に入れたバージョンアップを実施済みで、今後は教育委員会や民間部門への販売拡大を目指している。同社のシステムは軽く、価格優位性があり、同じスペックでも同時接続が多い。また、1)外部から攻撃を受けたとしても、その影響は仮想コンテナのみにとどまり、自身のPCは無傷であり、2)自身のPCのSCVXブラウザを落とすと、仮想コンテナもマルウェアごと消滅するという特徴がある。セキュリティ需要の拡大を背景に、SCVXが同社グループの業績をけん引する期待が大きい。
また、従来どおり、最先端の技術を持つグローバル企業との取引を維持・拡大することも成長にとって重要である。なかでも、同社グループでは世界規模で情報セキュリティへの脅威と戦っている、情報セキュリティ先進国である米国における動向を常に注視している。これまでの取引実績から、仕入先の海外企業より日々新たな脅威に対応した新製品などの有益情報が入ってくる関係を構築しており、これが日本にない商材の他社に先行した製品取扱につながっている。
さらに、技術者の採用・育成を継続することもグループの成長には不可欠である。同社グループは、全体の約70%強のITエンジニアを抱えており、ITエンジニアが客先を訪問し、技術的付加価値を付けてシステムを構築・提供できることが、同社グループの強みの1つであり、同社グループへの信頼感を高めている。
3. 中期的業績イメージ
前述のような成長戦略を推進すれば、同社グループが今後も増収増益を続けることは可能だろう。ただ、同社グループは、現段階では、対外的には中期経営計画を発表していない。中期経営計画は、3〜5年といったスパンでの経営目標やビジョンを掲げ、会社として現在何に注力すべきか、あるいは何から手を引くべきかを明らかにするために策定するものである。会社の方向性が見えない状態では、会社として今何を成すべきか、何が必要でないかを、迅速に判断することは困難である。変化の激しい外部環境に対応して行くためにも、会社としての経営方針を明確化することが重要だろう。さらには、同社の投資家や従業員が同社の将来像を共有するためにも、中期経営計画の正式発表は有意義であると弊社では考える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
<HN>
1. 更なるセキュリティ需要の拡大
同社グループの属する業界では、サイバー攻撃増加が新聞などに取り上げられ、企業や組織におけるセキュリティ対策の継続は重要度を増している。サイバー攻撃は、年々高度化・巧妙化が進むとともに、新たなものも日々生み出されており、最近ではランサムウェアの急増やIoT(Internet of Things:モノのインターネットのこと。従来は主にパソコンやサーバー、プリンタ等のIT関連機器が接続されていたインターネットに、それ以外の様々なモノを接続すること)の進行に伴う攻撃対象の増加等が起きている。
このような環境変化のなか、政府では内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を設置し、2020年東京オリンピック・パラリンピックを見据え、社会的影響の大きい重要インフラ13分野について、標的型サイバー攻撃に対する防御の強化(管理サーバーアクセス制限、ログ取得要件含む)等のセキュリティ対策を推進している。
また、金融・製造業を中心に、情報システムの脆弱性対策が加速している。特に大企業では、より先進的なセキュリティ対策を実行し、短い検討期間での早期導入の傾向が強い。こうしたセキュリティ需要の拡大により、同社グループにとっては有利な事業環境が続くと見られる。
2. 成長戦略
セキュリティ需要の拡大見込みに対応して、同社グループでは、サービス高度化、情報セキュリティ技術者の育成、新たなドライビングフォースとしての自社開発、独自のIT&セキュリティコンバージェンスビジネスの展開、業界トップクラスの企業へ戦略的な取り組み、グループ力の強化と拡充などの成長戦略を推進することで、市場、社会より求められる企業グループへの発展を目指している。
製品面では、自社開発製品SCVXの販売に注力することが、同社グループにとって重要な成長戦略である。SCVXは2017年8月に従前にも増して大規模事業者による導入を視野に入れたバージョンアップを実施済みで、今後は教育委員会や民間部門への販売拡大を目指している。同社のシステムは軽く、価格優位性があり、同じスペックでも同時接続が多い。また、1)外部から攻撃を受けたとしても、その影響は仮想コンテナのみにとどまり、自身のPCは無傷であり、2)自身のPCのSCVXブラウザを落とすと、仮想コンテナもマルウェアごと消滅するという特徴がある。セキュリティ需要の拡大を背景に、SCVXが同社グループの業績をけん引する期待が大きい。
また、従来どおり、最先端の技術を持つグローバル企業との取引を維持・拡大することも成長にとって重要である。なかでも、同社グループでは世界規模で情報セキュリティへの脅威と戦っている、情報セキュリティ先進国である米国における動向を常に注視している。これまでの取引実績から、仕入先の海外企業より日々新たな脅威に対応した新製品などの有益情報が入ってくる関係を構築しており、これが日本にない商材の他社に先行した製品取扱につながっている。
さらに、技術者の採用・育成を継続することもグループの成長には不可欠である。同社グループは、全体の約70%強のITエンジニアを抱えており、ITエンジニアが客先を訪問し、技術的付加価値を付けてシステムを構築・提供できることが、同社グループの強みの1つであり、同社グループへの信頼感を高めている。
3. 中期的業績イメージ
前述のような成長戦略を推進すれば、同社グループが今後も増収増益を続けることは可能だろう。ただ、同社グループは、現段階では、対外的には中期経営計画を発表していない。中期経営計画は、3〜5年といったスパンでの経営目標やビジョンを掲げ、会社として現在何に注力すべきか、あるいは何から手を引くべきかを明らかにするために策定するものである。会社の方向性が見えない状態では、会社として今何を成すべきか、何が必要でないかを、迅速に判断することは困難である。変化の激しい外部環境に対応して行くためにも、会社としての経営方針を明確化することが重要だろう。さらには、同社の投資家や従業員が同社の将来像を共有するためにも、中期経営計画の正式発表は有意義であると弊社では考える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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