ワコム Research Memo(3):自社ブランドによる完成品の販売と、パーツのOEM供給の2本柱
[17/12/01]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
2. 事業部門と主要製品
ワコム<6727>の製品は “ペンタブレット”と呼ばれるコンピュータ入力用のデバイスだ。一般的に利用されているマウスを使っても絵や文字を書くことは可能だが、ポインティングの精度が低いため思いどおりの線を描くことは難しい。そこで筆記具たるデジタルペンとタブレット(石板に由来)を用いて精密な絵や文字を簡単に入力することを可能にした器具がペンタブレットだ。
ペンタブレットの最大の特徴は、正確・精密な描写性だ。製品によっては筆圧やペンの傾きなども検知してより繊細にタッチを表現できるものもある。このような特性を生かして、ペンタブレットはコンピュータ上でデザインやイラスト、グラフィックス等を制作する際に利用されている。
同社の事業部門は「ブランド製品事業」、「テクノロジーソリューション事業」及び「その他事業」の3部門から成る。ブランド製品事業はワコムブランドでペンタブレットの完成品や入力用ペンなどを、クリエイターや愛好家といったクリエイティブユーザーから一般消費者、あるいはビジネスユース向けに販売する事業だ。テクノロジーソリューション事業は同社のペンタブレットの部品(デジタルペン、センサー、コントロールIC等)をタブレットやスマートフォンのメーカーにOEM供給する事業だ。その他事業は、エンジニアリングソリューション事業と称する電気設計用CADシステムの開発・販売事業となっている。なお、同社はエンジニアリングソリューション他事業を2017年12月1日付で会社分割のうえ、その株式を他社に譲渡することを発表している。
ブランド製品事業においては、ターゲット顧客や製品タイプ別に幅広いラインアップを有している。製品区分としてはクリエイティブユーザーを対象とするクリエイティブビジネス、一般消費者向けのコンシューマビジネス、法人向けのビジネスソリューションに分かれている。収益規模的に中核であるクリエイティブビジネスにおいては製品タイプ別にペンタブレット、モバイル、ディスプレイの3種類がある。これらの違いを理解することは、競争環境や製品の将来性などを理解するうえでは重要だ。
ペンタブレットはデジタルペンとタブレット板で構成される最も基本的な入力デバイスだ。マウスやキーボードと同じようにPCに接続して使用する。簡単な構成であることから、プロフェッショナル向けから入門用まで幅広いラインアップとなっている。
モバイルはペンタブレットとタブレットPCが一体化した構成のもので、液晶画面にデジタルペンで描き、そのままデバイスに入力したデータを保存することができる。一般的なタブレットPCにデジタルペンで入力するのと使い方としては同じである。しかし同社のモバイルはペン入力の専用機であるため性能は圧倒的に高いが、あくまでPCではないため両者は本質的な競合関係にはないと考えられる。
ディスプレイはタブレット板が液晶パネルになったもので、デジタルペンで液晶画面に直接描画できるという点ではモバイルと同じだ。しかしOSや記憶装置を持たない入力デバイスという点ではペンタブレットと同じ性格の製品だ。
事業区分、製品区分、主要製品別の売上高内訳は、2018年3月期第2四半期実績ベースでは、ブランド製品事業55.2%、テクノロジーソリューション事業44.0%、その他事業0.8%となっている。ブランド製品事業の中ではクリエイティブビジネスが特に大きな構成比を占めている。その中で製品別としてはペンタブレットとディスプレイが大きな比重を占めているが、モバイルも徐々に構成比を上げてきている。
部品のOEM供給であるテクノロジーソリューション事業は、2018年3月期第2四半期実績では全体の44.0%を占めている。この事業は顧客企業の商品戦略や販売動向の影響により、上下に大きく変動するという特性がある。用途別ではスマートフォン、タブレットPC(ノートPC含む)の2つに分けられている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
<MH>
2. 事業部門と主要製品
ワコム<6727>の製品は “ペンタブレット”と呼ばれるコンピュータ入力用のデバイスだ。一般的に利用されているマウスを使っても絵や文字を書くことは可能だが、ポインティングの精度が低いため思いどおりの線を描くことは難しい。そこで筆記具たるデジタルペンとタブレット(石板に由来)を用いて精密な絵や文字を簡単に入力することを可能にした器具がペンタブレットだ。
ペンタブレットの最大の特徴は、正確・精密な描写性だ。製品によっては筆圧やペンの傾きなども検知してより繊細にタッチを表現できるものもある。このような特性を生かして、ペンタブレットはコンピュータ上でデザインやイラスト、グラフィックス等を制作する際に利用されている。
同社の事業部門は「ブランド製品事業」、「テクノロジーソリューション事業」及び「その他事業」の3部門から成る。ブランド製品事業はワコムブランドでペンタブレットの完成品や入力用ペンなどを、クリエイターや愛好家といったクリエイティブユーザーから一般消費者、あるいはビジネスユース向けに販売する事業だ。テクノロジーソリューション事業は同社のペンタブレットの部品(デジタルペン、センサー、コントロールIC等)をタブレットやスマートフォンのメーカーにOEM供給する事業だ。その他事業は、エンジニアリングソリューション事業と称する電気設計用CADシステムの開発・販売事業となっている。なお、同社はエンジニアリングソリューション他事業を2017年12月1日付で会社分割のうえ、その株式を他社に譲渡することを発表している。
ブランド製品事業においては、ターゲット顧客や製品タイプ別に幅広いラインアップを有している。製品区分としてはクリエイティブユーザーを対象とするクリエイティブビジネス、一般消費者向けのコンシューマビジネス、法人向けのビジネスソリューションに分かれている。収益規模的に中核であるクリエイティブビジネスにおいては製品タイプ別にペンタブレット、モバイル、ディスプレイの3種類がある。これらの違いを理解することは、競争環境や製品の将来性などを理解するうえでは重要だ。
ペンタブレットはデジタルペンとタブレット板で構成される最も基本的な入力デバイスだ。マウスやキーボードと同じようにPCに接続して使用する。簡単な構成であることから、プロフェッショナル向けから入門用まで幅広いラインアップとなっている。
モバイルはペンタブレットとタブレットPCが一体化した構成のもので、液晶画面にデジタルペンで描き、そのままデバイスに入力したデータを保存することができる。一般的なタブレットPCにデジタルペンで入力するのと使い方としては同じである。しかし同社のモバイルはペン入力の専用機であるため性能は圧倒的に高いが、あくまでPCではないため両者は本質的な競合関係にはないと考えられる。
ディスプレイはタブレット板が液晶パネルになったもので、デジタルペンで液晶画面に直接描画できるという点ではモバイルと同じだ。しかしOSや記憶装置を持たない入力デバイスという点ではペンタブレットと同じ性格の製品だ。
事業区分、製品区分、主要製品別の売上高内訳は、2018年3月期第2四半期実績ベースでは、ブランド製品事業55.2%、テクノロジーソリューション事業44.0%、その他事業0.8%となっている。ブランド製品事業の中ではクリエイティブビジネスが特に大きな構成比を占めている。その中で製品別としてはペンタブレットとディスプレイが大きな比重を占めているが、モバイルも徐々に構成比を上げてきている。
部品のOEM供給であるテクノロジーソリューション事業は、2018年3月期第2四半期実績では全体の44.0%を占めている。この事業は顧客企業の商品戦略や販売動向の影響により、上下に大きく変動するという特性がある。用途別ではスマートフォン、タブレットPC(ノートPC含む)の2つに分けられている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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