べネ・ワン Research Memo(6):HRテックが注目される時代に
[17/12/15]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■中長期の成長戦略
現在、人手不足、国策、ICTの普及などの外部環境が、ベネフィット・ワン<2412>事業の追い風となっている。これらは、中長期的に持続されるトレンドとなる。市場の拡大は、新規参入者を招き、さらに市場の成長を促進する。同社は、先行者利得と他社にない総合的なサービスにより事業機会を確実に獲得する意向だ。
1. 人手不足
日本の生産年齢人口(15〜64歳)は、ピークとなる1995年の8,716万人から2015年には7,708万人まで減少した。8,000万人割れは、32年ぶりである。総務省の人口推計によると、生産年齢人口は少子高齢化により、2020年に7,341万人、2025年に7,085万人、2030年に6,773万人へと減少の一途をたどる。生産年齢は、年間50万人を超えるペースで減少しており、2020年までに300万人以上減少すると推計されている。
2017年9月の有効求人倍率は1.52倍と4ヶ月連続して1倍を超え、2004年11月の集計開始以来で最高を記録した。同月の完全失業率は2.8%にとどまり、これ以上は下がりにくい「完全雇用」の状況にある。両指標に、労働需給の逼迫状況を示している。
厚生労働省の「労働経済動向調査」によると、2017年8月調査の労働者の過不足状況を見る判断指数(D.I.)が正社員等労働者で37へ、パートタイム労働者で31となった。「労働者過不足判断D.I.」とは、「不足」と回答した事業所の割合から「過剰」と回答した事業所の割合を差し引いた値になり、数字が大きいほど不足感が強いことになる。リーマンショック前のバブル期であった2008年2月調査でのD.I.は、それぞれ27と22であった。リーマンショック後の2009年2月調査時点の指数は、それぞれ-11と-1まで悪化した。
2017年8月調査の正社員等労働者の指数で産業別に人手不足の度合いを見ると、最も深刻な医療、福祉が50、運輸業、郵便業が49(2008年2月調査:48)、建設業が48(同24)、サービス業(他に分類されないもの)が41、学術研究、専門・技術サービス業が41、情報通信業が35(同39)であった。調査産業計の37を下回った産業でも、人手不足感はリーマンショック前よりも強く、特に製造業で激化している。パートタイム労働者のD.I.は、宿泊業、飲食サービス業が50、サービス業(他に分類されないもの)が49、生活関連サービス業、娯楽業が42、運輸業、郵便業が40、卸売業、小売業が39と高い。
2018年3月に卒業予定の大学生の9月1日時点における就職内定率は91.4%に達し、リーマンショック前の88.9%を上回った。2011年春は77.4%まで落ち込んだが、その後7年連続して改善した。かつて大企業が自前の福利厚生施設を所有していた時代は“ぜいたく品”であった福利厚生サービスが、現在はあって当たり前の“必需品”となりつつある。他社並みの福利厚生サービスがなければ、新卒採用に際してハンディとなりかねない。
労働市場が逼迫しているため、新たに従業員を採用することと同様に、優秀な人材を自社に確保し、流失を防ぐためのリテンションが重要になる。リテンションには、ワーク・ライフ・バランスへの配慮や労働環境の改善、昇給、昇進だけでなく、ボーナスやインセンティブが有効になる。営業職や系列代理店への報酬としてもインセンティブの付与が有効になる。また、若い世代は自己成長への関心が高く、教育制度の重要性が増している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
<MW>
現在、人手不足、国策、ICTの普及などの外部環境が、ベネフィット・ワン<2412>事業の追い風となっている。これらは、中長期的に持続されるトレンドとなる。市場の拡大は、新規参入者を招き、さらに市場の成長を促進する。同社は、先行者利得と他社にない総合的なサービスにより事業機会を確実に獲得する意向だ。
1. 人手不足
日本の生産年齢人口(15〜64歳)は、ピークとなる1995年の8,716万人から2015年には7,708万人まで減少した。8,000万人割れは、32年ぶりである。総務省の人口推計によると、生産年齢人口は少子高齢化により、2020年に7,341万人、2025年に7,085万人、2030年に6,773万人へと減少の一途をたどる。生産年齢は、年間50万人を超えるペースで減少しており、2020年までに300万人以上減少すると推計されている。
2017年9月の有効求人倍率は1.52倍と4ヶ月連続して1倍を超え、2004年11月の集計開始以来で最高を記録した。同月の完全失業率は2.8%にとどまり、これ以上は下がりにくい「完全雇用」の状況にある。両指標に、労働需給の逼迫状況を示している。
厚生労働省の「労働経済動向調査」によると、2017年8月調査の労働者の過不足状況を見る判断指数(D.I.)が正社員等労働者で37へ、パートタイム労働者で31となった。「労働者過不足判断D.I.」とは、「不足」と回答した事業所の割合から「過剰」と回答した事業所の割合を差し引いた値になり、数字が大きいほど不足感が強いことになる。リーマンショック前のバブル期であった2008年2月調査でのD.I.は、それぞれ27と22であった。リーマンショック後の2009年2月調査時点の指数は、それぞれ-11と-1まで悪化した。
2017年8月調査の正社員等労働者の指数で産業別に人手不足の度合いを見ると、最も深刻な医療、福祉が50、運輸業、郵便業が49(2008年2月調査:48)、建設業が48(同24)、サービス業(他に分類されないもの)が41、学術研究、専門・技術サービス業が41、情報通信業が35(同39)であった。調査産業計の37を下回った産業でも、人手不足感はリーマンショック前よりも強く、特に製造業で激化している。パートタイム労働者のD.I.は、宿泊業、飲食サービス業が50、サービス業(他に分類されないもの)が49、生活関連サービス業、娯楽業が42、運輸業、郵便業が40、卸売業、小売業が39と高い。
2018年3月に卒業予定の大学生の9月1日時点における就職内定率は91.4%に達し、リーマンショック前の88.9%を上回った。2011年春は77.4%まで落ち込んだが、その後7年連続して改善した。かつて大企業が自前の福利厚生施設を所有していた時代は“ぜいたく品”であった福利厚生サービスが、現在はあって当たり前の“必需品”となりつつある。他社並みの福利厚生サービスがなければ、新卒採用に際してハンディとなりかねない。
労働市場が逼迫しているため、新たに従業員を採用することと同様に、優秀な人材を自社に確保し、流失を防ぐためのリテンションが重要になる。リテンションには、ワーク・ライフ・バランスへの配慮や労働環境の改善、昇給、昇進だけでなく、ボーナスやインセンティブが有効になる。営業職や系列代理店への報酬としてもインセンティブの付与が有効になる。また、若い世代は自己成長への関心が高く、教育制度の重要性が増している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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