サイオス Research Memo(4):新規事業の創出や研究開発に注力しつつ、2018年12月期は増収増益を目指す
[18/04/04]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■今後の見通し
1. 2018年12月期の業績見通し
サイオス<3744>の2018年12月期の連結業績は、売上高が前期比4.2%増の13,000百万円、営業利益が同2.8%増の330百万円、経常利益が同1.1%増の330百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が260百万円(前期は587百万円の損失)、EBITDAが同15.6%減の420百万円を見込んでいる。
国内におけるIT投資は依然旺盛で、クラウドサービス市場の拡大を背景に「LifeKeeper」やOSS関連商品・サービス等の順調な拡大が見込まれるほか、MFP向けソフトウェアも新製品の発売で増収が見込まれ、売上高は連続で過去最高を更新する。利益面では、新製品の開発等に注力していくため研究開発費が前期比132百万円増の720百万円となりEBITDAベースでは減益となるが、のれん等の償却額が前期比100百万円減少するため、営業利益ベースでは増益を確保する。なお、前期の減益要因となったPCIの業績については、前年業績を踏まえ保守的に見ている。マイナス金利の継続で主要顧客となる地方銀行の収益環境は依然厳しい状況にあるためだ。とは言え、前期からの期ずれ案件が当第1四半期には計上されるほか、2019年からIRRBB規制が地方銀行でも適用される見通しのため、対応する金利リスク管理システムの需要増が期待され、上積みされる可能性はあると弊社では見ている。
(1) オープンシステム基盤事業
売上高は主力の「LifeKeeper」やOSS関連商品・サービスで順調な拡大を見込んでいる。OSS関連ではサポートサービスも伸ばしていく。また、新製品・サービスにかかる研究開発費や広告宣伝費も積極的に投下していく見込みである。
「LifeKeeper」はシステムダウンの障害回避を行うだけでなく、「SIOS iQ」を加えることで障害発生リスクを低減し、運用担当者の業務負担軽減による運用コスト削減効果を訴求し、競合との差別化を図っていくことで、新規顧客の開拓を進めていく戦略だ。国内外でAWS等のパブリッククラウドを利用する企業が増えているだけに、伸びる余地は大きいと言える。
(2) アプリケーション事業
MFP向けソフトウェアが順調に伸びるほか、クラウド型業務用ソフトウェア「Glugent」シリーズも堅調に推移する。一方、金融業界向けビジネスについては前期並みの水準を見込んでいる。
MFP向けソフトウェアでは2017年12月にリリースした新製品「Easyファクス」の伸びが見込まれる。企業向けのペーパレスファックスソリューションとして開発したもので、受信したFAX文書を電子化し、自動でフォルダ生成・リネーム処理を行い保存まで行うソフトウェアで、クラウド上への保存も可能となっている。従業員の業務効率化に寄与し、働き方改革を推進するソリューションとして拡販を進めていく。
なお、PCIについては新たなビジネスモデルの確立に取り組んでいく方針となっている。具体的には、従来の売り切り型(パッケージ販売)からクラウドサービスへの移行を進め、従来よりも安定した収益基盤を確立していく方針だ。金融機関においては今までセキュリティ面から中核システムについてのクラウド化が遅れていたが、ここ1〜2年でセキュリティ面での信頼性が大幅に向上したことに伴い、クラウド化が進行する環境が整ってきており、PCIでも自社製品のクラウドサービス対応を進めていく。
また、PCIではAI技術を活用した新製品・サービスの開発も進めている。2016年に自動ローン審査システム「QUANTAM」を開発したが、同システムにAI技術を組込み、性能をさらに向上させた製品を2018年後半の投入を目指している。地方金融機関では市場環境が厳しいなかで、生産性向上や収益拡大機会の最大化に向けたシステム投資に関しては今後も拡大していくことが予想されるだけに、2019年以降の収益貢献が期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<MW>
1. 2018年12月期の業績見通し
サイオス<3744>の2018年12月期の連結業績は、売上高が前期比4.2%増の13,000百万円、営業利益が同2.8%増の330百万円、経常利益が同1.1%増の330百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が260百万円(前期は587百万円の損失)、EBITDAが同15.6%減の420百万円を見込んでいる。
国内におけるIT投資は依然旺盛で、クラウドサービス市場の拡大を背景に「LifeKeeper」やOSS関連商品・サービス等の順調な拡大が見込まれるほか、MFP向けソフトウェアも新製品の発売で増収が見込まれ、売上高は連続で過去最高を更新する。利益面では、新製品の開発等に注力していくため研究開発費が前期比132百万円増の720百万円となりEBITDAベースでは減益となるが、のれん等の償却額が前期比100百万円減少するため、営業利益ベースでは増益を確保する。なお、前期の減益要因となったPCIの業績については、前年業績を踏まえ保守的に見ている。マイナス金利の継続で主要顧客となる地方銀行の収益環境は依然厳しい状況にあるためだ。とは言え、前期からの期ずれ案件が当第1四半期には計上されるほか、2019年からIRRBB規制が地方銀行でも適用される見通しのため、対応する金利リスク管理システムの需要増が期待され、上積みされる可能性はあると弊社では見ている。
(1) オープンシステム基盤事業
売上高は主力の「LifeKeeper」やOSS関連商品・サービスで順調な拡大を見込んでいる。OSS関連ではサポートサービスも伸ばしていく。また、新製品・サービスにかかる研究開発費や広告宣伝費も積極的に投下していく見込みである。
「LifeKeeper」はシステムダウンの障害回避を行うだけでなく、「SIOS iQ」を加えることで障害発生リスクを低減し、運用担当者の業務負担軽減による運用コスト削減効果を訴求し、競合との差別化を図っていくことで、新規顧客の開拓を進めていく戦略だ。国内外でAWS等のパブリッククラウドを利用する企業が増えているだけに、伸びる余地は大きいと言える。
(2) アプリケーション事業
MFP向けソフトウェアが順調に伸びるほか、クラウド型業務用ソフトウェア「Glugent」シリーズも堅調に推移する。一方、金融業界向けビジネスについては前期並みの水準を見込んでいる。
MFP向けソフトウェアでは2017年12月にリリースした新製品「Easyファクス」の伸びが見込まれる。企業向けのペーパレスファックスソリューションとして開発したもので、受信したFAX文書を電子化し、自動でフォルダ生成・リネーム処理を行い保存まで行うソフトウェアで、クラウド上への保存も可能となっている。従業員の業務効率化に寄与し、働き方改革を推進するソリューションとして拡販を進めていく。
なお、PCIについては新たなビジネスモデルの確立に取り組んでいく方針となっている。具体的には、従来の売り切り型(パッケージ販売)からクラウドサービスへの移行を進め、従来よりも安定した収益基盤を確立していく方針だ。金融機関においては今までセキュリティ面から中核システムについてのクラウド化が遅れていたが、ここ1〜2年でセキュリティ面での信頼性が大幅に向上したことに伴い、クラウド化が進行する環境が整ってきており、PCIでも自社製品のクラウドサービス対応を進めていく。
また、PCIではAI技術を活用した新製品・サービスの開発も進めている。2016年に自動ローン審査システム「QUANTAM」を開発したが、同システムにAI技術を組込み、性能をさらに向上させた製品を2018年後半の投入を目指している。地方金融機関では市場環境が厳しいなかで、生産性向上や収益拡大機会の最大化に向けたシステム投資に関しては今後も拡大していくことが予想されるだけに、2019年以降の収益貢献が期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<MW>