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テックファム Research Memo(1):18/6期はIoT/AI関連の受注拡大で過去最高業績を更新する見通し

注目トピックス 日本株
■要約

テックファームホールディングス<3625>は、モバイル関連のアプリケーションソフトやWebサイト等の開発から保守・運用サービスまでトータルソリューションサービスを展開するテックファーム(株)を中心に、自動車アフターマーケット向け業務支援システムを提供する(株)EBEや、米国カジノ市場向けに電子決済サービスの事業化を目指すPrism Solutions Inc.(以下、PSI)を傘下に置く持株会社である。

1. 2018年6月期第2四半期累計連結業績は大幅増収増益に
2018年6月期第2四半期累計(2017年7月−12月)の連結業績は、売上高が前年同期比39.2%増の2,620百万円、営業利益が116百万円(前年同期は162百万円の損失)と大幅増収、上期としては3期ぶりの黒字転換となり過去最高業績を更新した。IoT/AI関連の受注拡大や生産性向上を背景にソフトウエア受託開発事業(以下、SI事業)が好調に推移したほか、自動車アフターマーケット事業も新商品の車検工程管理システムやガラス卸商・部品卸商向けシステムの販売が順調に伸び、顧客件数を拡大したことが要因だ。

2. 2018年6月期通期業績は会社計画を上回る公算大
2018年6月期の業績は、売上高が前期比7.1%増の5,000百万円、営業利益が同9.1%増の180百万円と期初計画を据え置いた。第2四半期までの進捗率が売上高、営業利益とも50%を超えており、下期も企業のIT投資は引き続き活発な状況が続くと予想されることから、会社計画を上回る公算は大きいと弊社では見ている。SI事業ではIoT/AI関連の開発需要が依然活発で、売上構成比では前期の2割から3割に上昇する見込みだ。IT投資に積極的な大手企業からの引き合いが強いが、下期は新たな分野でのプラットフォーム事業参入も進めていく予定となっている。一方、自動車アフターマーケット事業では新商品の拡販による収益増が見込まれる。競合品よりも操作性がすぐれ、顧客ニーズに合わせたカスタマイズにも迅速に対応できることが強みとなっている。特に、車検工程管理システムについては自動車整備工場向けを中心に第4四半期から大きく伸びる見通しとなっている。なお、米国カジノ向けについては、現地オペレータと協議を続けている段階で、まだ新しい動きは見られない。

3. 中期目標で売上高100億円、営業利益7億円を目指す
同社は中期経営計画で、2019年6月期に売上高100億円、営業利益7億円を目標として掲げている。既存事業で65億円、M&Aを含む新規事業で35億円の売上創出を見込んでいる。既存事業のうちSI事業に関してはITシステムの受託開発から脱皮し、IoTソリューションのプラットフォーム受託開発や、自らがITプラットフォーマーとしてサービスを提供していくことで成長を目指していく考えだ。2017年10月にNTTドコモ<9437>と共同開発した遠隔診療サービス「MediTel」がその一例で、患者がアプリを用いてオンライン診察予約や医師とのテレビ電話による診察、クレジットカードによる決済などが可能となるサービスで、地域の診療所やクリニックなどへの導入を目指し、プロバイダーとして事業を拡大していく戦略となっている。また、自動車アフターマーケット事業では同社の技術力を生かして使い勝手の良いシステムを開発し、市場シェアを拡大しながら成長を目指していくことになる。なお、同社では人材リソースの強化や認知度の向上を図るため、早期に東証1部上場を目指していく方針となっている。

■Key Points
・システム開発と自動車アフターマーケット向け業務支援システムが両輪
・SI事業ではIoT案件、自動車アフターマーケット事業では車検工程管理システムの売上拡大が見込まれる
・IoTソリューションプロバイダーへの転換と、M&A戦略により2019年6月期に売上高100億円を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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