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ワールドHD Research Memo(6):2018年12月期より四半期別業績予想を開示

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

1. 2018年12月期の業績見通し
ワールドホールディングス<2429>の2018年12月期の連結業績は、売上高で前期比14.1%増の145,137百万円、営業利益で同3.2%増の7,288百万円、経常利益で同1.1%増の7,083百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同0.5%増の4,635百万円を見込む。引き続き人材・教育ビジネスがけん引する格好となるが、不動産ビジネスや情報通信ビジネスも今期は2ケタ増収を目指していく。利益率は引き続き成長に向けた人材育成投資や不動産ビジネスにおける拠点拡大投資等を計画しているため前期比で若干低下すると見ているものの、人材・教育ビジネスの需要が足元も旺盛であり、前期と同様、計画は上振れ余地があると弊社では見ている。

なお、当期より経営の透明性向上を図り、株主・投資家の投資判断に資するため、四半期ベースでの業績予想も開示している。それによると、第1四半期の売上高は前年同期比5.0%増の30,517百万円、営業利益は同75.5%減の452百万円となる見込みで、その後右肩上がりで売上高、営業利益ともに伸びていく計画となっている。これは、不動産ビジネスにおいて期の前半は分譲マンション等の販売予定物件が少なく、収益が低水準で推移する見込みとなっているのが要因だ。下期にかけては事業用土地の売却など比較的大型案件の売上計上が予定されている。


人材・教育ビジネスが好調持続。不動産、情報通信ビジネスも2ケタ増収見込む

2. 事業セグメント別見通し
(1) ファクトリー事業
ファクトリー事業の売上高は前期比11.5%増の46,435百万円、セグメント利益は同26.2%増の3,264百万円となる見通し。物流分野については前期比10%程度の伸びと保守的に見込んでいる。EC市場が2ケタ成長を続けていることを考慮すれば保守的な印象で、各拠点での他社受入体制が拡充できれば上乗せ余地は十分あると見られる。また、電子部品や半導体分野、機械、自動車分野についても年明け以降も引き合いが旺盛な状況が続いており、それぞれ2ケタ成長が見込まれる。特に、これまでの多様な案件をスムーズに立ち上げてきた実績などからクライアントの評価も高く、また、高スキル人材の配属等によりチャージアップも順調に進んでいる。このため、セグメント利益率も前期の6.2%から7.0%に上昇する見通しだ。今期も人材育成投資等を積極的に実施していく方針だ。

(2) テクノ事業
テクノ事業の売上高は前期比9.7%増の13,338百万円、セグメント利益は同2.2%増の1,291百万円となる見通し。引き続き新卒・未経験者の採用・育成に注力していくことで派遣人材を増強し、収益を拡大していくことになる。セグメント利益率については人材採用・育成投資を積極的に行っていくため、前期の10.4%から9.7%に若干低下する。デザインセンターや(株)アドバンとの連携で未経験者をエンジニアに育成するモデルが確立されたことで、今後2〜3年でエンジニアの人員拡大ペースは加速していくものと予想され、中期的な成長ポテンシャルは大きいと弊社では見ている。

(3) R&D事業
R&D事業の売上高は前期比14.3%増の7,420百万円、セグメント利益は同9.3%増の693百万円となる見通し。医薬・バイオ分野や化学分野における優秀な人材の採用と既存社員のスキルアップによって、旺盛なアウトソーシング需要に対応していく。複数の大学との共同研究も開始しており、最先端技術の分野での研究ノウハウを取得することで、さらに高度な専門的スキルも高めていく方針だ。同社では年間の人員採用数を100名規模で増員していくことを目指している。また、DOTワールド(株)で展開する臨床研究分野では案件が大型化する傾向にあるため、モニターの人員採用・育成を進めていく。

(4) セールス&マーケティング事業
セールス&マーケティング事業の売上高は前期比6.3%減の5,380百万円、セグメント利益は同63.5%減の80百万円と同社の事業部門のなかでは唯一、減収減益で見込んでいる。前述したとおり同事業はビジネスモデルの見直しを行っており、より高付加価値なモデルへと改革中であり、今期はその端境期に当たる。

(5) 不動産事業
不動産事業の売上高は前期比17.4%増の57,624百万円、セグメント利益は同14.3%減の3,974百万円となる見通し。同社の不動産事業は前述した通り非常にバランスのとれた事業体制で構成されており、売上高に関しては、リノベーション・戸建住宅・ユニットハウス関連で安定的に約200億円強を計上できる基盤が既にできている。今期は約370億円をデベロップメント関連で計上する見込み。利益面では、リノベーション関連、ユニットハウス関連が増益となるが、フロービジネスであるデベロップメント関連においては、昨年までの高収益なトレンドからの市況の変化を独自に分析し、そのスプレッドを反映した予算を策定している事から減益となっている。また、戸建住宅も豊栄建設(株)が2018年3月に仙台に営業拠点を開設し、拠点立上げコストがかかることから減益を見込んでいる。豊栄建設(株)に関しては、仙台でも低価格帯の注文住宅を展開していく。仙台には長年、デベロップメント事業を展開してきた(株)ワールドアイシティがあり、土地の仕入に関するネットワークは広く張り巡らしており、同ネットワークを活用しながら効率的に事業を進めていくことになる。今後もグループシナジーを最大限に活かし、横展開を進めていく見通しとなっている。

(6) 情報通信事業
情報通信事業の売上高は前期比26.0%増11,548百万円、セグメント利益は同820.0%増の230百万円となる見通し。携帯ショップは優良店以外の店舗をもう少しスクラップ&ビルドする必要があるが、M&Aも視野に入れながら九州エリアでのシェア拡大を推進していく方針。利益面では、店舗統合・移転費用が減少することもあり急回復するが、利益水準は2016年12月期の水準とほぼ同水準であり、法人向けソリューションビジネスを含めて、改善余地は大きいと見られる。

(7) その他事業
その他事業の売上高は前期比18.7%増の3,391百万円、セグメント損失は125百万円(前期は272百万円の損失)となる見通し。アドバンの教育事業が引き続き拡大するほか、農業公園事業も施設の再整備による集客力アップに取り組み、早期の黒字化を目指していく。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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