ソルクシーズ Research Memo(3):2018年12月期第1四半期は減収減益となるも、会社計画どおりの進捗
[18/05/18]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
1. 2018年12月期第1四半期の業績概要
ソルクシーズ<4284>の2018年12月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比7.2%減の3,130百万円、営業利益が同33.5%減の60百万円、経常利益が同40.1%減の59百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同81.8%減の7百万円となった。売上高は2017年12月期に発生した不採算プロジェクトの収束に当第1四半期も費やしたこと、また、銀行系システムの大型プロジェクトが一巡したこと等が減収要因となった。営業利益についても、一部子会社の業績は好調だったものの、不採算プロジェクトの影響による本体の収益悪化が響いて減益となった。ただ、会社計画に対しては売上高、利益ともに想定どおりの進捗となっている。事業セグメント別の動向は以下のとおり。
(1) ソフトウェア開発事業
ソフトウェア開発事業の業績は、売上高が前年同期比7.7%減の3,077百万円、営業利益が同22.4%減の78百万円となった。このうち、本体の売上高については不採算プロジェクトの収束に人的リソースを費やしたこと、また、銀行やクレジット会社向けの大型開発プロジェクトが収束に向かいつつあること等から、前年同期比2割程度の減収になったと見られる。一方で、子会社のエクスモーションで展開する自動車業界向け開発支援コンサルティング、イー・アイ・ソルで展開するIoT、計測ソリューションの組み込み系開発業務、ノイマンの自動車教習所向けソリューション、コアネクストで展開する投信・投資顧問業向けSI/受託開発業務等が好調に推移した。
なかでも、エクスモーションについては売上高で前年同期比5割増と大幅増収となった。前期にコンサルタントの育成に注力し、コンサルタント人員が2018年3月末時点で44名(前年同期比10名増)と増加したことが主因だ。自動車メーカーの開発現場では、自動運転技術やADAS(先進運転支援システム)など様々な車載システムの開発が目白押しで、開発支援コンサルタントの需要は依然ひっ迫している状況が続いている。エクスモーションでは3ヶ年の目標として65名までコンサルタントの人員を増員していく考えだ。
(2) デジタルサイネージ事業
デジタルサイネージ事業の業績は、売上高が前年同期比37.5%増の52百万円となったものの、営業損失は17百万円(前年同期は10百万円の損失)と若干悪化した。2017年12月期に高千穂交易<2676>と販売代理店契約を締結し、東北エリアでスーパーやコンビニエンスストア向けセキュリティシステムの販売が増加したものの、比較的小型の案件が多く収益への貢献度が小さいこと、また、主力のアミューズメント施設向けデジタルサイネージの低迷が長引いていることが要因となっている。
開発遅延プロジェクトの影響が一巡する2018年12月期下期から増収増益に転じる見通し
2. 2018年12月期の業績見通し
2018年12月期の連結業績は、売上高が前期比2.9%減の13,600百万円、営業利益が同21.8%増の610百万円、経常利益が同10.7%減の610百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同5.1%減の390百万円と期初計画を据え置いている。売上高が減収となるのは、本体のソフトウェア開発事業で開発遅延プロジェクトの収束に人的リソースを費やしており、その他の大型案件に関する新規受注活動を手控えていること、また、銀行系システムの大型プロジェクトが一巡したことが要因だ。
ただ、開発遅延プロジェクトに関しては当第2四半期に検収が完了する見込みとなっており、それ以降は受注活動も正常化することになり、徐々に売上高も回復する見通し。また、エクスモーションやイー・アイ・ソルなど好調な子会社の業績についても、引き続き増収増益が見込まれるため、営業利益ベースでは今下期から増益に転じるものと予想される。なお、経常利益については2017年12月期に計上した投資事業組合運用益142百万円がなくなるため、減益となる見通し。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 2018年12月期第1四半期の業績概要
ソルクシーズ<4284>の2018年12月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比7.2%減の3,130百万円、営業利益が同33.5%減の60百万円、経常利益が同40.1%減の59百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同81.8%減の7百万円となった。売上高は2017年12月期に発生した不採算プロジェクトの収束に当第1四半期も費やしたこと、また、銀行系システムの大型プロジェクトが一巡したこと等が減収要因となった。営業利益についても、一部子会社の業績は好調だったものの、不採算プロジェクトの影響による本体の収益悪化が響いて減益となった。ただ、会社計画に対しては売上高、利益ともに想定どおりの進捗となっている。事業セグメント別の動向は以下のとおり。
(1) ソフトウェア開発事業
ソフトウェア開発事業の業績は、売上高が前年同期比7.7%減の3,077百万円、営業利益が同22.4%減の78百万円となった。このうち、本体の売上高については不採算プロジェクトの収束に人的リソースを費やしたこと、また、銀行やクレジット会社向けの大型開発プロジェクトが収束に向かいつつあること等から、前年同期比2割程度の減収になったと見られる。一方で、子会社のエクスモーションで展開する自動車業界向け開発支援コンサルティング、イー・アイ・ソルで展開するIoT、計測ソリューションの組み込み系開発業務、ノイマンの自動車教習所向けソリューション、コアネクストで展開する投信・投資顧問業向けSI/受託開発業務等が好調に推移した。
なかでも、エクスモーションについては売上高で前年同期比5割増と大幅増収となった。前期にコンサルタントの育成に注力し、コンサルタント人員が2018年3月末時点で44名(前年同期比10名増)と増加したことが主因だ。自動車メーカーの開発現場では、自動運転技術やADAS(先進運転支援システム)など様々な車載システムの開発が目白押しで、開発支援コンサルタントの需要は依然ひっ迫している状況が続いている。エクスモーションでは3ヶ年の目標として65名までコンサルタントの人員を増員していく考えだ。
(2) デジタルサイネージ事業
デジタルサイネージ事業の業績は、売上高が前年同期比37.5%増の52百万円となったものの、営業損失は17百万円(前年同期は10百万円の損失)と若干悪化した。2017年12月期に高千穂交易<2676>と販売代理店契約を締結し、東北エリアでスーパーやコンビニエンスストア向けセキュリティシステムの販売が増加したものの、比較的小型の案件が多く収益への貢献度が小さいこと、また、主力のアミューズメント施設向けデジタルサイネージの低迷が長引いていることが要因となっている。
開発遅延プロジェクトの影響が一巡する2018年12月期下期から増収増益に転じる見通し
2. 2018年12月期の業績見通し
2018年12月期の連結業績は、売上高が前期比2.9%減の13,600百万円、営業利益が同21.8%増の610百万円、経常利益が同10.7%減の610百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同5.1%減の390百万円と期初計画を据え置いている。売上高が減収となるのは、本体のソフトウェア開発事業で開発遅延プロジェクトの収束に人的リソースを費やしており、その他の大型案件に関する新規受注活動を手控えていること、また、銀行系システムの大型プロジェクトが一巡したことが要因だ。
ただ、開発遅延プロジェクトに関しては当第2四半期に検収が完了する見込みとなっており、それ以降は受注活動も正常化することになり、徐々に売上高も回復する見通し。また、エクスモーションやイー・アイ・ソルなど好調な子会社の業績についても、引き続き増収増益が見込まれるため、営業利益ベースでは今下期から増益に転じるものと予想される。なお、経常利益については2017年12月期に計上した投資事業組合運用益142百万円がなくなるため、減益となる見通し。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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