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サムティ Research Memo(1):2018年11月期上期の業績も拡大。J-REIT事業やホテル開発事業も進展

注目トピックス 日本株
■要約

1. 会社概要
サムティ<3244>は、関西圏及び首都圏を中心として全国に展開している総合不動産会社である。不動産事業(不動産ファンド向け大型賃貸マンションや投資家向け収益マンションの開発及び販売等)と不動産賃貸事業(賃貸マンションや商業施設等)を両輪とし、ビジネスホテルの運営なども手掛けている。不動産賃貸事業による安定収入と不動産事業による成長加速のバランスにより事業環境の変化に柔軟に対応できるところに特長があり、大きな金融危機を乗り越えながら持続的な成長を実現してきた。また、両事業の組み合わせによる一気通貫型のビジネスモデルにも優位性があり、ここ数年高い成長を続けている。事業エリアの拡大とともに、2015年6月にはJ-REIT事業にも進出※、更なる事業拡大に向けてビジネスモデルの基礎固めが完了した。好調な事業環境を追い風としながら、同社は新たな成長フェーズに入っている。

※2015年3月に設立したサムティ・レジデンシャル投資法人<3459>(以下、SRR)を東証J-REIT市場に上場。


2. 2018年11月期上期の業績
2018年11月期上期の業績は、売上高が前年同期比22.9%増の46,317百万円、営業利益が同31.5%増の9,112百万円と大幅な増収増益を実現した。通期予想に対する進捗率でも、売上高が70%超、各利益が80%超と高い水準に達している。好調な不動産市況を追い風として「不動産事業」が大きく拡大。特に、都内を中心に外資系ファンド等からの強い投資需要が続く開発流動化(自社開発ブランド「S-RESIDENCE」の販売)や再生流動化(既存の収益不動産等の再生・販売)が想定以上に好調に推移した。利益面でも販売価格の上振れ等により売上原価率が大きく改善した。一方、広告宣伝費や人件費の増加などに伴い販管費は拡大したものの、増収効果や売上原価率の改善により大幅な営業増益を実現。営業利益率も19.7%(前年同期は18.4%)に上昇した。また、今後の成長につながる仕入れの状況(及びパイプライン)についても、おおむね計画どおりに進捗している。

3. J-REIT事業(SRR)やホテル開発事業にも大きな進展
2018年1月に、SRRによる第三者割当増資を大和証券グループ本社<8601>と同社が引き受け、それに伴って、大和証券グループ本社をSRRのサブスポンサーとして迎え入れた。これによりSRRは33物件を取得し、資産規模の拡大を図るとともに、将来に向けても大きなメリット(信用力などにおける後ろ盾)を得ることができたと言える。これは同時に、SRRを軸とした成長戦略を描く同社にとっても、大きな進展として評価することができる。また、ホテル開発第1弾としてかねてより開発を進めていた「エスペリアホテル博多」(福岡市博多区)が2018年3月28日にオープン。優れた立地や快適性などから、想定を上回る稼働率にて順調に立ち上がっているようだ。

4. 2018年11月期の業績見通し
2018年11月期の業績予想について同社は、期初予想を据え置き、売上高を前期比5.8%増の64,000百万円、営業利益を同8.6%増の11,000百万円と増収増益を見込んでいる。上期業績が通期計画(期初予想)に対して高い進捗率となっているにもかかわらず、同社が期初予想を据え置いたのは、突発的な外部環境の変化の可能性や2019年11月期業績の見通しを含め、最終的な着地の水準を慎重に見定めていることが理由と考えられる。弊社では、上期業績のほか、好調な外部環境(不動産市況)や内部要因(パイプラインの積み上げ、同社の開発・再生物件に対する高い評価、ホテル事業の順調な立ち上がりなど)の状況などを勘案すると、同社の業績予想は増額修正される可能性が高いとみており、今後の動向に注意する必要がある。

5. 成長戦略
同社は、2016年11月期から2020年11月期までの中長期経営計画(5ヶ年)を推進している。1)SRRを中心としたビジネスモデルの構築、2)地方大都市圏における戦略的投資、3)ホテル開発事業の展開、4)資本効率の維持及び財務基盤の確立により、2020年11月期の目標として、売上高1,000億円水準、経常利益100億円水準、EPS 300円以上、ROE 15%以上、自己資本比率30%以上を掲げている。もっとも、定量目標については2年前倒しで達成できる可能性(売上高を除く)が高くなってきたが、成長戦略の方向性に大きな変更はないものとみている。今後も更なる飛躍に向けた活動の成果に注目したい。

■Key Points
・2018年11月期上期業績は引き続き順調に拡大し、通期計画に対しても高い進捗率で推移
・成長戦略の軸であるJ-REIT事業(SRR)やホテル開発事業にも大きな進展
・2018年11月期の業績予想について、現時点で期初予想を据え置いているが、増額修正の可能性に注意する必要がある
・2020年11月期を最終年度とする中期経営計画も2年前倒しで達成する可能性が高くなってきたが、今後も更なる成長に向けた活動の成果に注目したい

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



<NB>

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