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アンビション Research Memo(1):2018年6月期は東証マザーズ上場企業中No.1の増益率を達成

注目トピックス 日本株
■要約

AMBITION<3300>は、都心で若年層向けマンションのサブリース事業を中心に不動産関連サービスを展開する急成長企業である。主力はサブリース(転貸)事業※1であり、「かりあげ王」のブランドで展開する。「不動産SPA」のコンセプトのもと、賃貸仲介事業「ルームピア」「バロー」、売買事業※2「かいとり王」などを通じて、顧客の様々なライフステージに適応する事業を行っている。2017年10月には投資用マンションの開発・販売の(株)ヴェリタス・インベストメント(以下、ヴェリタス)を連結化し、開発事業が大幅に強化された。

※1 サブリース(転貸)事業は、同社では「プロパティマネジメント事業」の一部である。
※2 売買事業は、同社では「インベスト事業」の一部である。


1. 事業概要
主力はプロパティマネジメント事業であり、特に東京23区のDINKS・単身者向けマンション・デザイナーズマンションなどを借り上げてサブリース(転貸)する点に特徴がある。サブリース戸数は2018年6月末時点で9,307戸(前期比6.3%増)と堅調に伸びており全社売上高の54.9%を占める。賃貸仲介事業は、首都圏21店舗において自社物件を始めとする賃貸物件の仲介を行っており、サブリース(転貸)事業を援護する存在だ。また、首都圏の中古マンション流通の活況を背景に、購入・リノベーション・入居率向上・売買を行うインベスト事業も業績を補完する存在だ。2017年10月よりインベスト事業にヴェリタスの行うマンション開発事業が加わり、2本目の柱となっている。

2. 業績動向
2018年6月期通期の連結業績は、売上高が前期比59.7%増の23,278百万円、営業利益が同292.1%増の1,141百万円、経常利益が同278.8%増の1,017百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同311.0%増の611百万円と記録的な増収増益を達成した。営業利益の伸び率は、東証マザーズ市場に上場する企業でNo.1である(直近5年間、2013年期〜2018年期)。主力のプロパティマネジメント事業におけるサブリース戸数が9,307戸(前期比6.3%増)と堅調に伸びたのに加え、入居率が97.0%(2017年6月末は92.1%)と4.9ポイント向上し、増収増益に貢献した。インベスト事業では、ヴェリタス(デザイナーズマンション開発)が2017年10月から連結され、2018年6月末までに229件(売上高約80億円分)の引き渡しが完了した。都内のプレミアムエリアに新築投資用デザイナーズマンションを開発しており、安定した資産価値が支持され、販売は計画以上に進捗した。

3. 業績見通し
2019年6月期通期の連結業績は、売上高が前期比20.6%増の28,085百万円、営業利益が同13.9%増の1,300百万円、経常利益が同7.0%増の1,088百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同5.9%増の648百万円と、大きく飛躍した前期を超える業績を予想する。主力のプロパティマネジメント事業では、サブリース戸数の更なる増加を計画する。第1四半期時点で約580戸の大口のサブリースを受託しており、滑り出しは好調だ。今期のヴェリタスの新規開発物件の年間引渡し予定戸数は250戸から300戸を想定する。その他、利益水準を押し上げる要因と成り得るポイントでは、IT化推進による業務効率・生産性のアップ(不動産テック)、営業組織体制の強化等によるシナジー効果、保険事業・電力事業などによる追加収入などがある。同社は2018年6月期に3回の業績上方修正を行っており、2019年6月期の予想に関しても、例年通り、保守的な予想ととらえるのが妥当だろう。

4. 成長戦略
同社は今後も積極的に成長機会に挑戦していくことを宣言するために、売上高で1,000億円、営業利益で100億円を中期的に目指す「AMBITION DREAM 1000」を発表した。2018年6月期の売上高からすると、売上高で4.3倍、営業利益で8.8倍でありハードルが高いものの、同社は過去3年間で、売上高で3.3倍、営業利益で6.2倍に拡大しており、非現実な数字ではない。既存事業では新規物件の拡大による成長と不動産テックの推進による収益向上が基本戦略となる。上乗せ分の事業に関しては、1)M&Aの推進、2)保険事業の育成、3)RPA事業、4)IoT関連を組み合わせて取り組む。M&Aに関しては、これまでのルームピア、バロー、ヴェリタスいずれのケースでも連結後に買収先の増益を達成しており、買収及びその後の融合、相乗効果の顕在化に自信を深めている。

5. 株主還元策
同社は株主還元策として配当を実施している。配当の基本方針としては、成長のための投資と株主への適切な利益還元をバランス良く行う方針である。2015年6月期から3年連続で年5円配当を継続したが、2018年6月期は大幅に利益水準が上がったために、配当金年16.5円に大幅に増配された。配当性向は18.3%。2019年6月期は、前期と同じ配当金年16.5円を予想する。当期純利益予想が保守的な数値のため、前年同様に増配の可能性も考えられる。なお、同社は、2018年4月26日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っている。

■Key Points
・投資用ワンルームマンションの開発からサブリース、入居者サービスまでを一気通貫で行う体制を確立
・2018年6月期は東証マザーズ上場企業中No.1の増益率を達成。サブリース事業の入居率の向上著しいプロパティマネジメント事業とマンション開発のヴェリタスの子会社化が貢献
・売上高1,000億円(4.3倍)、営業利益100億円(8.8倍)を目指す「AMBITION DREAM 1000」を発表。不動産テック(RPA)で業務効率化が進捗

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)



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