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アンビション Research Memo(3):投資用ワンルームマンションのサービスを一気通貫で行う体制を確立

注目トピックス 日本株
■事業概要

1. 投資用マンションのトータルサービスを行う
AMBITION<3300>は投資用マンションの開発からサブリース、入居者サービスまでを一気通貫で行うことができる稀有な企業である。創業からの中核事業はサブリース(転貸)であるが、その後入居者探しを担うルームピア、バローを、さらには投資用マンションの土地の仕入れから企画・開発・販売を行うヴェリタスをグループ化した。また、入居者向けのサービスの開発にも積極的に取り組んでおり、保険サービス、様々なITサービス(防犯、利便性向上)の提供を行っている。

2. 首都圏に集中して物件を確保するサブリース事業
同社のサブリース管理物件の所在地は、東京都が7,860件(84.5%)と多く、大多数が東京都(23区)に集中している。特に東京のプレミアムエリアと言われる渋谷区、港区、中央区、千代田区、品川区、新宿区、文京区などに物件が多い。次いで多いのが神奈川県、埼玉県と千葉県その他にもあるがいずれも都心エリアだ。分譲仕様のハイクオリティなデザイナーズマンションを中心として仕入れており、逆にアパート、コーポ、鉄骨造のマンションなどは対象外である。核家族化や単身世帯の増加などに対応すべく、単身者用やDINKS向けの物件が主体である。日本全国では既に人口減少が始まっているが、東京23区に限れば2020年にピークを迎えた以降も人口の推移はゆるやかな予想である。特に、同社の事業に直結する単独世帯や夫婦のみ世帯は、2035年まで右肩上がりの予想である。

3. 強みは“客付け力”
一般論として、サブリース(転貸)事業には空室リスクが伴う。同社が成長に向けて積極的なサブリース物件の取得を行える背景には、空室リスクを避ける“客付け力”がある。借り上げ物件に入居者を付けられる自信があるからこそ、物件を増やせるのだ。客付け力は、(1)自社店舗、(2)スタッフのノウハウ、(3)良質な仕入れ、(4)IT活用の4つの要素がある。

(1) 自社店舗はルームピア、バローの首都圏21店舗で顧客の的確なニーズを把握し提案する体制が整っており、サブリース物件の約6割を成約させている。
(2) スタッフのノウハウに関しては、“立地”重視で選びがちな風潮のなかで、“物件”の魅力をきちんと伝える営業手法に定評がある。また適正な賃料設定ができるよう訓練されたスタッフがいることも強みだ。
(3) 良質な仕入れに関しては、上場を機に物件オーナーからの信用力も向上し、一棟で任されることも増えた。首都圏のDINKS・単身向け、デザイナーズマンションに注力してきたことによる“目利き力”も有利に働く。
(4) IT活用においては、インターネット広告を積極化するとともに、顧客の利便性を追求するためにAIチャットなどを採用し、常に先進的な不動産取引の姿を追求している。

4. 主要経営指標(サブリース事業)
同社のプロパティマネジメント事業の主要な経営指標は、サブリース戸数と入居率である。サブリース戸数は、ストックビジネスの特徴そのままに右肩上がりに推移してきた。2014年6月末から2018年6月末までの4年間に年率24.5%で増加し、9,307戸(2018年6月末)に達している。物件を積極的に仕入れると入居率は下がるという関係にある。例年、4月から12月までの期間は物件仕入れを優先し入居率は低め、繁忙期の1月〜3月に契約を増やし入居率が上がる。2018年6月末の入居率は97.0%となり2017年6月末の92.1%から4.9ポイントも上昇、年度末の値としては過去最高を記録した。その理由としては、物件の仕入れを抑え目にしたことと、営業体制の整備が浸透したことが挙げられる。

5. インベスト事業:ヴェリタス
インベスト事業の主体となるのは、2017年10月に連結した投資用デザイナーズマンションを開発・販売するヴェリタスである。ヴェリタスは、東京23区のプレミアムエリアと呼ばれる地域を中心に投資用マンションの開発及び販売をしており、この領域におけるリーディングカンパニーの1社。「ヴェリタス」は「本物」を意味するように、高付加価値で個性的なマンションを手掛けるプロ集団として定評がある。世界的なインテリアデザイナー森田恭通(もりたやすみち)氏やトップモデルとして活躍する押切もえ(おしきりもえ)氏、日本を代表する女性写真家・映画監督でもある蜷川実花(にながわみか)氏などがプロデュースするデザイナーズマンションの開発実績がある。

一例として、2018年7月に販売開始した新築投資用デザイナーズマンション「PREMIUM CUBE G市谷甲良町」がある。東京都新宿区の都心エリアに建つこのマンションは、5駅6路線利用可能なマルチアクセスの立地。ヴェリタスのデザイナーズマンションを数々手掛けてきたデザイナー森田恭通氏率いるGLAMOROUS社がデザインを担当した、「品格と個性」あふれる物件である。

6. 今後期待される保険事業
同社は2017年7月に金融庁から認可を受け、「(株)ホープ少額短期保険」として、保険事業を開始した。第1ステップは、同社の管理物件の顧客に対し、賃貸住宅入居者向け家財保険・賠償責任保険、賃貸オフィス・飲食店入居者向けの保険などを販売する。17,186戸(うちサブリース9,307戸)に及ぶ管理物件及び今後の取扱物件の入居者が販売対象であり、確実性の高い追加収入が見込むことができる。さらに第2ステップとしては、販売代理店による同社管理物件以外への外販である。既に数社の販売代理店との提携が計画されている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)



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