ブイキューブ Research Memo(3):ストック型のクラウド型サービスが主力
[19/06/10]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
同社グループが提供しているビジュアルコミュニケーションサービスは、「いつでも、どこでも、『だれでも』使える」をコンセプトに、ユーザーのPCあるいはスマートフォン、タブレット端末等のモバイル端末から、インターネットを通じて、遠くの相手とお互いの顔や資料を共有しながら遠隔会議を行うWeb会議サービス、あるいはオンラインセミナー等に代表される、文字や音声だけでなく、映像も含めたコミュニケーションサービスである。
ブイキューブ<3681>の販売形態別売上構成比を見ると、2018年12月期はクラウド※1 62.3%、オンプレミス※2 8.7%、アプライアンス23.3%、その他5.7%となっており、クラウド型サービスが同社の主力となっている。
※1 顧客側で高価なハードウェアの購入が必要なく、アプリケーション機能をインターネット経由で提供するサービス。
※2 顧客ニーズに合わせてカスタマイズし、顧客のイントラネット内にシステムを導入するサービス。
また、地域別売上構成比は日本84.4%、中国0.6%、シンガポール12.8%、その他2.8%となっており、日本国内の販売が主力となっている。
1. 販売形態
同社では2019年12月期よりセグメントを変更している。この変更後のセグメントに基づいて説明を行う。
(1) ビジュアルコミュニケーション事業
ビジュアルコミュニケーション事業では、ブイキューブ本体と海外の映像系サービスを行っており、クラウド型のサービス提供が主力商品となる。
ビジュアルコミュニケーション事業の売上の75%はサブスクリプション(積み上げ型)のビジネスである。同社では月額サブスクリプションと、製薬業界向けセミナーなどイベント利用のアカウントプランである年額サブスクリプションという2種類に大別している。年額サブスクリプションは順調に伸びているが、これは専門の業界特化のチームを組んで、高付加価値のサービスを付け単価の高い大口顧客に注力する、という施策が奏功しているためである。一方、月額サブスクリプションは、2018年12月期は微増にとどまった。しかし、2015年にリリースしたV CUBEミーティング5により品質が安定化したこと、競合が多いなかで使い勝手の良いサービスを提供しサポートする体制を構築してきたこと、などの理由から顧客満足度が高まっており解約率が低下している。このように攻めと守りとのバランスが適切にとれており、着実で手堅い成長が見込まれる。
(2) ラーニングマネジメント事業
ラーニングマネジメント事業はアイスタディと、Wizlearn Technologyがシンガポール向けに提供するLMS(企業向け学習管理システム)が中心となっている。2019年4月にアイスタディを売却した。
(3) アプライアンス事業
アプライアンス事業では代理店販売網も活用しながら、教育機関、官公庁、企業向けに電子黒板システム、ディスカッションテーブル、テレビ会議システム「V-CUBE Box」及び「テレキューブ」など、クライアントハードウェアとソフトウェアを組み合わせたものを販売している。
2. ビジネスモデル
(1) 積み上げ型のビジネスモデル
同社の売上高の6割以上を占め、主力となっているクラウド型サービスは課金型サービスであり、解約がなければ新規契約分が純増するという積み上げ(ストック)型のビジネスモデルが主である。月額利用料は、利用規模によって異なる(例えば、5千円から数百万円までとかなり幅広い)ものの、契約先を増やすことと、1社当たりの契約利用料(契約ポート数×契約ポート単価)を増加させることが同社の売上高の増加につながる。スイッチングコストが高いため、大部分が契約を継続する長期利用となっている。
(2) コスト(費用)の構造
主なコストは、サーバー関連費用、通信回線(専用線)費用、ソフトウェア開発費用、営業費用などである。サーバーは外部のデータセンターを利用しているが、一部は同社グループ専用サーバーとして利用している。顧客(利用量)の増加に伴ってある程度サーバーを増強していく必要があり、サーバー関連費用は多少増加するが、規模が大きくなればなるほど売上高に対する比率は下がる。また、通信回線費用も同様で、売上規模の拡大ほどにはコストは増加しない構造となっている。このため、クラウド型、オンプレミス型ともに限界利益率は約90%と極めて高い。加えて2017年12月期に取り組んだ構造改革により販管費の削減に成功しており、今後もより利益が出やすいスタイルを確立している。
3. 販売チャネル
販売方法は、直販、販売代理店経由、OEM(他社ブランド名でのサービス提供)の3種類となっており、直販が約6割を占めている。直販のうち、中堅・中小の顧客向けにはコールセンターからの遠隔営業、大規模高単価の顧客向けには直接営業というように価格により営業方法をすみ分けて、効率良い営業の形を取っている。
国内の販売代理店は、大塚商会<4768>、キヤノンマーケティングジャパン<8060>、東日本電信電話(株)、NTTドコモ<9437>などのNTTグループ会社、ソフトバンク コマース&サービス(株)、(株)日立システムズ、コネクシオ<9422>、日本ユニシス<8056>、内田洋行<8057>など、大手システムインテグレータ、通信キャリアのグループ会社、ITベンダー等が同社のサービスを販売している。
4. 顧客基盤
同社グループの顧客は、中小企業から上場大手企業、官公庁、教育機関、各種団体まで幅広く、業種に偏りがない。これまで累計で5,000社以上のユーザーに対する導入実績を有する。一方、海外の顧客は、現地企業、現地政府が主要顧客となっており、90%以上のウエイトを占める。
5. 主要サービスの内容
同社グループが提供する主要サービスには以下のようなものがある。顧客ニーズに合わせ幅広い提案ができるラインナップを取りそろえている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山崇行)
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同社グループが提供しているビジュアルコミュニケーションサービスは、「いつでも、どこでも、『だれでも』使える」をコンセプトに、ユーザーのPCあるいはスマートフォン、タブレット端末等のモバイル端末から、インターネットを通じて、遠くの相手とお互いの顔や資料を共有しながら遠隔会議を行うWeb会議サービス、あるいはオンラインセミナー等に代表される、文字や音声だけでなく、映像も含めたコミュニケーションサービスである。
ブイキューブ<3681>の販売形態別売上構成比を見ると、2018年12月期はクラウド※1 62.3%、オンプレミス※2 8.7%、アプライアンス23.3%、その他5.7%となっており、クラウド型サービスが同社の主力となっている。
※1 顧客側で高価なハードウェアの購入が必要なく、アプリケーション機能をインターネット経由で提供するサービス。
※2 顧客ニーズに合わせてカスタマイズし、顧客のイントラネット内にシステムを導入するサービス。
また、地域別売上構成比は日本84.4%、中国0.6%、シンガポール12.8%、その他2.8%となっており、日本国内の販売が主力となっている。
1. 販売形態
同社では2019年12月期よりセグメントを変更している。この変更後のセグメントに基づいて説明を行う。
(1) ビジュアルコミュニケーション事業
ビジュアルコミュニケーション事業では、ブイキューブ本体と海外の映像系サービスを行っており、クラウド型のサービス提供が主力商品となる。
ビジュアルコミュニケーション事業の売上の75%はサブスクリプション(積み上げ型)のビジネスである。同社では月額サブスクリプションと、製薬業界向けセミナーなどイベント利用のアカウントプランである年額サブスクリプションという2種類に大別している。年額サブスクリプションは順調に伸びているが、これは専門の業界特化のチームを組んで、高付加価値のサービスを付け単価の高い大口顧客に注力する、という施策が奏功しているためである。一方、月額サブスクリプションは、2018年12月期は微増にとどまった。しかし、2015年にリリースしたV CUBEミーティング5により品質が安定化したこと、競合が多いなかで使い勝手の良いサービスを提供しサポートする体制を構築してきたこと、などの理由から顧客満足度が高まっており解約率が低下している。このように攻めと守りとのバランスが適切にとれており、着実で手堅い成長が見込まれる。
(2) ラーニングマネジメント事業
ラーニングマネジメント事業はアイスタディと、Wizlearn Technologyがシンガポール向けに提供するLMS(企業向け学習管理システム)が中心となっている。2019年4月にアイスタディを売却した。
(3) アプライアンス事業
アプライアンス事業では代理店販売網も活用しながら、教育機関、官公庁、企業向けに電子黒板システム、ディスカッションテーブル、テレビ会議システム「V-CUBE Box」及び「テレキューブ」など、クライアントハードウェアとソフトウェアを組み合わせたものを販売している。
2. ビジネスモデル
(1) 積み上げ型のビジネスモデル
同社の売上高の6割以上を占め、主力となっているクラウド型サービスは課金型サービスであり、解約がなければ新規契約分が純増するという積み上げ(ストック)型のビジネスモデルが主である。月額利用料は、利用規模によって異なる(例えば、5千円から数百万円までとかなり幅広い)ものの、契約先を増やすことと、1社当たりの契約利用料(契約ポート数×契約ポート単価)を増加させることが同社の売上高の増加につながる。スイッチングコストが高いため、大部分が契約を継続する長期利用となっている。
(2) コスト(費用)の構造
主なコストは、サーバー関連費用、通信回線(専用線)費用、ソフトウェア開発費用、営業費用などである。サーバーは外部のデータセンターを利用しているが、一部は同社グループ専用サーバーとして利用している。顧客(利用量)の増加に伴ってある程度サーバーを増強していく必要があり、サーバー関連費用は多少増加するが、規模が大きくなればなるほど売上高に対する比率は下がる。また、通信回線費用も同様で、売上規模の拡大ほどにはコストは増加しない構造となっている。このため、クラウド型、オンプレミス型ともに限界利益率は約90%と極めて高い。加えて2017年12月期に取り組んだ構造改革により販管費の削減に成功しており、今後もより利益が出やすいスタイルを確立している。
3. 販売チャネル
販売方法は、直販、販売代理店経由、OEM(他社ブランド名でのサービス提供)の3種類となっており、直販が約6割を占めている。直販のうち、中堅・中小の顧客向けにはコールセンターからの遠隔営業、大規模高単価の顧客向けには直接営業というように価格により営業方法をすみ分けて、効率良い営業の形を取っている。
国内の販売代理店は、大塚商会<4768>、キヤノンマーケティングジャパン<8060>、東日本電信電話(株)、NTTドコモ<9437>などのNTTグループ会社、ソフトバンク コマース&サービス(株)、(株)日立システムズ、コネクシオ<9422>、日本ユニシス<8056>、内田洋行<8057>など、大手システムインテグレータ、通信キャリアのグループ会社、ITベンダー等が同社のサービスを販売している。
4. 顧客基盤
同社グループの顧客は、中小企業から上場大手企業、官公庁、教育機関、各種団体まで幅広く、業種に偏りがない。これまで累計で5,000社以上のユーザーに対する導入実績を有する。一方、海外の顧客は、現地企業、現地政府が主要顧客となっており、90%以上のウエイトを占める。
5. 主要サービスの内容
同社グループが提供する主要サービスには以下のようなものがある。顧客ニーズに合わせ幅広い提案ができるラインナップを取りそろえている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山崇行)
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