アクセル Research Memo(7):遊技機器市場で培った技術・ノウハウを新規事業に展開、新たな収益柱を育成(2)
[19/07/05]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■アクセル<6730>の今後の見通し
(2) 機械学習
機械学習領域では、独自開発のエッジ推論向けディープラーニング・フレームワーク「ailia」を中核に展開していく計画となっている。「ailia」の特徴はクロスプラットフォームに対応しているほか、GPUの積極活用により推論処理スピードで世界最高水準の性能を実現していることにある。
事業展開としては、AIに関する広域な業務の開発支援からスタートする。既に「画像認識」を活用したソリューションで複数の開発支援依頼が来ているもようで、今後、AI実装のコンサルティングなどを行っていくことになる。次のステップでは、ソリューションパッケージの提供(ailiaとセットで学習済みモデルを販売)で「ailia」を普及させ、最終的には「ailia」のロイヤリティ収入で安定した収益を獲得していくことを目指している。売上目標としては2023年3月期で1〜2億円程度とやや保守的に立てている。
また、機械学習分野では2017年よりNEDOの公募事業の一環として研究開発を推進してきた「自動運転」に関するテーマも注目される。2年の基礎研究段階を経て2019年3月より「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発」事業に移行して完全自動運転の実用化に向けた研究開発を進めていく(2年間)。同プロジェクトでは資本業務提携先の (株)ティアフォーがアプリケーション(完全自動運転・監視)を開発するほか、埼玉大学がミドルウェア、東京大学がコンパイラ・OSの開発をそれぞれ担当し、同社はCPU等の半導体の開発を担当する。今後のロードマップとしては、2021年頃に試作チップの完成、2022年以降の実証実験の開始と製品化を目指している。当面は工場内で走行する物流車両などの用途を想定している。
(3) セキュリティ製品
セキュリティ製品としては、自社開発した暗号技術を用いたソリューション「SHALO」について、2020年3月期中の販売開始を目指している。アプリケーションの不正解析防止、ライセンス管理ソリューションとして、ソフト・ハード両面で提供していく。ハードウェアによる暗号化ソリューン「SHALO-HL」では、USBメモリ等に暗号システムを格納し、ハードウェアキーとして提供するほか、暗号通貨のハードウェアウォレットやログイン認証用としての販売展開も予定している。一方、ソフトウェアによる暗号化ソリューション「SHALO-SL」では、暗号技術のライセンスを発行していくことになる。高い安定性・導入の容易性、使いやすさなどが特徴であり差別化ポイントとなる。
ターゲットはWindowsやLINUXなど標準プラットフォームを利用するアプリケーションとなり、販売代理店を通じて販売していく格好となる。2023年3月期の売上目標は2億円となる。類似製品をジェムアルト(オランダ)が提供しており、国内で20億円程度の売上げを計上しているようだ。ただ、使い勝手の面で課題があるようで、市場を開拓できる可能性は十分あると見ている。なお、その他のセキュリティ製品(アイデンティティ・アクセス管理関連製品)についても開発を進めている段階にある。
(4) ブロックチェーン
暗号化技術を用いた事業としてブロックチェーン事業を展開していく。事業分野としては暗号通貨の採掘者であるマイナーに対するマイニングプラットフォームの提供と、ブロックチェーン技術を用いたソリューションの提供の2分野で事業を拡大していく計画となっている。
マイニングプラットフォームの提供では、暗号通貨「モナコイン※」を含むマルチハッシュ対応のマイニングハードウェアを2020年3月期中に販売開始する。マイニング専用のASICを開発し、世界最高水準の消費電力対性能を達成した(2019年4月時点)。「モナコイン」と同じハッシュアルゴリズムを持つアルトコインのマイニングが可能なため、国内外で販売が見込まれる。また、分離型ウォレットの開発・販売も予定している。一方、ソリューション事業ではブロックチェーン技術を用いたサービスの受託開発支援業務を展開していく。ターゲット顧客はIoT機器メーカーや電力会社などで、既に引き合いも来ている。当面はマイニングハードウェアの販売が中心となる見込みで、売上高は2021年3月期で約2億円、2023年3月期で約6億円を目標としている。
※2013年12月に誕生した国内初の暗号通貨。秋葉原等での実店舗での決済にも利用されている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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(2) 機械学習
機械学習領域では、独自開発のエッジ推論向けディープラーニング・フレームワーク「ailia」を中核に展開していく計画となっている。「ailia」の特徴はクロスプラットフォームに対応しているほか、GPUの積極活用により推論処理スピードで世界最高水準の性能を実現していることにある。
事業展開としては、AIに関する広域な業務の開発支援からスタートする。既に「画像認識」を活用したソリューションで複数の開発支援依頼が来ているもようで、今後、AI実装のコンサルティングなどを行っていくことになる。次のステップでは、ソリューションパッケージの提供(ailiaとセットで学習済みモデルを販売)で「ailia」を普及させ、最終的には「ailia」のロイヤリティ収入で安定した収益を獲得していくことを目指している。売上目標としては2023年3月期で1〜2億円程度とやや保守的に立てている。
また、機械学習分野では2017年よりNEDOの公募事業の一環として研究開発を推進してきた「自動運転」に関するテーマも注目される。2年の基礎研究段階を経て2019年3月より「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発」事業に移行して完全自動運転の実用化に向けた研究開発を進めていく(2年間)。同プロジェクトでは資本業務提携先の (株)ティアフォーがアプリケーション(完全自動運転・監視)を開発するほか、埼玉大学がミドルウェア、東京大学がコンパイラ・OSの開発をそれぞれ担当し、同社はCPU等の半導体の開発を担当する。今後のロードマップとしては、2021年頃に試作チップの完成、2022年以降の実証実験の開始と製品化を目指している。当面は工場内で走行する物流車両などの用途を想定している。
(3) セキュリティ製品
セキュリティ製品としては、自社開発した暗号技術を用いたソリューション「SHALO」について、2020年3月期中の販売開始を目指している。アプリケーションの不正解析防止、ライセンス管理ソリューションとして、ソフト・ハード両面で提供していく。ハードウェアによる暗号化ソリューン「SHALO-HL」では、USBメモリ等に暗号システムを格納し、ハードウェアキーとして提供するほか、暗号通貨のハードウェアウォレットやログイン認証用としての販売展開も予定している。一方、ソフトウェアによる暗号化ソリューション「SHALO-SL」では、暗号技術のライセンスを発行していくことになる。高い安定性・導入の容易性、使いやすさなどが特徴であり差別化ポイントとなる。
ターゲットはWindowsやLINUXなど標準プラットフォームを利用するアプリケーションとなり、販売代理店を通じて販売していく格好となる。2023年3月期の売上目標は2億円となる。類似製品をジェムアルト(オランダ)が提供しており、国内で20億円程度の売上げを計上しているようだ。ただ、使い勝手の面で課題があるようで、市場を開拓できる可能性は十分あると見ている。なお、その他のセキュリティ製品(アイデンティティ・アクセス管理関連製品)についても開発を進めている段階にある。
(4) ブロックチェーン
暗号化技術を用いた事業としてブロックチェーン事業を展開していく。事業分野としては暗号通貨の採掘者であるマイナーに対するマイニングプラットフォームの提供と、ブロックチェーン技術を用いたソリューションの提供の2分野で事業を拡大していく計画となっている。
マイニングプラットフォームの提供では、暗号通貨「モナコイン※」を含むマルチハッシュ対応のマイニングハードウェアを2020年3月期中に販売開始する。マイニング専用のASICを開発し、世界最高水準の消費電力対性能を達成した(2019年4月時点)。「モナコイン」と同じハッシュアルゴリズムを持つアルトコインのマイニングが可能なため、国内外で販売が見込まれる。また、分離型ウォレットの開発・販売も予定している。一方、ソリューション事業ではブロックチェーン技術を用いたサービスの受託開発支援業務を展開していく。ターゲット顧客はIoT機器メーカーや電力会社などで、既に引き合いも来ている。当面はマイニングハードウェアの販売が中心となる見込みで、売上高は2021年3月期で約2億円、2023年3月期で約6億円を目標としている。
※2013年12月に誕生した国内初の暗号通貨。秋葉原等での実店舗での決済にも利用されている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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