天昇電 Research Memo(3):2019年3月期営業利益は減益ながら想定の範囲内
[19/08/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
1. 2019年3月期の業績概要
(1) 損益状況
天昇電気工業<6776>の2019年3月期の連結業績は、売上高17,621百万円(前期比13.3%増)、営業利益948百万円(同24.8%減)、経常利益976百万円(同15.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益589百万円(同27.3%減)となった。
売上高は、株式の追加取得によって米国子会社が第1四半期から連結対象となったことも増収に寄与(1,273百万円)しているが、この分を除いても5.1%ほどの増収であった。主力の自動車関連部品の売上げが好調に推移したことに加え、自社製品である雨水貯留浸透槽製品も順調に拡大した。一方で営業利益は前期比24.8%減となったが、主に減価償却費の増加(222百万円)、さらには将来の受注増に備えた梱包資材等の先行経費によるものであり、内容としては決して悪いものではなく、想定の範囲内であった。
また営業外損益では、前々期(2018年3月期)は為替差損が37百万円であったのに対し、前期(2019年3月期)は為替差益が32百万円発生したことなどから経常利益は営業利益を上回った。又、特別利益で段階取得にかかる差損58百万円を計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は221百万円減益となった。
(2) セグメント別状況
公表されているセグメント別状況は以下のよう地域別となっているので、同社の事業の本来の姿を理解するためにはこの区分はあまり意味がない。日本成形関連事業の売上高15,662百万円(前期比5.4%増)と増収となったが、減価償却費増、梱包資材等の先行経費負担などからセグメント利益は623百万円(同35.3%減)となった。中国成形関連事業の売上高は382百万円(同15.5%増)、セグメント利益は26百万円(同53.7%増)となり、金額は小さいが増収増益を維持した。子会社の株式追加取得により新たにセグメントに追加されたアメリカ成形関連事業の売上高は1,273百万円(前期比較なし)、セグメント利益は61百万円(同)となり、黒字を計上した。不動産関連事業は、伊賀市の土地を売却したことから売上高302百万円(前期比16.4%減)、セグメント利益237百万円(同15.2%減)と減収減益となった。
(3) 設備投資額と減価償却費
2019年3月期の設備投資額は865百万円(2018年3月期1,551百万円)と高水準であったが、主に新型成形機や金型への投資を行った。この結果、減価償却費は1,300百万円(前期比222百万円増)となり、営業利益を押し下げる要因となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<MH>
1. 2019年3月期の業績概要
(1) 損益状況
天昇電気工業<6776>の2019年3月期の連結業績は、売上高17,621百万円(前期比13.3%増)、営業利益948百万円(同24.8%減)、経常利益976百万円(同15.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益589百万円(同27.3%減)となった。
売上高は、株式の追加取得によって米国子会社が第1四半期から連結対象となったことも増収に寄与(1,273百万円)しているが、この分を除いても5.1%ほどの増収であった。主力の自動車関連部品の売上げが好調に推移したことに加え、自社製品である雨水貯留浸透槽製品も順調に拡大した。一方で営業利益は前期比24.8%減となったが、主に減価償却費の増加(222百万円)、さらには将来の受注増に備えた梱包資材等の先行経費によるものであり、内容としては決して悪いものではなく、想定の範囲内であった。
また営業外損益では、前々期(2018年3月期)は為替差損が37百万円であったのに対し、前期(2019年3月期)は為替差益が32百万円発生したことなどから経常利益は営業利益を上回った。又、特別利益で段階取得にかかる差損58百万円を計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は221百万円減益となった。
(2) セグメント別状況
公表されているセグメント別状況は以下のよう地域別となっているので、同社の事業の本来の姿を理解するためにはこの区分はあまり意味がない。日本成形関連事業の売上高15,662百万円(前期比5.4%増)と増収となったが、減価償却費増、梱包資材等の先行経費負担などからセグメント利益は623百万円(同35.3%減)となった。中国成形関連事業の売上高は382百万円(同15.5%増)、セグメント利益は26百万円(同53.7%増)となり、金額は小さいが増収増益を維持した。子会社の株式追加取得により新たにセグメントに追加されたアメリカ成形関連事業の売上高は1,273百万円(前期比較なし)、セグメント利益は61百万円(同)となり、黒字を計上した。不動産関連事業は、伊賀市の土地を売却したことから売上高302百万円(前期比16.4%減)、セグメント利益237百万円(同15.2%減)と減収減益となった。
(3) 設備投資額と減価償却費
2019年3月期の設備投資額は865百万円(2018年3月期1,551百万円)と高水準であったが、主に新型成形機や金型への投資を行った。この結果、減価償却費は1,300百万円(前期比222百万円増)となり、営業利益を押し下げる要因となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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