日プロ Research Memo(1):社会インフラ分野の制御・組込システムに強み
[21/02/18]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
1. 独立系のシステム開発・ITサービス企業で社会インフラ分野の制御・組込システムに強み
日本プロセス<9651>は独立系のシステム開発・ITサービス企業である。電力制御、鉄道運行管理、自動車パワートレイン制御・車載情報、リモートセンシング、防災など、安全・安心が重視される難易度の高い社会インフラ分野の制御システム、及び情報家電、建設、医療など社会インフラを支える機器の組込システムの開発で培った高品質・信頼性を強みとしている。さらに、得意とする画像認識・識別技術、近距離無線通信技術、組込技術などを融合することで、自動運転・ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems=先進運転支援システム)関連、IoT(Internet of Things=モノのインターネット)関連、ネットワーク・セキュリティ関連、AI(Artificial Intelligence=人工知能)関連、ロボティクス関連、クラウド関連、医療関連などの成長分野にも積極展開している。
2. 大手優良顧客との強固な信頼関係で独自のポジションを確立
事業セグメントは制御システム、自動車システム、特定情報システム、組込システム、産業・ICTソリューション(2021年5月期から産業・公共システムとITサービスを統合)の5分野としている。構成比では制御システム、自動車システム、産業・ICTソリューションが主力となっている。電力関連、鉄道関連、車載関連、半導体関連を中心に大手優良顧客と強固な信頼関係を構築しているため、受注競合が少なく、顧客からの直接受注(元請け)比率がほぼ100%である。システム開発・ITサービス業界において、規模は小粒ながら独自のポジションを確立していることが特徴だ。なお持続的成長に向けた投資として、業績連動賞与の形で社員への還元を厚くしている。このため営業利益率が表面的には低く見える形になっているが、実質的な利益率は高水準である。
3. 2021年5月期第2四半期累計は減収減益だが計画超で着地
2021年5月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比8.6%減の3,357百万円、営業利益が同7.6%減の316百万円、経常利益が同5.0%減の353百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同5.9%減の235百万円だった。制御システムの検収の下期集中などで前年同期比減収減益となったが、期初計画を上回って着地した。新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)の影響が想定よりも軽微にとどまり、全体として売上高が計画を上回った。利益面では重点施策として取り組んでいるグループ間の連携強化進展、プロジェクト管理強化による生産性向上、経費削減も寄与した。
4. 2021年5月期通期は減収減益予想を据え置くが上振れの可能性
2021年5月期通期の連結業績は期初予想を据え置いて、売上高が前期比4.4%減の7,430百万円、営業利益が同21.7%減の570百万円、経常利益が同15.4%減の665百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同20.3%減の445百万円としている。社会インフラ分野のシステム開発需要は堅調に推移するが、コロナ禍の影響によるIT投資の一時的停滞などを考慮して売上を保守的に想定している。また持続的成長に向けた戦略的投資を継続するため、コスト増加も考慮して減益予想としている。ただし第2四半期累計が計画超となり、通期予想に対する進捗率は売上高が45.2%、営業利益が55.3%、経常利益が53.2%、親会社株主に帰属する四半期純利益が52.9%と順調だった。制御システムで検収が下期に集中して、売上高、利益ともに例年よりも下期偏重の見込みであることを考慮すれば、通期業績は上振れの可能性が高いだろう。
5. 中期的に収益拡大・高収益化を期待
システム開発・ITサービス企業は、急激な技術革新への対応に加えて、コロナ禍によって新しい日常・生活様式「withコロナ」への技術対応力も求められるが、同社は安全・安心が重視される難易度の高い社会インフラ分野の制御・組込システムなどの開発で培った高品質・信頼性に強みを持ち、小粒ながら独自のポジションを確立している。成長分野への取り組みを加速して、中期的にも収益拡大・高収益化が期待される。
■Key Points
・独立系のシステム開発・ITサービス企業で社会インフラ分野の制御・組込システムに強み
・大手優良顧客との強固な信頼関係で小粒ながら独自のポジションを確立
・2021年5月期第2四半期累計は計画超、通期予想は据え置きだが上振れの可能性
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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1. 独立系のシステム開発・ITサービス企業で社会インフラ分野の制御・組込システムに強み
日本プロセス<9651>は独立系のシステム開発・ITサービス企業である。電力制御、鉄道運行管理、自動車パワートレイン制御・車載情報、リモートセンシング、防災など、安全・安心が重視される難易度の高い社会インフラ分野の制御システム、及び情報家電、建設、医療など社会インフラを支える機器の組込システムの開発で培った高品質・信頼性を強みとしている。さらに、得意とする画像認識・識別技術、近距離無線通信技術、組込技術などを融合することで、自動運転・ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems=先進運転支援システム)関連、IoT(Internet of Things=モノのインターネット)関連、ネットワーク・セキュリティ関連、AI(Artificial Intelligence=人工知能)関連、ロボティクス関連、クラウド関連、医療関連などの成長分野にも積極展開している。
2. 大手優良顧客との強固な信頼関係で独自のポジションを確立
事業セグメントは制御システム、自動車システム、特定情報システム、組込システム、産業・ICTソリューション(2021年5月期から産業・公共システムとITサービスを統合)の5分野としている。構成比では制御システム、自動車システム、産業・ICTソリューションが主力となっている。電力関連、鉄道関連、車載関連、半導体関連を中心に大手優良顧客と強固な信頼関係を構築しているため、受注競合が少なく、顧客からの直接受注(元請け)比率がほぼ100%である。システム開発・ITサービス業界において、規模は小粒ながら独自のポジションを確立していることが特徴だ。なお持続的成長に向けた投資として、業績連動賞与の形で社員への還元を厚くしている。このため営業利益率が表面的には低く見える形になっているが、実質的な利益率は高水準である。
3. 2021年5月期第2四半期累計は減収減益だが計画超で着地
2021年5月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比8.6%減の3,357百万円、営業利益が同7.6%減の316百万円、経常利益が同5.0%減の353百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同5.9%減の235百万円だった。制御システムの検収の下期集中などで前年同期比減収減益となったが、期初計画を上回って着地した。新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)の影響が想定よりも軽微にとどまり、全体として売上高が計画を上回った。利益面では重点施策として取り組んでいるグループ間の連携強化進展、プロジェクト管理強化による生産性向上、経費削減も寄与した。
4. 2021年5月期通期は減収減益予想を据え置くが上振れの可能性
2021年5月期通期の連結業績は期初予想を据え置いて、売上高が前期比4.4%減の7,430百万円、営業利益が同21.7%減の570百万円、経常利益が同15.4%減の665百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同20.3%減の445百万円としている。社会インフラ分野のシステム開発需要は堅調に推移するが、コロナ禍の影響によるIT投資の一時的停滞などを考慮して売上を保守的に想定している。また持続的成長に向けた戦略的投資を継続するため、コスト増加も考慮して減益予想としている。ただし第2四半期累計が計画超となり、通期予想に対する進捗率は売上高が45.2%、営業利益が55.3%、経常利益が53.2%、親会社株主に帰属する四半期純利益が52.9%と順調だった。制御システムで検収が下期に集中して、売上高、利益ともに例年よりも下期偏重の見込みであることを考慮すれば、通期業績は上振れの可能性が高いだろう。
5. 中期的に収益拡大・高収益化を期待
システム開発・ITサービス企業は、急激な技術革新への対応に加えて、コロナ禍によって新しい日常・生活様式「withコロナ」への技術対応力も求められるが、同社は安全・安心が重視される難易度の高い社会インフラ分野の制御・組込システムなどの開発で培った高品質・信頼性に強みを持ち、小粒ながら独自のポジションを確立している。成長分野への取り組みを加速して、中期的にも収益拡大・高収益化が期待される。
■Key Points
・独立系のシステム開発・ITサービス企業で社会インフラ分野の制御・組込システムに強み
・大手優良顧客との強固な信頼関係で小粒ながら独自のポジションを確立
・2021年5月期第2四半期累計は計画超、通期予想は据え置きだが上振れの可能性
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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