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日プロ Research Memo(5):規模は小粒ながら独自のポジションを確立

注目トピックス 日本株
■日本プロセス<9651>の事業概要

3. 大手優良顧客と強固な信頼関係で独自のポジションを確立
主要顧客は日立グループ(日立製作所、日立AMS)、東芝<6502>グループ、キオクシア、NEC<6701>グループ、(株)JR東日本情報システム、アルプスアルパイン<6770>、オリンパス<7733>などである。また富士フイルムホールディングス<4901>グループとの直接取引も始まり、IoT建設機械の分野ではコマツ<6301>グループとの取引が拡大している。

電力関連、鉄道関連、車載関連、半導体関連を中心に大手優良顧客と強固な信頼関係を構築しているため、受注競合が少なく、顧客からの直接受注(元請け)比率がほぼ100%である。システム開発・ITサービス業界において、規模は小粒ながら独自のポジションを確立していることが特徴である。


プロジェクト管理徹底と開発体制強化を推進
4. 収益特性及びリスク要因と対策
システム開発・ITサービス業界の一般的な収益特性及びリスク要因として、大型案件の受注、個別案件ごとの採算性、プロジェクト進捗遅れによる不採算化などによって、売上高や利益が大きく変動する可能性がある。また、人材難・採用難の影響で開発リソースが不足し、受注拡大のネックとなる可能性がある。

こうした収益特性及びリスク要因への対策として、個別案件ごとの採算性に関しては政策的・戦略的に低採算でも受注する案件もあるが、通常は受注審査委員会によるプロジェクト受注時の審査、プロジェクトレビュー委員会・プロジェクト管理支援部による監視やフォローなど、プロジェクト管理を徹底して、不採算プロジェクト撲滅と生産性向上を実現している。

開発リソースに関しては、職場環境や待遇の改善など働きやすい環境づくりを推進して社員の採用・定着や活力・生産性向上に努めるとともに、プロジェクトマネージャ育成プログラムによるプロジェクト管理力強化などによって大規模システム請負能力を強化している。

またM&Aやアライアンスも活用して開発体制強化を推進している。2008年に設立した中国のオフショア開発子会社IPD大連では現地技術者の採用を強化し、2020年5月期には100名体制となった。熟練度、生産性、品質とも軌道に乗ってきたため、自動車システムではIPD大連での既存分野のオフショア開発を拡大し、国内の技術者を注力分野の自動運転・ADAS関連にシフトさせている。また2018年6月には社会インフラ制御分野の通信技術に強みを持つアルゴリズム研究所を完全子会社化(2021年6月1日付で吸収合併予定)、2018年11月には中国に続くオフショア開発拠点として医療画像処理技術を得意とするインドのTrenserと戦略パートナーシップを締結(連携を強化するため2019年3月に業務資本提携)している。

なお季節要因として、一般的に多くの企業の設備投資の検収時期が年度末の3月に集中するため、同社の場合は売上高が3月を含む第4四半期(3月−5月)に偏重する傾向がある。さらに同社特有の季節要因として、業績連動賞与引当額によって四半期営業利益が変動する可能性がある。ただし四半期売上高の平準化が進んでいることもあり、2019年5月期から引当額を計上するタイミングを見直した。このため今後は四半期ごとの引当額が平準化し、四半期営業利益も徐々に平準化する見込みだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)




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