TKP Research Memo(4):市場創造型の事業展開により高い成長性を実現(2)
[21/05/12]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要等
4. 周辺事業
ほかの貸会議室ビジネスを行っている企業との差別化要因の1つに、周辺サービスの展開が挙げられる。ティーケーピー<3479>は、料飲、オプション、宿泊などの提供を通じて、顧客の幅広いニーズに応えている。料飲については、ケータリング、弁当、カフェ、レストランから成り、特にケータリングや弁当は貸会議室での懇親会など食事を伴う用途展開に欠かせない周辺サービスとなってきた。ただ、コロナ禍の影響により苦戦している料飲部門については一旦縮小し、外注化を図っている。
また、同社は、幅広いオプションも提供しており、それには、同時通訳システム・テレビ会議システムの提供、研修コーディネート、映像・音響・照明機材の設置・運用、オフィス家具や機材レンタルのほか、コロナ対策用備品などがあり、顧客の利便性を高める内容となっている。足元では、コロナ禍の下、オンラインイベント需要が増加したことで、ウェビナー案件が大きく伸びている。
さらには、顧客からの要望により宿泊も提供しており、研修旅行や社員旅行の際などに使用されている。直営施設として、リゾート型セミナーホテルである「レクトーレ」(10施設)、ハイクラスなリゾート型セミナー旅館の「石のや」(伊豆長岡・熱海の2施設)、都市型リゾート宿泊施設の「アジュール竹芝」(1施設)の3ブランドを展開している。フランチャイズ運営施設としては、ホテルと会議室のハイブリッド施設として「アパホテル」(10施設)、コンパクトホテルと会議室のハイブリッド施設の「ファーストキャビン」(1施設)の2ブランドを展開している(2021年2月末時点)。
昨今は大企業であっても、宿泊施設を自社で保有していることは少なく、また保有していてもコスト上、運営が難しいことが多い。同社はそのような企業ニーズを取り込み、リピート率の向上を狙う。また、高級旅館として有名な「石亭」は稼働率の低さから経営不振に陥っていたが、同社が「石のや」としてリブランドし、平日の法人需要を取り込むことで、経営を改善するなど資産の有効活用の観点からもメリットが多い。加えて、貸会議室だけでなく、食事・機器・宿泊場所・交通手配までワンストップで一連のサービスが提供され、顧客にとって利便性の高い内容となっているのが、同社が幅広い顧客に支持されているゆえんと言える。
5. 顧客
TKP本体の貸会議室の年間利用企業数は約35,000社に上るが、そのうち約2,000社が上場企業となっており、上場会社の半数以上が利用している。裾野の広い顧客基盤を有する一方、売上上位500社で売上高の約50%を構成しており、大手企業を中心とした上位顧客の構成比(利用頻度及び利用単価)が高い構造と言える。ヘビーユーザーに対しては法人営業担当者の積極的な提案・細やかな対応により顧客の深掘りを図る一方、単発利用のライトユーザーについてはコールセンターやクラウドスペースを活用したオペレーションで効率化を図っている。また、既存顧客が売上高の約85%を占めており、高いリピート率を誇る。一方、日本リージャス社は大手外資企業を中心とした顧客基盤を有しており、相互送客によるシナジー創出にも取り組む。
6. 収益構造
2021年2月期におけるサービス別売上高構成比(TKP本体)を見ると、「会議室料」が62.4%、「オプション」が14.2%、「料飲」が4.3%、「宿泊」が12.3%、「その他」が6.8%となっている。コロナ禍におけるケータリングの需要低迷により「料飲」が大幅に減少した。一方、施設のグレード別では、フラッグシップの位置付けのガーデンシティPREMIUM(GCP)とガーデンシティ(GC)が合わせて35.0%を占めるほか、スタンダードのカンファレンスセンター(CC)が29.9%、ライトユーズのビジネスセンター(BC)が5.4%、スター貸会議室が0.8%、宿泊・研修施設が16.9%、その他が12.0%となっており、上位3グレードだけで64.9%に上る。ただ足元では、カンファレンスセンター以下のグレードで試験会場利用やウェビナー案件の需要が旺盛であるほか、臨時オフィス需要の拡大に伴って期間貸し案件(特に1ヶ月超)が増加傾向にあり、環境変化とともに収益構造にも変化の兆しが見られる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<YM>
4. 周辺事業
ほかの貸会議室ビジネスを行っている企業との差別化要因の1つに、周辺サービスの展開が挙げられる。ティーケーピー<3479>は、料飲、オプション、宿泊などの提供を通じて、顧客の幅広いニーズに応えている。料飲については、ケータリング、弁当、カフェ、レストランから成り、特にケータリングや弁当は貸会議室での懇親会など食事を伴う用途展開に欠かせない周辺サービスとなってきた。ただ、コロナ禍の影響により苦戦している料飲部門については一旦縮小し、外注化を図っている。
また、同社は、幅広いオプションも提供しており、それには、同時通訳システム・テレビ会議システムの提供、研修コーディネート、映像・音響・照明機材の設置・運用、オフィス家具や機材レンタルのほか、コロナ対策用備品などがあり、顧客の利便性を高める内容となっている。足元では、コロナ禍の下、オンラインイベント需要が増加したことで、ウェビナー案件が大きく伸びている。
さらには、顧客からの要望により宿泊も提供しており、研修旅行や社員旅行の際などに使用されている。直営施設として、リゾート型セミナーホテルである「レクトーレ」(10施設)、ハイクラスなリゾート型セミナー旅館の「石のや」(伊豆長岡・熱海の2施設)、都市型リゾート宿泊施設の「アジュール竹芝」(1施設)の3ブランドを展開している。フランチャイズ運営施設としては、ホテルと会議室のハイブリッド施設として「アパホテル」(10施設)、コンパクトホテルと会議室のハイブリッド施設の「ファーストキャビン」(1施設)の2ブランドを展開している(2021年2月末時点)。
昨今は大企業であっても、宿泊施設を自社で保有していることは少なく、また保有していてもコスト上、運営が難しいことが多い。同社はそのような企業ニーズを取り込み、リピート率の向上を狙う。また、高級旅館として有名な「石亭」は稼働率の低さから経営不振に陥っていたが、同社が「石のや」としてリブランドし、平日の法人需要を取り込むことで、経営を改善するなど資産の有効活用の観点からもメリットが多い。加えて、貸会議室だけでなく、食事・機器・宿泊場所・交通手配までワンストップで一連のサービスが提供され、顧客にとって利便性の高い内容となっているのが、同社が幅広い顧客に支持されているゆえんと言える。
5. 顧客
TKP本体の貸会議室の年間利用企業数は約35,000社に上るが、そのうち約2,000社が上場企業となっており、上場会社の半数以上が利用している。裾野の広い顧客基盤を有する一方、売上上位500社で売上高の約50%を構成しており、大手企業を中心とした上位顧客の構成比(利用頻度及び利用単価)が高い構造と言える。ヘビーユーザーに対しては法人営業担当者の積極的な提案・細やかな対応により顧客の深掘りを図る一方、単発利用のライトユーザーについてはコールセンターやクラウドスペースを活用したオペレーションで効率化を図っている。また、既存顧客が売上高の約85%を占めており、高いリピート率を誇る。一方、日本リージャス社は大手外資企業を中心とした顧客基盤を有しており、相互送客によるシナジー創出にも取り組む。
6. 収益構造
2021年2月期におけるサービス別売上高構成比(TKP本体)を見ると、「会議室料」が62.4%、「オプション」が14.2%、「料飲」が4.3%、「宿泊」が12.3%、「その他」が6.8%となっている。コロナ禍におけるケータリングの需要低迷により「料飲」が大幅に減少した。一方、施設のグレード別では、フラッグシップの位置付けのガーデンシティPREMIUM(GCP)とガーデンシティ(GC)が合わせて35.0%を占めるほか、スタンダードのカンファレンスセンター(CC)が29.9%、ライトユーズのビジネスセンター(BC)が5.4%、スター貸会議室が0.8%、宿泊・研修施設が16.9%、その他が12.0%となっており、上位3グレードだけで64.9%に上る。ただ足元では、カンファレンスセンター以下のグレードで試験会場利用やウェビナー案件の需要が旺盛であるほか、臨時オフィス需要の拡大に伴って期間貸し案件(特に1ヶ月超)が増加傾向にあり、環境変化とともに収益構造にも変化の兆しが見られる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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