ランドコンピュ Research Memo(6):2022年3月期は売上高、利益ともに過去最高を予想(2)
[21/07/01]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■ランドコンピュータ<3924>の今後の見通し
2. 今後の成長戦略
(1) 中長期の成長戦略「Attack 100」
中長期の成長戦略「Attack100」では、売上高100億円を早期に達成することに加え、中長期的に売上高営業利益率10%を達成することを目指している。2022年3月期の売上高見通しが96.3億円であることから、達成間近にあると言える。
(2) 各サービスライン共通の成長戦略
各サービスライン共通の成長戦略としては主に、2020年4月に新設されたDX推進本部を中心に、社会的なデジタル化トレンドにより、市場の成長と業績寄与が見込める「クラウド」「IoT」「AI」に注力する。なお、DX推進本部には「Salesforceビジネス推進室」と「クラウドビジネス室」が配置されているが、このうち「Salesforceビジネス推進室」ではSalesforceクラウドの全社的な展開を推進し、2021年3月期に早速効果が表われている。また、これらの戦略に加え、M&A、業務提携にも積極的に取り組む方針である。
a) クラウド
「クラウド」では、政府向けの需要拡大が期待される。政府は、2018年6月に「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用にかかる基本方針」を発表し、「クラウド・バイ・デフォルト原則」を掲げている。同原則は、各府省で政府情報システムの構築を実施する際に、クラウドサービスの利用を第一候補として考える方針に沿う。公共向けは従来ルートのプライムコントラクター経由のビジネスだけではなく、文教分野などでSalesforceビジネス関連のパッケージベースSI・サービスに事業機会を見いだしている。
なお、デジタル庁への期待はあるものの、未だ創設していないため、同社は2022年3月期の予算には勘案していない。2021年2月にデジタル庁の組織や所掌範囲を規定した「デジタル庁設置法案」などデジタル改革関連6法案が国会に提出されて閣議決定され、2021年9月1日に創設する予定だ。デジタル庁は、デジタル政策の企画立案により、国や地方公共団体、準公共部門などの情報システムを統括・監理し、重要なシステムを整備していく。徹底的な国民目線でのサービス創出やデータ資源の利活用、社会全体のDXの推進を通じ、すべての国民にデジタル化の恩恵が行き渡る社会を実現すべく取り組みを進めるため、民間部門へのデジタル化が波及することが期待される。
b) M&A
同社は、2021年4月1日にインフリー(infree)の株式100%を取得し、子会社化した。2001年8月に設立されたインフリーは、創業時からSAPの統合基幹業務パッケージ「SAP R/3」の導入コンサルティング及びアドオンソフト開発に強みを持つ。「SAP R/3」は、世界の主要企業1万社以上に導入されており、ERP分野で世界最大のシェアを誇る。
同社とインフリーは、社員教育に熱心なことと資格取得奨励という点で共通した企業文化を持つ。インフリーが行っている業務知識向上及び開発力強化の施策としては、1) 社内での徹底した教育、2) 開発プロジェクトでのノウハウのデータベース化、3) 情報共有ときめ細かいフォローアップ、がある。今後、同社のエンジニアがインフリーの社内教育システムを活用することで、資格取得者とビジネス機会の増大が期待される。また、両社の相乗効果として、インフリーが持つSAP関連のノウハウを同社のパッケージベースSI・サービスに融合することで、より付加価値の高い次世代サービスの提供に寄与するとしている。なお、ポスト・マージャー・インテグレーション(PMI)としては、2021年7月にインフリーのオフィスを同社が入居するビルに移転する予定で、間接部門の統合などにより経費の節減を図る。
c) AI
AI分野では、2021年5月にSTANDARDと業務提携契約を締結した。2017年8月に設立されたSTANDARDは、「東大人工知能開発学生団体HAIT」というAIを開発・研究するコミュニティから創設された。AI技術をコアに、450社以上の企業にDX推進支援の実績を持つ。業務委託契約先を含む従業員数は52名だが、東京大学や早稲田大学・慶應義塾大学を中心に800人の学生AIエンジニアが所属する「HAIT Lab」などのネットワークを生かし、産学連携プロジェクトも行っている。「ヒト起点のデジタル変革をSTANDARDにする」ことをミッションとし、DXにあたって企業がぶつかる壁を「人材の壁」「戦略の壁」「技術の壁」と定義し、その解決策となる「リテラシー教育」「コンサルティング」「技術開発支援」の3つのサービスを、顧客の状況や課題に応じて最適な形で提案・提供することを心がけている。STANDARDが持つDX推進における豊富な知見やノウハウと、同社の業種・業務のノウハウや技術・人材を生かしたソリューション・サービスの展開を進めることで、共創パートナーとして貢献するとしている。なお、今回の業務提携により同社はSTANDARDの販売パートナーとしてDX推進事業に携わり、顧客の課題の整理・解決策の提案からDX実現までを支援する方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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2. 今後の成長戦略
(1) 中長期の成長戦略「Attack 100」
中長期の成長戦略「Attack100」では、売上高100億円を早期に達成することに加え、中長期的に売上高営業利益率10%を達成することを目指している。2022年3月期の売上高見通しが96.3億円であることから、達成間近にあると言える。
(2) 各サービスライン共通の成長戦略
各サービスライン共通の成長戦略としては主に、2020年4月に新設されたDX推進本部を中心に、社会的なデジタル化トレンドにより、市場の成長と業績寄与が見込める「クラウド」「IoT」「AI」に注力する。なお、DX推進本部には「Salesforceビジネス推進室」と「クラウドビジネス室」が配置されているが、このうち「Salesforceビジネス推進室」ではSalesforceクラウドの全社的な展開を推進し、2021年3月期に早速効果が表われている。また、これらの戦略に加え、M&A、業務提携にも積極的に取り組む方針である。
a) クラウド
「クラウド」では、政府向けの需要拡大が期待される。政府は、2018年6月に「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用にかかる基本方針」を発表し、「クラウド・バイ・デフォルト原則」を掲げている。同原則は、各府省で政府情報システムの構築を実施する際に、クラウドサービスの利用を第一候補として考える方針に沿う。公共向けは従来ルートのプライムコントラクター経由のビジネスだけではなく、文教分野などでSalesforceビジネス関連のパッケージベースSI・サービスに事業機会を見いだしている。
なお、デジタル庁への期待はあるものの、未だ創設していないため、同社は2022年3月期の予算には勘案していない。2021年2月にデジタル庁の組織や所掌範囲を規定した「デジタル庁設置法案」などデジタル改革関連6法案が国会に提出されて閣議決定され、2021年9月1日に創設する予定だ。デジタル庁は、デジタル政策の企画立案により、国や地方公共団体、準公共部門などの情報システムを統括・監理し、重要なシステムを整備していく。徹底的な国民目線でのサービス創出やデータ資源の利活用、社会全体のDXの推進を通じ、すべての国民にデジタル化の恩恵が行き渡る社会を実現すべく取り組みを進めるため、民間部門へのデジタル化が波及することが期待される。
b) M&A
同社は、2021年4月1日にインフリー(infree)の株式100%を取得し、子会社化した。2001年8月に設立されたインフリーは、創業時からSAPの統合基幹業務パッケージ「SAP R/3」の導入コンサルティング及びアドオンソフト開発に強みを持つ。「SAP R/3」は、世界の主要企業1万社以上に導入されており、ERP分野で世界最大のシェアを誇る。
同社とインフリーは、社員教育に熱心なことと資格取得奨励という点で共通した企業文化を持つ。インフリーが行っている業務知識向上及び開発力強化の施策としては、1) 社内での徹底した教育、2) 開発プロジェクトでのノウハウのデータベース化、3) 情報共有ときめ細かいフォローアップ、がある。今後、同社のエンジニアがインフリーの社内教育システムを活用することで、資格取得者とビジネス機会の増大が期待される。また、両社の相乗効果として、インフリーが持つSAP関連のノウハウを同社のパッケージベースSI・サービスに融合することで、より付加価値の高い次世代サービスの提供に寄与するとしている。なお、ポスト・マージャー・インテグレーション(PMI)としては、2021年7月にインフリーのオフィスを同社が入居するビルに移転する予定で、間接部門の統合などにより経費の節減を図る。
c) AI
AI分野では、2021年5月にSTANDARDと業務提携契約を締結した。2017年8月に設立されたSTANDARDは、「東大人工知能開発学生団体HAIT」というAIを開発・研究するコミュニティから創設された。AI技術をコアに、450社以上の企業にDX推進支援の実績を持つ。業務委託契約先を含む従業員数は52名だが、東京大学や早稲田大学・慶應義塾大学を中心に800人の学生AIエンジニアが所属する「HAIT Lab」などのネットワークを生かし、産学連携プロジェクトも行っている。「ヒト起点のデジタル変革をSTANDARDにする」ことをミッションとし、DXにあたって企業がぶつかる壁を「人材の壁」「戦略の壁」「技術の壁」と定義し、その解決策となる「リテラシー教育」「コンサルティング」「技術開発支援」の3つのサービスを、顧客の状況や課題に応じて最適な形で提案・提供することを心がけている。STANDARDが持つDX推進における豊富な知見やノウハウと、同社の業種・業務のノウハウや技術・人材を生かしたソリューション・サービスの展開を進めることで、共創パートナーとして貢献するとしている。なお、今回の業務提携により同社はSTANDARDの販売パートナーとしてDX推進事業に携わり、顧客の課題の整理・解決策の提案からDX実現までを支援する方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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