飯野海運 Research Memo(9):ESG・SDGs経営を一段と強化
[21/07/01]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■ESG・SDGsへの取り組み
1. 環境負荷軽減に向けた取り組みを積極推進
飯野海運<9119>は従来から環境負荷軽減に向けた取り組みを積極的に推進している。海運業では2019年12月に同社初の2元燃料主機関搭載メタノール船が竣工、2020年3月に同社初のSOxスクラバー(脱硫装置)搭載のVLCCが竣工した。2021年1月には同社として5隻目となるSOxスクラバー搭載船(VLCC)が竣工した。さらにLPGを燃料として使用できる同社初の2元燃料主機関搭載VLGCが2022年に1隻、2023年に1隻竣工予定である。
不動産業の既存の保有ビルにおいては、最先端の環境性能を取り入れ大幅な省エネを実現している。そして主力の飯野ビルディング(建て替えで2014年グランドオープン)は、日本初のLEEDプラチナ認証(米国グルーンビルディング協会による環境対応評価システムの最高位)、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)評価で最高ランク5つ星、環境・社会への配慮がなされたビルに与えられるDBJ Green Building認証で最高ランクの5つ星を取得するなど、環境に関する数々の認証を取得している。
また日比谷フォートタワーの建設事業費調達では、日本格付研究所よりグリーンボンド評価(最上位のGreen1)を取得し、公募形式によるグリーンボンド(第2回無担保社債、2021年3月発行)で50億円を調達した。さらに省エネ運用、高効率機器の導入、環境認証の維持、再生可能エネルギーの活用などを推進する。
2. 2030年に向けて温室効果ガス排出量40%削減目標
環境問題の温室効果ガスへの対応では、排出量削減目標として、海運業では輸送単位当たり温室効果ガス排出量を2030年に2008年比40%削減、2050年に同50%削減、不動産業では単位面積当たりCO2排出量を2030年に同40%削減、2050年に同50%削減を掲げている。「CDP気候変動スコア2020」においては「B-」評価を取得した。
3. ESG・SDGs経営を一段と強化
海運業と不動産業を両輪として成長を目指す基本シナリオに変化はないが、中期経営計画では経済的価値や社会的価値の創造を目指して、ESG・SDGs経営の一段の強化やDX推進を強く打ち出した。社会(働き方改革やダイバーシティへの取り組み)や、ガバナンス(指名・報酬諮問委員会の委員長を独立社外取締役に変更、監査役会の機能強化など)の面でも動きが活発化している。
またESG・SDGs経営の推進及び重点強化策実行のための組織づくりとして、2020年8月にはサステナビリティへの取り組み強化に向けてIINO環境タスクフォースを設置、ESG経営の基盤づくりに向けてIINO DXタスクフォースを設置した。さらに2021年6月には、海外拠点の活動を統括する海外戦略担当と、新規事業の企画調査立案を行う事業開発推進部を統合して、事業戦略部を設置した。国内外を問わず、新規事業に向けた様々な情報の受け皿と位置付けている。世界的な視野でニーズを捉え、グローバル事業展開を推進する方針だ。こうした動きを高く評価し、中期的な収益拡大と企業価値向上を期待したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<NB>
1. 環境負荷軽減に向けた取り組みを積極推進
飯野海運<9119>は従来から環境負荷軽減に向けた取り組みを積極的に推進している。海運業では2019年12月に同社初の2元燃料主機関搭載メタノール船が竣工、2020年3月に同社初のSOxスクラバー(脱硫装置)搭載のVLCCが竣工した。2021年1月には同社として5隻目となるSOxスクラバー搭載船(VLCC)が竣工した。さらにLPGを燃料として使用できる同社初の2元燃料主機関搭載VLGCが2022年に1隻、2023年に1隻竣工予定である。
不動産業の既存の保有ビルにおいては、最先端の環境性能を取り入れ大幅な省エネを実現している。そして主力の飯野ビルディング(建て替えで2014年グランドオープン)は、日本初のLEEDプラチナ認証(米国グルーンビルディング協会による環境対応評価システムの最高位)、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)評価で最高ランク5つ星、環境・社会への配慮がなされたビルに与えられるDBJ Green Building認証で最高ランクの5つ星を取得するなど、環境に関する数々の認証を取得している。
また日比谷フォートタワーの建設事業費調達では、日本格付研究所よりグリーンボンド評価(最上位のGreen1)を取得し、公募形式によるグリーンボンド(第2回無担保社債、2021年3月発行)で50億円を調達した。さらに省エネ運用、高効率機器の導入、環境認証の維持、再生可能エネルギーの活用などを推進する。
2. 2030年に向けて温室効果ガス排出量40%削減目標
環境問題の温室効果ガスへの対応では、排出量削減目標として、海運業では輸送単位当たり温室効果ガス排出量を2030年に2008年比40%削減、2050年に同50%削減、不動産業では単位面積当たりCO2排出量を2030年に同40%削減、2050年に同50%削減を掲げている。「CDP気候変動スコア2020」においては「B-」評価を取得した。
3. ESG・SDGs経営を一段と強化
海運業と不動産業を両輪として成長を目指す基本シナリオに変化はないが、中期経営計画では経済的価値や社会的価値の創造を目指して、ESG・SDGs経営の一段の強化やDX推進を強く打ち出した。社会(働き方改革やダイバーシティへの取り組み)や、ガバナンス(指名・報酬諮問委員会の委員長を独立社外取締役に変更、監査役会の機能強化など)の面でも動きが活発化している。
またESG・SDGs経営の推進及び重点強化策実行のための組織づくりとして、2020年8月にはサステナビリティへの取り組み強化に向けてIINO環境タスクフォースを設置、ESG経営の基盤づくりに向けてIINO DXタスクフォースを設置した。さらに2021年6月には、海外拠点の活動を統括する海外戦略担当と、新規事業の企画調査立案を行う事業開発推進部を統合して、事業戦略部を設置した。国内外を問わず、新規事業に向けた様々な情報の受け皿と位置付けている。世界的な視野でニーズを捉え、グローバル事業展開を推進する方針だ。こうした動きを高く評価し、中期的な収益拡大と企業価値向上を期待したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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