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レカム Research Memo(3):2021年9月期第2四半期の経常利益は上期において2期ぶりに黒字に転換

注目トピックス 日本株
■業績動向

1. 2021年9月期第2四半期決算の業績概要
レカム<3323>の2021年9月期第2四半期業績(2020年10月〜2021年3月)は、売上高4,061百万円(前年同期比12.7%減)、営業利益11百万円の損失(同204百万円の損失)、経常利益9百万円(同186百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は100百万円の赤字(同60百万円の黒字)であった。営業利益は第2四半期(1〜3月)期間において6四半期ぶりに黒字転換となり、経常利益は上期において2期ぶりに黒字に転換している。

コロナ禍を受けて、世界経済においては米国や中国が力強い景気回復を見せた一方、欧州やASEANにおいてはコロナによる規制再強化により景気が悪化しており、その終息時期が見通せず、総じて厳しい事業環境となっている。

こうしたなか、同社では組織再編やグループ会社の統合を積極的に推進し、グループ会社間のシナジーの最大化を目指している。ITソリューション事業では、約6万件の顧客データベースを活用した情報通信機器や光回線、電力の取次、LED照明の顧客へのクロスセル、アップセルに注力した。エネルギーソリューション事業では、LED照明の卸売拡販と家庭向け太陽光発電システムの導入顧客に対する蓄電池販売を推進している。BPR事業では、RPAやAI-OCRを取り入れた業務改善のコンサルティング営業を通じてBPO業務やソリューション販売に取り組んでいる。また、ロックダウン、移動制限等により営業活動が十分に行えなかった海外法人事業では、より強固な営業組織にするべく拠点の集約と、現地社員の採用し、ローカル企業に対する営業体制の構築に取り組んでいる。また、全事業部門において「ReSPR」の販売に注力した。

2. 事業セグメント別の動向
事業セグメント別の動向は以下の通りとなっている。

(1) 海外法人事業
海外法人事業の売上高は470百万円(前年同期比52.2%減)、セグメント損益は93百万円の損失(前年同期は170百万円の損失)であった。コロナ禍の影響については、中国やベトナムでは営業活動にほとんど支障がなかったものの、インドやマレーシアでは行動制限令発令による営業停止や事業責任者が赴任できず、営業活動に支障が生じたため減収幅が大きくなった。このような状況下において、より強固な営業組織にするため台湾の撤退とフィリピン事業の再構築を決めており、拠点の集約を図っている。また、現地営業社員の採用を行い、ローカル企業への営業体制を構築してきた。セグメント損失については、売上が半減したものの、拠点閉鎖等による固定費削減や売上マージン率の上昇させたことにより、前年同期比でセグメント損失は減少した。

(2) ITソリューション事業
ITソリューション事業全体(直営店・FC加盟店・代理店・グループ会社の合計)の売上高は2,133百万円(前年同期比1.6%減)、セグメント利益は、83百万円(同165.7%増)となった。付加価値の高い商品販売が増加したことによる売上マージン率の上昇や収益性の高い直営店チャネルの販売が好調だった。売上高をチャネル別に見ると、直営店は顧客データベースを活用した効率的な営業活動を実施し、新規の顧客開拓に注力。ネットワークセキュリティ強化としてのUTMやテレワーク対応商品の販売に注力し、売上高は1,192百万円(前年同期比21.2%増)となった。FC加盟店チャネルは加盟店へ販売手法の共有を推し進め、UTM等のセキュリティ商材の販売支援を実施してきたが、売上高は541百万円(同23.7%減)となった。代理店チャネルは、取り扱い商材を拡充するとともに代理店の開拓に取り組んだが、売上高は59百万円(同19.0%減)となった。グループ会社においては、事業売却の影響もあり、売上高は340百万円(同15.2%減)となった。

(3) エネルギーソリューション事業
エネルギーソリューション事業の売上高は1,154百万円(前年同期比5.6%減)となった。LED照明や業務用エアコン等の法人向けが増収となる一方、戸建て住宅向けに太陽光発電システム等を販売する個人向けは、コロナ禍において顧客訪問が行いにくい環境だったことから商談数が減少し減収。ただし、セグメント損益は間接部門の業務効率化や全般的なコスト削減に取り組んだこと等により7百万円の損失(前年同期は82百万円の損失)と、損失額は大きく減少した。法人向けビジネスにおいては、LED照明や業務用エアコン、コロナ対策商品等の代理店への拡販に取り組み、代理店開拓を実施。個人向けのビジネスにおいては太陽光発電システムを設置している住宅へ蓄電池の提案営業を推進した。

(4) BPR事業
BPR事業の売上高(外部売上高)は302百万円(前年同期比13.4%増)、セグメント利益は64百万円(同32.1%増)となった。RPAやAI-OCR、BPO等を取り入れた業務改善や経費削減提案を実施し、既存顧客からの受託業務の拡大や新規顧客開拓により増収となった。BPOセンターにおいては、より一層の業務自動化を進め、業務効率と品質の向上に取り組んでおり、生産性の向上効果によって大幅増益となった。

3. 財務状況と経営指標
2021年9月期第2四半期末の総資産は、前期末比657百万円減少し9,253百万円となった。これは借入金の返済等により現金及び預金が480百万円減少したこと及び、のれんが155百万円減少したことが主要因である。

負債については、前期末比510百万円減少し4,004百万円となった。法人税等の支払により未払法人税等が348百万円減少したほか、長期借入金が365百万円減少した。純資産については、前期末比146百万円減少し5,249百万円となった。これは、配当金の支払い及び四半期純損失となったこと等が主要因である。

また、現預金と有利子負債の推移においては、有利子負債は前期末比378百万円減少し1,794百万円、現金及び預金は480百万円減少し2,997百万円となった。これにより自己資本比率は51.3%となり前期末の49.8%から1.5ポイント上昇し、50%台を維持した。成長戦略の実行に向け、十分な投資余力を確保していると言えるだろう。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)




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