ケアネット Research Memo(1):製薬・医療業界のDXを追い風に2025年に営業利益100億円を目指す
[21/09/21]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
ケアネット<2150>は、インターネットを活用した製薬企業向けマーケティング支援サービスとなる医薬DX事業を主力事業として展開している。具体的には、医師・医療従事者向けに様々な医療情報を無料で提供するWebサイト「CareNet.com」を運営し、同サイトに登録した会員の属性やニーズなどを収集して、製薬企業に対して医薬品のマーケティング活動支援を行うサービス「MRPlus」を展開している。なお同社は、2021年10月1日付で1:4の株式分割を実施する。
1. 2021年12月期第2四半期累計業績の概要
2021年12月期第2四半期累計(2021年1月〜6月)の連結業績は、売上高で前年同期比106.9%増の3,817百万円、営業利益で同200.4%増の1,387百万円と大幅な増収増益となった。新型コロナウイルス感染拡大(以下、コロナ禍)を契機として、2020年後半以降、製薬企業のプロモーション活動において一気にデジタルシフトが進み、「MRPlus」の顧客企業数が従前の50社強から約70社まで増加したことや、既存顧客においてもWeb講演会などを含めて利用頻度が増加したことが高成長の要因となった。「CareNet.com」の登録医師会員数についても、2021年6月末で18.9万人と順調に増加した。なお、2021年2月に事業領域の拡大を目的に、医師・健康の専門家によるヘルスケア専門メディア「Doctors Me」を運営する(株)アドメディカの全株式を取得し子会社化している。
2. 2021年12月期の業績見通し
2021年12月期の連結業績は、売上高で前期比44.5%増の7,664百万円、営業利益で同46.4%増の2,211百万円と期初計画(売上高6,000百万円、営業利益1,700百万円)を第1四半期決算発表時点で上方修正している。下期だけで見ると売上高で前年同期比11%増と伸長する一方で、営業利益は同21%減と落ち込む計画となっている。これは今後の成長に向けて新規事業開発など積極的な投資を進めていく計画となっており、保守的に予算を組んでいるためと思われる。足元の受注状況は引き続き好調なことから、会社計画を上振れする可能性は高いと弊社では見ている。
3. 中期経営ビジョンについて
同社は2021年5月に、今後5年間の中期経営ビジョンを発表した。主力の医薬DX事業のさらなる成長に加えて、新規成長事業としてメディカルプラットフォーム事業、ヘルスデータサイエンス事業を育成していくことで、2025年12月期に売上高300億円、営業利益100億円を目指す。年平均成長率は売上高で41%、営業利益で46%となる。製薬・医療業界においてDXが進行するなか、飛躍的な成長を実現する好機と見て、M&Aも含めて積極的な投資を実行していく方針だ。医薬DX事業については、製薬業界のプロモーション施策においてインターネット活用が一段と進むこと、そのなかでも需要増加が見込まれるスペシャルティ医薬品領域に注力していくことで高成長を継続していく。また、メディカルプラットフォーム事業では、クリニック向けにIT活用による診療・業務の効率化を支援するサービスを開発・育成していく。ヘルスデータサイエンス事業では、産業医科大学ヘルスマネジメントシステム(責)や東京海上ホールディングス<8766>との戦略的提携を通じて、職域を軸に健康管理のプログラムを開発し、メディカルプラットフォームと連携することにより競争力のある健康プラットフォームサービスを提供していく。経営目標達成に必要となる資金調達も2021年8月に発表した(想定調達額約63億円)。第三者割当による新株予約権を発行し、スペシャルティ医薬品向けDXモデルの開発やデータサイエンス分野の強化に向けた開発投資、人材投資、M&A資金などに充当していく予定だ。
■Key Points
・医薬DX事業の高成長が続き、2021年12月期第2四半期累計業績は大幅増収増益を達成
・2025年12月期に売上高300億円、営業利益100億円を目指す
・eプロモーション市場は現在の約500億円から将来的に3,000〜4,000億円に拡大する見通し
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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ケアネット<2150>は、インターネットを活用した製薬企業向けマーケティング支援サービスとなる医薬DX事業を主力事業として展開している。具体的には、医師・医療従事者向けに様々な医療情報を無料で提供するWebサイト「CareNet.com」を運営し、同サイトに登録した会員の属性やニーズなどを収集して、製薬企業に対して医薬品のマーケティング活動支援を行うサービス「MRPlus」を展開している。なお同社は、2021年10月1日付で1:4の株式分割を実施する。
1. 2021年12月期第2四半期累計業績の概要
2021年12月期第2四半期累計(2021年1月〜6月)の連結業績は、売上高で前年同期比106.9%増の3,817百万円、営業利益で同200.4%増の1,387百万円と大幅な増収増益となった。新型コロナウイルス感染拡大(以下、コロナ禍)を契機として、2020年後半以降、製薬企業のプロモーション活動において一気にデジタルシフトが進み、「MRPlus」の顧客企業数が従前の50社強から約70社まで増加したことや、既存顧客においてもWeb講演会などを含めて利用頻度が増加したことが高成長の要因となった。「CareNet.com」の登録医師会員数についても、2021年6月末で18.9万人と順調に増加した。なお、2021年2月に事業領域の拡大を目的に、医師・健康の専門家によるヘルスケア専門メディア「Doctors Me」を運営する(株)アドメディカの全株式を取得し子会社化している。
2. 2021年12月期の業績見通し
2021年12月期の連結業績は、売上高で前期比44.5%増の7,664百万円、営業利益で同46.4%増の2,211百万円と期初計画(売上高6,000百万円、営業利益1,700百万円)を第1四半期決算発表時点で上方修正している。下期だけで見ると売上高で前年同期比11%増と伸長する一方で、営業利益は同21%減と落ち込む計画となっている。これは今後の成長に向けて新規事業開発など積極的な投資を進めていく計画となっており、保守的に予算を組んでいるためと思われる。足元の受注状況は引き続き好調なことから、会社計画を上振れする可能性は高いと弊社では見ている。
3. 中期経営ビジョンについて
同社は2021年5月に、今後5年間の中期経営ビジョンを発表した。主力の医薬DX事業のさらなる成長に加えて、新規成長事業としてメディカルプラットフォーム事業、ヘルスデータサイエンス事業を育成していくことで、2025年12月期に売上高300億円、営業利益100億円を目指す。年平均成長率は売上高で41%、営業利益で46%となる。製薬・医療業界においてDXが進行するなか、飛躍的な成長を実現する好機と見て、M&Aも含めて積極的な投資を実行していく方針だ。医薬DX事業については、製薬業界のプロモーション施策においてインターネット活用が一段と進むこと、そのなかでも需要増加が見込まれるスペシャルティ医薬品領域に注力していくことで高成長を継続していく。また、メディカルプラットフォーム事業では、クリニック向けにIT活用による診療・業務の効率化を支援するサービスを開発・育成していく。ヘルスデータサイエンス事業では、産業医科大学ヘルスマネジメントシステム(責)や東京海上ホールディングス<8766>との戦略的提携を通じて、職域を軸に健康管理のプログラムを開発し、メディカルプラットフォームと連携することにより競争力のある健康プラットフォームサービスを提供していく。経営目標達成に必要となる資金調達も2021年8月に発表した(想定調達額約63億円)。第三者割当による新株予約権を発行し、スペシャルティ医薬品向けDXモデルの開発やデータサイエンス分野の強化に向けた開発投資、人材投資、M&A資金などに充当していく予定だ。
■Key Points
・医薬DX事業の高成長が続き、2021年12月期第2四半期累計業績は大幅増収増益を達成
・2025年12月期に売上高300億円、営業利益100億円を目指す
・eプロモーション市場は現在の約500億円から将来的に3,000〜4,000億円に拡大する見通し
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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