USENNEX Research Memo(1):2021年8月期好業績でさらに広がる期待と可能性
[21/11/18]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
1. 統合の成果により中期経営計画の目標を3年前倒して達成
USEN-NEXT HOLDINGS<9418>は、飲食や小売といった業務店をはじめホテル、病院、オフィスなど各種施設へ向け、音楽配信を中心に施設運営に必要な各種機器・サービスを提供している。個人向けには、定額制コンテンツ配信サービス「U-NEXT」を提供している。2017年12月に(株)USENと(株)U-NEXTが再統合して設立されたが、統合の目的は、安定収益源の音楽配信事業からコンテンツ配信事業など成長余地の大きい事業へ資金を還流し、各事業の成長を促すことにある。また、顧客基盤などグループ各社の持つ強みや販売チャネルを緊密に連携し、各社の主力商品をクロスセルすることでグループシナジーを創出することも大きな目的となっている。コロナ禍の2021年8月期は、中期経営計画の目標を3年前倒して達成するなど、統合は非常に大きな成果があったと言える。
2. 企業としての強みは音楽配信などで培った厚い顧客基盤と営業力
同社は5つの事業を展開している。店舗サービス事業では、業務店や商業施設などに向けた音楽配信や音楽著作権管理を行っているほか、IoT商材や周辺サービスなど店舗経営に関わるあらゆるソリューションサービスを提供している。通信事業では、法人向けICTや業務店向け自社光回線の販売・サービスなどを行っている。業務用システム事業では、ホテルや病院などに業務管理システムや自動精算機などを販売している。コンテンツ配信事業では、個人向けに動画や電子書籍などのデジタルコンテンツを配信している。エネルギー事業では、店舗サービス事業を支援する商材として電力・ガスの販売を行っている。コンテンツ配信事業における業界トップのコンテンツラインアップなど各事業はそれぞれに強みを持つが、企業全体としての強みは音楽配信などで培った厚い顧客基盤と営業力にある。
3. 2021年8月期は利益体質面やキャッシュ面で次につながる好業績
2021年8月期の業績は、コロナ禍において、売上高208,351百万円(前期比7.8%増)、営業利益15,608百万円(同43.4%増)と好調であった。特にコンテンツ配信事業では、動画・電子書籍の品ぞろえ拡充やサービス強化などの施策を積極的に推進した結果、巣ごもり需要をきっかけに急拡大する需要を取り込んで本格的な成長期に入った。また、コロナ禍によりマイナス影響があった事業も強みを生かして顧客ニーズに沿った施策を展開し、マイナス幅を極小に抑えることができた。この結果、グループの顧客資産は大きく積み上がり、今後の同社収益を押し上げるドライバーになっていくと考えられる。併せて、もとより高水準を誇るEBITDAも急成長を見せており投資や返済、株主還元などにおいて打ち手の幅が広がることにもつながっていくと思われる。
4. 2022年8月期は実質2ケタ営業増益見込み/新中期経営計画策定へ
同社は2022年8月期の業績見通しに関して、売上高220,000百万円、営業利益17,000百万円と見込んでいる。同社は「収益認識に関する会計基準」等の影響により前期比を公表していないが、実質2ケタ営業増益見込みである。グループ経営方針として、(1)ウィズコロナ/アフターコロナの環境変化への対応と成長トレンドの堅持、(2)前倒し達成した前中期経営計画に替わる新中期経営計画や統合報告書の策定、(3)人財や従来慎重だったM&Aの強化による非連続成長への挑戦、を掲げた。(3)によって長期的に売上高1兆円を目指すことになるのだろうが、当面は(1)と(2)により着実な短中期成長を目指していくものと思われる。ただし、ウィズコロナ/アフターコロナの時代を想定するのが難しく、やや保守的な予想になっているという印象である。
■Key Points
・コロナ禍を通じてコンテンツ配信が急成長、店舗サービスも強みを発揮
・2021年8月期は大幅営業増益で、中期経営計画目標を3年前倒しで達成
・2022年8月期も実質2ケタ営業増益見込み。改めて中期経営計画を策定へ
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<EY>
1. 統合の成果により中期経営計画の目標を3年前倒して達成
USEN-NEXT HOLDINGS<9418>は、飲食や小売といった業務店をはじめホテル、病院、オフィスなど各種施設へ向け、音楽配信を中心に施設運営に必要な各種機器・サービスを提供している。個人向けには、定額制コンテンツ配信サービス「U-NEXT」を提供している。2017年12月に(株)USENと(株)U-NEXTが再統合して設立されたが、統合の目的は、安定収益源の音楽配信事業からコンテンツ配信事業など成長余地の大きい事業へ資金を還流し、各事業の成長を促すことにある。また、顧客基盤などグループ各社の持つ強みや販売チャネルを緊密に連携し、各社の主力商品をクロスセルすることでグループシナジーを創出することも大きな目的となっている。コロナ禍の2021年8月期は、中期経営計画の目標を3年前倒して達成するなど、統合は非常に大きな成果があったと言える。
2. 企業としての強みは音楽配信などで培った厚い顧客基盤と営業力
同社は5つの事業を展開している。店舗サービス事業では、業務店や商業施設などに向けた音楽配信や音楽著作権管理を行っているほか、IoT商材や周辺サービスなど店舗経営に関わるあらゆるソリューションサービスを提供している。通信事業では、法人向けICTや業務店向け自社光回線の販売・サービスなどを行っている。業務用システム事業では、ホテルや病院などに業務管理システムや自動精算機などを販売している。コンテンツ配信事業では、個人向けに動画や電子書籍などのデジタルコンテンツを配信している。エネルギー事業では、店舗サービス事業を支援する商材として電力・ガスの販売を行っている。コンテンツ配信事業における業界トップのコンテンツラインアップなど各事業はそれぞれに強みを持つが、企業全体としての強みは音楽配信などで培った厚い顧客基盤と営業力にある。
3. 2021年8月期は利益体質面やキャッシュ面で次につながる好業績
2021年8月期の業績は、コロナ禍において、売上高208,351百万円(前期比7.8%増)、営業利益15,608百万円(同43.4%増)と好調であった。特にコンテンツ配信事業では、動画・電子書籍の品ぞろえ拡充やサービス強化などの施策を積極的に推進した結果、巣ごもり需要をきっかけに急拡大する需要を取り込んで本格的な成長期に入った。また、コロナ禍によりマイナス影響があった事業も強みを生かして顧客ニーズに沿った施策を展開し、マイナス幅を極小に抑えることができた。この結果、グループの顧客資産は大きく積み上がり、今後の同社収益を押し上げるドライバーになっていくと考えられる。併せて、もとより高水準を誇るEBITDAも急成長を見せており投資や返済、株主還元などにおいて打ち手の幅が広がることにもつながっていくと思われる。
4. 2022年8月期は実質2ケタ営業増益見込み/新中期経営計画策定へ
同社は2022年8月期の業績見通しに関して、売上高220,000百万円、営業利益17,000百万円と見込んでいる。同社は「収益認識に関する会計基準」等の影響により前期比を公表していないが、実質2ケタ営業増益見込みである。グループ経営方針として、(1)ウィズコロナ/アフターコロナの環境変化への対応と成長トレンドの堅持、(2)前倒し達成した前中期経営計画に替わる新中期経営計画や統合報告書の策定、(3)人財や従来慎重だったM&Aの強化による非連続成長への挑戦、を掲げた。(3)によって長期的に売上高1兆円を目指すことになるのだろうが、当面は(1)と(2)により着実な短中期成長を目指していくものと思われる。ただし、ウィズコロナ/アフターコロナの時代を想定するのが難しく、やや保守的な予想になっているという印象である。
■Key Points
・コロナ禍を通じてコンテンツ配信が急成長、店舗サービスも強みを発揮
・2021年8月期は大幅営業増益で、中期経営計画目標を3年前倒しで達成
・2022年8月期も実質2ケタ営業増益見込み。改めて中期経営計画を策定へ
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<EY>