ビーロット Research Memo(7):中期経営計画の初年度は順調な進捗。SDGsへの取り組みが活発化
[22/03/24]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■成長戦略・トピック
1. 中期経営計画と進捗状況
ビーロット<3452>は、2020年11月に2023年12月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画を発表し、2023年12月期に売上高で29,700百万円、経常利益で3,640百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で2,440百万円を計画していた。しかしながら、2022年12月期より売上高の予想は非開示とすることに伴い、中期経営計画の売上高計画値も取り下げた。
重点戦略としては、安定した利益を生み出す企業体質に向けた収益構造変革を行う。具体的には、不動産マネジメント事業の粗利構成比を2019年12月期の19%から2023年12月期には28%に、不動産コンサルティング事業の粗利構成比を2019年12月期の16%から2023年12月期には22%に、それぞれ向上させる。具体的なアクションプランとしては、(1) 既存ビジネスの深耕、(2) 次世代リーダー育成、(3) ビーロットリート投資法人のIPO、(4) パートナー企業増、(5) 安定収益20%成長、(6) 自己資本比率25%超、の6点である。これまでは不動産投資開発事業が急成長をけん引してきたが、中期経営計画期間を創業期と位置付け、3事業による安定した利益成長ができる企業体質に変革する考えだ。
初年度である2021年12月期の業績としては、親会社株主に帰属する当期純利益が953百万円となり、中期経営計画の目標値(870百万円)を達成したほか、経常利益も1,501百万円と計画値(1,320百万円)を達成するなど、順調な滑り出しとなった。また、進捗状況としては、長期安定成長に向けた取り組みとして推進している不動産コンサルティング事業の粗利構成比が32%(2023年12月期計画値は22%)と計画値を上回った。一方、不動産マネジメント事業の粗利構成比は23%(同28%)と前期比で上昇したものの、目標値までにはギャップがある。宿泊施設の賃貸収入の回復がカギとなるだろう。6つのアクションプランに関しては、「(2) 次世代リーダー育成」で若手社員の台頭が各部門であり、戦力が充実してきている。また、「(1) 既存ビジネスの深耕」においては、旧 ライフステージの販売代理事業を吸収合併したことによる相乗効果が事業規模拡大に寄与してきた。「(6) 自己資本比率25%超」に関しては、公募増資の効果もあり、17.5%(2020年12月期末)から21.7%(2021年12月期末)に改善した。
2. SDGsへの取り組み
同社では以前から持続可能な社会の実現に向けて、主に本業を通じて取り組んできた。活動テーマとしては、医療福祉関連から環境問題の解決、女性の活躍まで多岐にわたる。同社の強みを生かした活動としては、不動産物件の省エネルギー化や再生可能エネルギーの活用が挙げられる。不動産物件の省エネルギー化については、ビーロット江坂ビルがCASBEE評価※において、省エネルギーに配慮した設備運用が行われているなどの5項目で「S」評価となった。また、再生可能エネルギーの活用については、同社自身が太陽光発電所に投資しており、設置面積で3万平方メートルを突破している。今後もSDGsへの取り組みを推進していく方針である。
※建築環境総合性能評価システム:(一財)建築環境・省エネルギー機構。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<YM>
1. 中期経営計画と進捗状況
ビーロット<3452>は、2020年11月に2023年12月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画を発表し、2023年12月期に売上高で29,700百万円、経常利益で3,640百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で2,440百万円を計画していた。しかしながら、2022年12月期より売上高の予想は非開示とすることに伴い、中期経営計画の売上高計画値も取り下げた。
重点戦略としては、安定した利益を生み出す企業体質に向けた収益構造変革を行う。具体的には、不動産マネジメント事業の粗利構成比を2019年12月期の19%から2023年12月期には28%に、不動産コンサルティング事業の粗利構成比を2019年12月期の16%から2023年12月期には22%に、それぞれ向上させる。具体的なアクションプランとしては、(1) 既存ビジネスの深耕、(2) 次世代リーダー育成、(3) ビーロットリート投資法人のIPO、(4) パートナー企業増、(5) 安定収益20%成長、(6) 自己資本比率25%超、の6点である。これまでは不動産投資開発事業が急成長をけん引してきたが、中期経営計画期間を創業期と位置付け、3事業による安定した利益成長ができる企業体質に変革する考えだ。
初年度である2021年12月期の業績としては、親会社株主に帰属する当期純利益が953百万円となり、中期経営計画の目標値(870百万円)を達成したほか、経常利益も1,501百万円と計画値(1,320百万円)を達成するなど、順調な滑り出しとなった。また、進捗状況としては、長期安定成長に向けた取り組みとして推進している不動産コンサルティング事業の粗利構成比が32%(2023年12月期計画値は22%)と計画値を上回った。一方、不動産マネジメント事業の粗利構成比は23%(同28%)と前期比で上昇したものの、目標値までにはギャップがある。宿泊施設の賃貸収入の回復がカギとなるだろう。6つのアクションプランに関しては、「(2) 次世代リーダー育成」で若手社員の台頭が各部門であり、戦力が充実してきている。また、「(1) 既存ビジネスの深耕」においては、旧 ライフステージの販売代理事業を吸収合併したことによる相乗効果が事業規模拡大に寄与してきた。「(6) 自己資本比率25%超」に関しては、公募増資の効果もあり、17.5%(2020年12月期末)から21.7%(2021年12月期末)に改善した。
2. SDGsへの取り組み
同社では以前から持続可能な社会の実現に向けて、主に本業を通じて取り組んできた。活動テーマとしては、医療福祉関連から環境問題の解決、女性の活躍まで多岐にわたる。同社の強みを生かした活動としては、不動産物件の省エネルギー化や再生可能エネルギーの活用が挙げられる。不動産物件の省エネルギー化については、ビーロット江坂ビルがCASBEE評価※において、省エネルギーに配慮した設備運用が行われているなどの5項目で「S」評価となった。また、再生可能エネルギーの活用については、同社自身が太陽光発電所に投資しており、設置面積で3万平方メートルを突破している。今後もSDGsへの取り組みを推進していく方針である。
※建築環境総合性能評価システム:(一財)建築環境・省エネルギー機構。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<YM>