ランドコンピュ Research Memo(1):パッケージベースSI・サービスを中心に積極策を講じ、持続的成長を目指す
[22/07/19]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
ランドコンピュータ<3924>は、2021年1月に創立50周年を迎えた独立系中堅システムインテグレータである。長年にわたる既存顧客からの信頼関係による安定的な事業基盤に加え、成長分野と位置付けるパッケージベースSI・サービスでは、2022年3月期及び2023年3月期の2期連続でM&Aを行うなど、積極策を講じている。
1. 業績動向
2022年3月期連結業績は、売上高が前年同期比8.1%増※の9,596百万円、営業利益が同40.6%増の872百万円となった。売上高は、成長戦略の柱であるパッケージベースSI・サービスで(株)インフリー(infree)を子会社化したこともあり、大きく伸長した。営業利益は、不採算案件による受注損失引当金を計上したものの、利益率が高いパッケージベースSI・サービスの増収、プロジェクト案件の選択と集中により利益が増加し、売上・利益ともに過去最高となった。
※前期比は単体数値と比較した参考値。以下同様。
2023年3月期の連結業績予想については中期数値計画値を据え置き、売上高で前期比11.5%増の10,700百万円、営業利益で同8.9%増の950百万円とし、売上・利益ともに過去最高を連続更新する見込み。既存技術の強化とともに、パッケージベースSI・サービスを中心とする成長力の高い事業ドメインの開拓、事業構造の集中と選択、直ユーザー取引の拡大に積極的に取り組む。利益面では、引き続き戦略投資を進めていく方針であるほか、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)による緊急事態宣言の解除により、出張などを含めた営業活動の活発化が予想され、前期に抑制された販管費の増加を見込んでいる。
2. M&A戦略
同社は、2022年3月期より積極的なM&A戦略を展開しているが、同社が成長事業と位置付けるパッケージベースSIに関連した企業で、グループシナジーが発揮できるポテンシャルであることをM&Aの前提としている。この方針に基づき、2021年4月にインフリーの全株式を取得し子会社化した。インフリーが開発した教育ツールなどのリソースをグループ内で共有することで、グループ全体のSAP関連ビジネスを拡大していく。なお、SAP関連売上高は、2021年3月期の69百万円から2022年3月期に483百万円と大幅に伸長している。また、2022年4月には(株)NESCO SUPER SOLUTIONの株式を取得し子会社化した。NESCO SUPER SOLUTIONは、会計パッケージ「SuperStream」ビジネスに関する知見と高い技術力を有する。大手を中心とした直ユーザー取引を展開しており、これまで累計600社の導入実績を持つ。NESCO SUPER SOLUTIONが有する知見を共有化することで、同社が推進する直ユーザー取引拡大の進展が期待できる。
3. 成長戦略
同社は、安定成長事業であるシステムインテグレーション・サービスとインフラソリューション・サービスをベースに、成長事業と位置付けるパッケージベースSI・サービスを拡大することで成長を加速していく方針を掲げている。同サービスの売上高の半分以上を占めるSalesforceに関連して、ローコード開発やパートナー企業のクラウドサービスを活用したアジャイル開発を行っている。新しい開発手法を取り入れ、パッケージ、クラウド、優れたIT商材や独自技術を有する企業との連携を深め、ソリューション対応領域を拡大して開発スピードを上げ、顧客の要望に沿った最適な提案をする。
■Key Points
・成長事業と位置付けるパッケージベースSI・サービス関連企業を2期連続で子会社化
・2022年3月期は、売上・利益とも過去最高を更新。2023年3月期も売上・営業利益で連続更新する見込み
・スピード重視のアジャイル開発、ローコード開発、クラウドに注力
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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ランドコンピュータ<3924>は、2021年1月に創立50周年を迎えた独立系中堅システムインテグレータである。長年にわたる既存顧客からの信頼関係による安定的な事業基盤に加え、成長分野と位置付けるパッケージベースSI・サービスでは、2022年3月期及び2023年3月期の2期連続でM&Aを行うなど、積極策を講じている。
1. 業績動向
2022年3月期連結業績は、売上高が前年同期比8.1%増※の9,596百万円、営業利益が同40.6%増の872百万円となった。売上高は、成長戦略の柱であるパッケージベースSI・サービスで(株)インフリー(infree)を子会社化したこともあり、大きく伸長した。営業利益は、不採算案件による受注損失引当金を計上したものの、利益率が高いパッケージベースSI・サービスの増収、プロジェクト案件の選択と集中により利益が増加し、売上・利益ともに過去最高となった。
※前期比は単体数値と比較した参考値。以下同様。
2023年3月期の連結業績予想については中期数値計画値を据え置き、売上高で前期比11.5%増の10,700百万円、営業利益で同8.9%増の950百万円とし、売上・利益ともに過去最高を連続更新する見込み。既存技術の強化とともに、パッケージベースSI・サービスを中心とする成長力の高い事業ドメインの開拓、事業構造の集中と選択、直ユーザー取引の拡大に積極的に取り組む。利益面では、引き続き戦略投資を進めていく方針であるほか、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)による緊急事態宣言の解除により、出張などを含めた営業活動の活発化が予想され、前期に抑制された販管費の増加を見込んでいる。
2. M&A戦略
同社は、2022年3月期より積極的なM&A戦略を展開しているが、同社が成長事業と位置付けるパッケージベースSIに関連した企業で、グループシナジーが発揮できるポテンシャルであることをM&Aの前提としている。この方針に基づき、2021年4月にインフリーの全株式を取得し子会社化した。インフリーが開発した教育ツールなどのリソースをグループ内で共有することで、グループ全体のSAP関連ビジネスを拡大していく。なお、SAP関連売上高は、2021年3月期の69百万円から2022年3月期に483百万円と大幅に伸長している。また、2022年4月には(株)NESCO SUPER SOLUTIONの株式を取得し子会社化した。NESCO SUPER SOLUTIONは、会計パッケージ「SuperStream」ビジネスに関する知見と高い技術力を有する。大手を中心とした直ユーザー取引を展開しており、これまで累計600社の導入実績を持つ。NESCO SUPER SOLUTIONが有する知見を共有化することで、同社が推進する直ユーザー取引拡大の進展が期待できる。
3. 成長戦略
同社は、安定成長事業であるシステムインテグレーション・サービスとインフラソリューション・サービスをベースに、成長事業と位置付けるパッケージベースSI・サービスを拡大することで成長を加速していく方針を掲げている。同サービスの売上高の半分以上を占めるSalesforceに関連して、ローコード開発やパートナー企業のクラウドサービスを活用したアジャイル開発を行っている。新しい開発手法を取り入れ、パッケージ、クラウド、優れたIT商材や独自技術を有する企業との連携を深め、ソリューション対応領域を拡大して開発スピードを上げ、顧客の要望に沿った最適な提案をする。
■Key Points
・成長事業と位置付けるパッケージベースSI・サービス関連企業を2期連続で子会社化
・2022年3月期は、売上・利益とも過去最高を更新。2023年3月期も売上・営業利益で連続更新する見込み
・スピード重視のアジャイル開発、ローコード開発、クラウドに注力
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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