概況からBRICsを知ろう〜ロシア市場は5営業日ぶりに反落、ウクライナ向けの天然ガス供給をめぐる交渉の決裂が警戒材料
[14/06/17]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 外国株
【ブラジル】ボベスパ指数 54629.55 -0.32%
昨日16日のブラジル市場は続落。主要指標のボベスパ指数は前営業日比177.09ポイント安(-0.32%)の54629.55で取引を終えた。指数構成銘柄の値上がりは27、値下がり44と売りが優勢。セクター別では、石油・ガスや通信が売られた半面、消費者サービスや公益が安い。
不安定な展開が続き、終盤に下げ幅をやや拡大させた。イラク情勢の不安など外部環境の悪化が足かせとなったほか、成長鈍化観測が嫌気された。ブラジル中央銀行がエコノミスト約100人を対象に週間ベースで実施した最新調査(6月16日実施分)では、2014年の国内総生産(GDP)予想が前回の1.44%から1.24%に下方修正された。一方、2014年末時点のインフレ予想(IPCA)は前回の6.01%から5.91%に引き下げられた。なお、中銀は13日、GDPの目安となる4経済活動指数が前年同月比でマイナス2.29%となり、前月のプラス0.28%(改定値)を大幅に下回ったと発表したばかりだ。
【ロシア】MICEX指数 1493.93 -0.48%
連休明けとなる16日のロシア市場は5営業日ぶりに反落。主要指標のMICEX指数は前営業日比7.25ポイント安(-0.48%)の1493.93で取引を終了した。指数構成銘柄の値上がりは26、値下がり23、変わらず1と買いが優勢。MICEX指数はこの日、1500の大台を割り込んで引けた。
横ばいで寄り付いた後は下げ幅を急速に拡大させ、その後は徐々に買い戻された。ウクライナ向けの天然ガス供給をめぐる両国の交渉が決裂したことが警戒材料。ロシアの天然ガス最大手ガスプロム(GAZP)は、今後は「前払い制」に切り替えると発表した。また、ウクライナ経由で欧州向けの供給にも影響が出ると警戒されている。欧州が使用する天然ガスの30%はロシアから輸入しており、その半分はウクライナを経由していることが背景にある。
【インド】SENSEX指数 25190.48 -0.15%
16日のインドSENSEX指数は続落。不安定な展開が続き、終盤に再びマイナス圏に転落した。過熱感から売り圧力が高まったほか、5月の卸売物価指数(WPI)が予想以上に加速したことが嫌気された。統計局が16日発表した5月のWPI上昇率は前年同月比で6.01%となり、前月の5.20%から加速した。また、原油相場の上昇やモンスーン(雨期)進行が予想以上に遅れていることがインフレの加速懸念を強めた。外部環境では、イラクやウクライナ情勢が警戒された。
【中国本土】上海総合指数 2085.98 +0.74%
16日の上海総合指数は続伸。前週までに発表された5月の経済指標が総じて堅調な着地となったことで、景気見通しが改善した。週内に複数企業が新規株式公開(IPO)の公募を行うとあり、需給面での警戒感から前場は上値も限定的だったが、後場に入ると、指数は上げ幅を拡大する動きに。中国人民銀行(中央銀行)が預金準備率引き下げの対象を拡大したとの観測報道が支援材料となり、幅広い銘柄に買いが広がった。
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