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被災地初のトレーラーハウス宿泊村「El faro(エルファロ)」 2012年12月28日、ついに営業開始! 開村式で女将が涙の誓い「一日も早い復興に寄与する」




 津波で旅館が全壊した4人の旅館オーナーによって2011年10月に設立された女川町宿泊村協同組合がトレーラーハウス宿泊村「El faro(エルファロ)」の開村式を2012年12月27日に行った。トレーラーハウスを宿泊施設として活用するのは被災地では初の試みだ。
 女川町は、宮城県北東部に位置し、人口約1万人の山と海に囲まれた水産加工業や生涯学習事業が盛んで知られる町だ。同町は、2011年3月11日の東日本大震災において、町の8割が壊滅的な被害を受け、人口の10%の尊い命が失われた。震災後、宿泊施設が不足していることで生じる、復旧・復興の非効率化の改善や、被災関係者がお盆もお正月も帰る場所がないという課題解決、また地域経済の活性化を目指し2011年10月に動きだした本件が、遂に2012年12月28日より営業を開始する。
 開村式には、女川町長、女川町商工会長、東北経済産業局、宮城復興局など県内外から約80名が集まった。津波で前オーナーであった両親と旅館を一度に亡くした同組合理事長は挨拶で、「震災発生の3月11日から1年9ヶ月、一時は明日のことも考えられず、今日をどう生きようか途方に暮れていました。今日12月27日、私たちや私たちを助けて下さった沢山の人たちの思いがぎゅっとつまったトレーラーハウス宿泊村が生まれました。エルファロとはスペイン語で灯台の意味です。皆さんが私たちを照らしてくださったように、これからは私たちが他の人たち、とりわけ被災地で苦しんでいる人たちを照らしていける存在になれればいいなと思っています。一日一歩、ゆっくりとではありますが、女川は着実に復興しています。私たちもやっと一歩を踏み出すことができます」と女川町、そして被災地全体の一日でも早い復興実現に寄与することを誓った。
 国や県、町、町の商工会、信用金庫など、多くの協力のもと実現したこの取り組みは年間約3億円、復興期間の2019年までに約20億円の経済効果を見込む。年末年始には、既に予約も入っている。また、有機・無添加食品の通信販売事業のオイシックス株式会社(東京都品川区 代表・高島宏平氏)が本施設の宿泊顧客に1つ24,000円相当のおせちを48室全てに寄付することが決定した。「年末年始に帰省する家族や親戚に、今年こそ本施設で普通のお正月を過ごしてもらいたい」という本組合の想いに共感した高島代表が、同社のおせちの売り上げの5%分のおせちを本施設へ寄付するというかたちで実現した。

【トレーラーハウス宿泊村「El faro」の克服した被災地の問題点:用地確保】
8割が震災で壊滅した女川町は、平地の殆どは建築制限により建築が不可能であり、高台は仮設住宅、仮設の町役場や商店街が既に存在し、用地確保が大きな課題だった。この課題を解決したのが、建築物としてみなされない、「建設」でなく「設置」できるトレーラーハウスだ。自治体の承認を得て、町営住宅跡地にて設置が実現した。
【トレーラーハウスのメリット】
1:基礎工事や解体などの工程や廃棄物が生じず、将来的に、女川町の都市計画や復旧・復興の状況に応じて、別の場所に移動し営業継続が可能。
2:日本RV輸入協会の協力のもと、国内で最も厳しい基準で製造された寒冷地仕様の車両で、耐震性、耐火性、耐久性に優れ、かつ高い快適性を提供する。
【トレーラー宿泊村「El faro」の役割】
・ 女川町での活動人口の増加に貢献 ・復旧/復興活動の効率アップに貢献
・ 女川町の地域経済の活性化に貢献 ・女川町の雇用促進に貢献
・ 家族/親族が泊まりで帰省できる場所を提供
・ 全64室を有する「El faro」単体で大きな売上や雇用を生むのではなく、本施設があることで、町全体が機能し、経済効果を生むことが最大の目的。宿泊費、飲食費、買い物、交通などで、年間約3億円、復興期間の2019年までの7年間で約20億円の経済効果を見込んでいる。

El faro施設概要
ホテル名:「El faro」
ホテル名の由来:「El faro」 とは、スペイン語で 「灯台」の意。当初、再建の目途さえ付かなかった私たちも、多くの方の支援や応援という「灯火」に導かれ、こうして新しいスタートを切ることが出来ました。次は、私たちが 女川町を、被災地を、そして、日本を照らしていきたい。その想いから、私たち自らが「灯台」になり、復興へ進む道を照らすそんな存在になりたいという願いから、ホテル名を「El faro:希望、灯台」と名付けました。

事業者:女川町宿泊村協同組合(設立:2012年10月11日)

加入事業者:奈々美や旅館、鹿又屋、にこにこ荘、星光館
理事長:佐々木里子(ささき・さとこ)
副理事長:遠藤健一(えんどう・けんいち)
専務理事:高橋優憲(たかはし・まさのり)
監事:星明(ほし・さとし)

所在地:宮城県牡鹿郡女川町清水町 174,175,176,177,178
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