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アボット、生体吸収性スキャフォールド(BVS)に関するABSORB試験について良好な成績を発表

〜アボットの革新的製品による治療を受けた患者の第2相試験の最新の結果が発表され、血栓症発生及び血行再建術の発生は認められず、MACEの発生率は非常に低いと結論〜このプレスリリースは、2010年3月15日(米国現地時間)に米国にて配信したものを翻訳したものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。本資料(英文)についてはhttp://www.abbott.comをご覧ください。

アボット(本社:米国イリノイ州アボットパーク)は、ABSORB試験の第二相試験に登録された101名に関する経過観察30日時点の良好な成績を発表しました。

欧州においてアボットの生体吸収性スキャフォールド(BVS)により治療を受けた患者は30日経過観察時点において、血栓症及び血行再建術(虚血性疾患に伴う標的病変再血行建術)の発生は認められず、主要心血管イベント発生率も非常に低い(MACE(注1) 発生率は2.0%)という結果です。この結果は、アボットが現在までにBVS技術評価のために実施したABSORB試験の第一相試験で30名の患者の3年経過観察時点の長期的な優れたデータに次ぐものとなります。なお、第二相試験から得られたデータは、米国ジョージア州アトランタにて開催された第59回米国心臓病学会(ACC)で発表されています。

エラスムス大学病院トラックスセンター(オランダ ロッテルダム)のインターベンション学教授であり、ABSORB試験の治験調整医師でもあるパトリック・W・セライス(Patrick W. Serruys)氏は、「経過観察30日時点で得られた良好な成績は、血流が回復した後、デバイスが生体に吸収されるあるいは消失するという私の信念が確かなものとなりました。これは心血管治療において論理的な展開でしょう。また、現在までのアボットの生体吸収性技術に対する臨床的有用性を示したABSORB試験の連続した良好な成績は、生体吸収性スキャフォールドが、臨床的に現実のものとなることを確約するものであり、インターベンション領域においてさらなる革命をもたらすでしょう」と述べました。

このABSORB試験の第二相試験(Cohort B)ではヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドの12施設において101名の患者が登録されました。また、デバイスの構造も改善され、デリバビリティーと血管のサポート力を強化しています。アボットは、完全生体吸収性薬剤溶出スキャフォールドの安全性と性能について対象患者を完全に評価した3年間という長期にわたる臨床成績を保持する唯一の企業です。

アボット バスキュラー医学部門のディビジョナル バイス プレジデントであり、最高医学責任者であるチャールズ・A・サイモントン(Charles A. Simonton)は、「経過観察30日時点の良好な成績は、アボットのBVSが血栓症を発生させたり、血行再建術を実施することなく血流を回復できることを示しており、これは患者様に重要な臨床的有用性をもたらすことを示唆しています。アボットの生体吸収性技術が今後も継続的に優れた臨床成績を示せば、冠動脈疾患の治療法として新たな標準的な治療法を確立できる可能性があります」と述べました。

アボットで現在試験中のBVSは、ポリラクチド製で、証明済みの生体適合性材料であり、通常、溶解性の縫合糸など体内に留置する医療品に使用されています。生体吸収性技術は詰まった血管を拡げ、治癒するまで血管をサポートすることにより、血流を回復できるよう設計されています。血管が、サポートなしに内径を維持できた時点で、生体吸収性スキャフォールドは徐々に代謝され、時間をかけて完全に分解されていきます。BVSで治療された血管は、留置物を血管内に残さないために、最終的には未治療の血管のように動いたり、曲がったり、拍動したりできるようになります。血管の通常機能の回復や血管回復治療法となるBVSプログラムは、アボットを心臓学の領域において比類なき存在にしているのです。

ABSORB臨床試験について
ABSORB試験は前向き、非無作為(オープンラベル)二相試験であり、オーストラリア、ベルギー、デンマーク、フランス、オランダ、ニュージーランド、ポーランド、スイスより131名の患者が登録されました。この試験の主要エンドポイントは安全性を評価することで、MACE発生率、治療部における血栓症発生率をそれぞれ30日、6、9、12、18、24ヶ月経過観察時点で評価し、別途年1回のフォローアップを5年間実施されます。また、ステント留置術など一過性の事例を含んだ生体吸収性スキャフォールドのパフォーマンスも評価されます。

その他の主要エンドポイントは、血管造影法による画像評価や血管内超音波法(IVUS)、光コヒーレンス トモグラフィー(OCT)やその他の最先端技術による侵襲・非侵襲的な画像診断方法などが含まれ、それぞれ6、12、18、24ヶ月経過観察時点で評価されます。

アボットの生体吸収性技術には組織増殖を抑制する薬剤であるエベロリムスが使用されています。エベロリムスはNovartis Pharma AG が開発したmTOR 阻害剤で、増殖シグナルを阻害する作用があります。同剤の薬剤溶出ステントへの使用に関して、アボットは、ノバルティスよりライセンスを受けています。エベロリムスはその細胞増殖抑制作用により、血管デバイス留置後に新生内膜増殖を抑制することが明らかにされています。

(注1)MACE は安全性及び有効性を評価する複合的な臨床評価項目であり、心臓死、すべての心筋梗塞または虚血性疾患に伴う標的病変再血行建術と定義されています。



アボット バスキュラーについて
アボット バスキュラーは、血管系疾患治療分野のリーダーとして世界規模で事業を展開しています。冠動脈治療、血管穿刺部止血デバイス、頚動脈治療、末梢血管治療のための多岐にわたる医療機器を提供しております。詳細については、http://www.abbottvascular.jp(日本)、 http://www.abbottvascular.com(グローバル)をご覧下さい。

アボットについて
米国イリノイ州シカゴに本拠を置くアボットは、広範囲のヘルスケアに基盤を置く世界的規模の会社であり、グループ総従業員数83,000人を擁し、世界130カ国で営業活動を行っています。その事業内容は医療用医薬品、栄養剤、医療機器、診断薬、診断機器の分野における研究・開発、製造、マーケティングそして販売と多岐にわたっています。
日本国内では、従業員約2,000人が医療用医薬品、栄養剤、医療機器、診断用医薬品、分析機器の製造開発、ならびに販売とマーケティングに従事しており、東京、福井、千葉に拠点を置いています。アボット ジャパンのプレスリリースは、http://www.abbott.co.jp、アボット本社のプレスリリースは、http://www.abbott.comをご参照ください。
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