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株式会社プラップジャパンに対する株主提案権行使の件

平成25年7月24日


本部をロンドンに置く世界有数のコミュニケーションサービス・グループであり、NASDAQ及びLSE上場企業であるWPPグループは、グループ内持株会社であるキャヴェンディッシュ・スクエア・ホールディングス・ビーヴィー(以下「キャヴェンディッシュ」といいます。)を通じて株式会社プラップジャパン(以下「プラップ」といいます。)の発行済株式の20%(平成25年2月28日現在)を保有しています。キャヴェンディッシュは、平成25年7月19日付で、プラップの代表取締役社長杉田敏氏(以下「杉田社長」といいます。)及び専務取締役泉隆氏(以下「泉専務」といいます。)解任の議題を平成25年9月中旬に開催が予定されているプラップ臨時株主総会の会議の目的とすることを求める株主提案(会社法第303条)を行いました。

1.株主提案の内容
・議題 取締役2名解任の件
・議案 取締役杉田敏及び取締役泉隆を解任する。

2.株主提案を行った理由

杉田社長及び泉専務は、杉田社長、泉専務及び故創業者代表取締役会長矢島尚氏(以下「故矢島氏」といいます。)が保有するプラップ株式の売却等に関連して、プラップと三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社との間の平成24年5月10日付フィナンシャル・アドバイザリー業務委託契約(以下「本件FA契約」といいます。)締結を主導し、プラップは当該契約に基づき多額のフィーを支払いました。しかるに、本件FA契約の締結についてはプラップの取締役会決議を経ていなかったことから、本件FA契約は上記取締役らが保有するプラップ株式の売却に関連するサービスの提供を目的とするものであり、売主であるこれら取締役とプラップとの利益相反その他の理由により、取締役会の承認を受けるべきではなかったのかとの重要な指摘が、平成24年10月の取締役会において取締役及び監査役からなされ、その後、同年11月及び12月並びに平成25年4月及び5月のプラップ取締役会において、コーポレート・ガバナンスの観点から本件FA契約締結経緯の適法性の検証が行われておりました。

ところが、そのような検証が行われている最中において、杉田社長は、平成25年5月20日開催の取締役会において、突如、取締役会内の意見対立解消などを理由として、故矢島氏のご遺族である野村しのぶ氏(以下「野村氏」といいます。)及び弁護士の福島栄一氏(以下「福島氏」といいます。)を取締役に追加選任する旨を議案とする臨時株主総会の招集を提案しました。(なお、杉田社長らが取締役としての選任を提案する福島弁護士は、本件のコーポレート・ガバナンス問題の検証に当たって、杉田社長及び泉専務が意見書の作成を依頼した法律事務所に所属する弁護士です。)当該提案は可決に至りませんでしたが、その後、野村氏を含む故矢島氏のご遺族らは、6月10日に、杉田社長の提案と全く同じ候補者を取締役に選任する旨を議案とする臨時株主総会の招集をプラップに請求しました。ご遺族らによる臨時株主総会招集請求は6月17日に開催されたプラップ取締役会においては可決に至らず、ご遺族らは、6月25日に、上記2名の取締役候補者選任を議案に含む臨時株主総会の招集許可決定を東京地方裁判所に対して申立てています。

上記臨時株主総会招集許可決定申立てを受けて、プラップの取締役である藤田取締役は、平成25年7月5日、杉田社長に対して、臨時取締役会の開催を請求しました。そして、藤田取締役は、平成25年7月16日に開催された臨時取締役会において、上記取締役の追加選任議案はコーポレート・ガバナンスの観点から重大な疑念を招き会社価値を毀損しかねないものであることを指摘し、今後のプラップの経営体制に関しては、引き続き取締役会において誠意をもって協議し、11月末に開催予定の定時株主総会に諮る旨の方針を確認することを提案しましたが、当該提案は杉田社長及び泉専務らの反対により賛否同数となり可決に至りませんでした。一方、同日の臨時取締役会においてプラップが9月中旬に故矢島氏の退職慰労金支払いのための臨時株主総会を開催することが決定すると、その翌日である7月17日に、ご遺族らは、株主提案権を行使して、上記2名の候補者を取締役に選任する旨の議案を提案しました。

かかる経緯に照らせば、ご遺族らによる上記一連の動きは、杉田社長及び泉専務の意を受けたものであることは明らかであり、泉専務自身も故矢島氏のご遺族らと連絡を取りつつ本件を進めていることを認めております。なお、故矢島氏のご遺族らの代理人も、杉田社長らが取締役選任候補として挙げている福島弁護士と同じ法律事務所の出身であること、また、泉専務は、故矢島氏のご遺族らは福島氏の選任について杉田社長の提案であるからそれを受け入れたと述べていることも、併せて指摘しておきます。さらに、平成25年5月20日開催の取締役会における杉田社長の提案、及び、故矢島氏のご遺族らの同内容の提案には、取締役2名の選任のみならず、故矢島氏に対する役員退職慰労金の支払いも議案として含まれている点もここで指摘させて頂きます。

平成25年7月22日のプラップ取締役会において、藤田取締役より本件FA契約の締結経緯に関し、法令及び社内規定違反の疑義があるとの法律事務所からの意見書を示して、コーポレート・ガバナンス徹底の観点から監査役の調査権限(会社法第381条第2項)に基づく適正な調査を依頼する旨の取締役会決議を求める提案がされました。しかしながら、取締役会議長を務める杉田社長は同議案について審議することを合理的理由なく拒否しました。

プラップが新取締役を選任するのであれば、現在の取締役の改選時期となる11月末開催予定の定時株主総会において選任すれば足り、敢えて臨時株主総会を開いてまで性急に新取締役を追加選任する必要はありません。にもかかわらず、杉田社長及び泉専務らが、強硬に自らの意に沿う新取締役を選任しようとする姿勢は、筆頭株主であるご遺族らの力を借りてでも取締役会内の多数派を形成し、取締役会において自らに向けられたコーポレート・ガバナンスに関する問題提起を多数決によって封じ込めようとするものであり、著しく不当な目的に基づくもので取締役の善管注意義務にも違反するものです。

以上のとおり、杉田社長及び泉専務には、プラップのコーポレート・ガバナンスに反し、プラップの企業価値を毀損するおそれのある不適切な行為があったため、両名の解任を求めるべく株主提案を行った次第です。


※本件に関するお問い合わせ先
WPP plc.
林 志摩/内田 耕三
電話番号:03-5791-8882

以上
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