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おばさんだから死刑?「犯罪とジェンダー」で真相に迫る新しい和歌山カレー事件論!『「毒婦」和歌山カレー事件20年目の真実』

宮台真司大絶賛!「現代の魔女狩り」事件を細部まで丁寧に拾い上げた傑作誕生!

株式会社ビジネス社(東京都新宿区 代表取締役:唐津隆)は、新刊書籍『「毒婦」和歌山カレー事件20年目の真実』を2018年7月2日に発売します。ぜひ、貴メディアにてご紹介いただけますと幸いです。
ビジネス社ホームページ:http://www.business-sha.co.jp




[画像1: https://prtimes.jp/i/8000/2/resize/d8000-2-399715-1.jpg ]


◆林眞須美はおばさんだから死刑?
「動機なし」「自白なし」「物証なし」という異常な判決
1998年7月25日に起こった和歌山カレー事件から、ちょうど20年が経ちます。和歌山市園部地区の夏祭りで作られたカレーにヒ素が混入、67人が急性ヒ素中毒に陥り、うち4人が死亡。ほどなく、現場近くに暮らす林健治・眞須美夫妻が「疑惑の夫婦」として注目を集め、同年10月、夫妻は保険金詐欺などの容疑で逮捕され、健治は同容疑で2005年6月まで服役。一方、眞須美はカレー事件の容疑で再逮捕され、2009年死刑判決を受けます。しかしその内実は、眞須美の「動機」、「自白」、そして「物証」いずれもなく、死刑判決を受けているという日本の事件史上稀に見る異常事態となっています。本書では、この事件について長年にわたり取材してきた歴史社会学者の田中ひかるが、「女性の犯罪とジェンダー」という新しい切り口から、20年目の今、改めてその是非を問い直しています。

◆「紀州のドンファン事件」にも通じる共通点。毒婦・林眞須美に見る「現代の魔女狩り」
本書で明らかになったのは、マスコミの過熱報道により林眞須美の「毒婦」としてのイメージが形成され、その世論そのままに、自白も物証もないまま裁判にかけられ死刑を宣告されるという「現代の魔女狩り」とも言える法治国家とは思えない異常な事態を生んだということでした。奇しくも、今年5月、和歌山の地で同じ「毒盛り」という共通性のある「紀州のドンファン事件」が起こり、その捜査にも注目が集まっています。その観点からも、和歌山カレー事件の捜査や裁判、そしてマスコミの過熱報道を振り返り、そして捜査線上に上がる人物とジェンダーの関係について注視するは意義のあることだと言えるでしょう。果たして和歌山カレー事件は本当に“解決”したのか?平成の大犯罪と呼ばれた事件の知られざる裏側とその後に迫る社会派ノンフィクションが登場します。


著者:田中ひかる(たなか・ひかる
1970年東京都生まれ。歴史社会学者(学術博士)。著書に『月経と犯罪――女性犯罪論の真偽を問う』(批評社)、『「オバサン」はなぜ嫌われるか』(集英社、2018年台湾版刊行)、『生理用品の社会史――タブーから一大ビジネスへ』(ミネルヴァ書房)等。『生理ちゃん』(小山健、KADOKAWA)取材協力。ハフポスト、wezzy(サイゾー)、We learn(日本女性学習財団)などで執筆中。


[画像2: https://prtimes.jp/i/8000/2/resize/d8000-2-288752-3.jpg ]



【本書の読みどころ】

◆初公開の写真と手紙などで明らかになる林家の過去と現在
事件の検証とともに、健治・眞須美夫妻のこれまでの言動、さらに子供たちとの関係やその境遇なども詳細に描写。子どもたちに対する容赦のないいじめ。結婚など“社会復帰”への障害。事件の“受容”と“超克”。そして健治、眞須美に対する“愛憎”等々を中心に、これまで明かされてこなかった手紙や写真なども多数掲載し、“殺人犯”とその家族の様子、社会的な“制裁”、そして眞須美の家族に対する“愛情”なども、丹念に描き出している。

[画像3: https://prtimes.jp/i/8000/2/resize/d8000-2-183017-2.jpg ]


◆絵になりすぎた「ホース水撒き」とメディアスクラム
健治・眞須美夫妻は、事件直後からマスコミに登場し続けた。そして、眞須美の「毒婦」イメージを決定付けたのが、自宅に押し寄せる報道陣に対してホースで水をまいたシーンだ。だが、このシーン、実は勝手に郵便受けを漁るなど平気でプライバシーを暴くマスコミに憤ったふたりが、せめてもの抵抗として行ったもの。健治も眞須美も自分たちの無実を確信していると同時に、おしゃべり好きだったため、当初はマスコミに協力してきたが、その後、有ること無いこと書き立てられたり、子どもたちまでマイクを突きつけられたりするなど、容疑者になる前から容赦無いメディアスクラムにさらされ、犯人扱いされていた。

◆眞須美の“毒盛り”の真実 健治に毒を盛っていなかった
事件の報道により、いつしか眞須美は“毒婦”、そして夫の健治は眞須美の犠牲者という構図が出来上がった。実際、眞須美が健治に毒を盛ったと語られるようになったのだ。だが、眞須美は健治に毒を盛ってはいなかった。さらにヒ素を使った保険金搾取事件には、林家とそれを取り巻く人々の特殊な事情があった。本書では林家の保険金搾取事件とそこに絡む人々の実態についても鋭く迫る。

◆報道されなかった暴力。厳しい取調べと黙秘の実態、そして流産・・・
逮捕後、眞須美は殴る、蹴る、怒鳴りつけるという拷問のような取調べを受けた。そして、何度も事件の犯人であることを“自供”するよう強要された。だが、眞須美は罪を認めないどころか、自白を迫る刑事を殴りつけた。その際刑事は「28年間で、女に殴られたのは初めてや。よう覚えとけよ」と言ったという。しかも、逮捕直前に眞須美は流産していて、取り調べ3日目に婦人科で手術をしていたという状況にも関わらずである。そんな状況でも、一審で黙秘を貫いた結果、刑事、検察という国家権力から、眞須美は怨みを買うことになる。報道されないこの事実が、眞須美死刑への大きな転換点となった。

◆警察の誘導により「眞須美単独犯」に。あやふやな証言と杜撰な和歌山県警の捜査
そもそも事件は当初、「集団食中毒」とされ、死因も「ヒ素」ではなく「青酸化合物」によるものとされた。ところが、いつの間にか死因は「ヒ素」に変更。また、眞須美がカレー鍋にヒ素を入れるところを見たという “最重要目撃証言”は当初マスコミで盛んに取り上げられたが、そのあやふやさから結局、裁判で証拠申請すらされなかった。事件の時系列や眞須美の行動、服装などに関する地元住民の証言も当初はかなりのズレがあったが、警察の誘導により、いつの間にか「眞須美の単独犯」にまとめあげられていった。

◆獄中から30件以上勝訴。“ロス疑惑”三浦和義が指南した獄中訴訟
眞須美は大阪拘置所に収監以降、自身の処遇や名誉毀損などに対する訴訟を次々に起こし、これまで30件以上の裁判で勝訴している。以前は認められていた絵葉書や靴下、カイロなどの差し入れを禁止されたことを不当として訴え、解禁を勝ち取った。この獄中訴訟を指南したのが、ロス疑惑の三浦和義。三浦は眞須美の立場を知り、彼女を救うべく手を差し伸べた。現在、眞須美弁護団はヒ素の鑑定結果の誤りを正すべく、鑑定人などに対し6500万円の損害賠償を求める民事訴訟を起こしている。

【もくじ】
第一章◎錯綜〜あの日、事件現場で何が起きていたのか? 〜
第二章◎迷走〜死刑判決に至るまでの「から騒ぎ」〜
第三章◎応報〜保険金詐欺事件と奇妙な人間関係〜
第四章◎虚構〜加熱するマスコミが作り上げた格好の犯人像〜
第五章◎愛憎〜夫婦と子どもたちの二〇年〜

【書籍情報】
タイトル: 『「毒婦」和歌山カレー事件20年目の真実』
定価:1,600円+税
版型: 四六判
単行本(ハードカバー): 215ページ
出版社: ビジネス社
発行日: 2018/7/2
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