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【hascrossオンライン検討会の開催】健康を陰で支えている人体から切離された臓器・組織・細胞が直面する問題の解決に向けて

市民の立場からなにができるか?法学、医学、社会学などから討論者7名を迎えての検討会 Zoomで視聴、質問にもお答えします!

ヘルスアンドサイエンスクロスロード(hascrossハスクロス,横浜市南区永田北1-3-3-1,代表:佐々木博子)は、2022年5月22日(日)14:00から第1回オンライン検討会「人体から切離された臓器・組織・細胞が直面する問題の解決に向けて」を開催いたします。事前に検討会資料を郵送、検討会終了後に寄せられた質問に回答します。登録された方は時間内で自由にご視聴ください。




 ヒトの臓器・組織・細胞(以下ヒト組織)が身近でどのように取り扱われているか意識することはほとんどないでしょう。それでもヒト組織は移植医療だけでなく、ウイルス検査、ワクチンなど医薬品の研究や製造、化粧品・食品の安全性や機能性の検査などに活躍し、知らぬまに私たちはその恩恵にあずかっています。ヒト組織は有志者から提供されていますが、国内では提供の意思があっても十分に進まず、外国に頼っている場合も多く、さまざまな困難が生じています。原因はどこにあるのか、市民が果たせる役割はなにか、ヒト組織の取扱い状況と問題点の把握、解決策の提案、そして討論者による批判と評価を行います。

 日時:2022年5月22日(日)14:00〜16:30
 費用:市民登録は無料(先着50名様限定)
    特別登録は10,000円(有志あるいは社用の方)
 申込:問い合わせサイト https://hascross.yokohama/contact/
    (‘hascross 問い合わせ’で一発検索)
 お名前、メールアドレス、「ヒト組織検討会」、「市民登録」あるいは「特別登録」のどちらかを記入してください。折返しご案内します。

◆ご挨拶
はじめまして!この企画を推進しているサイエンスカフェ、ヘルス アンド サイエンス クロスロード hascross(ハスクロス)副代表の松村外志張(マツムラトシハル)です。
50年余り国内外の大学や公的研究機関、企業研究所等で生命医科学研究や食品医薬品の開発に携わり、ヒト組織を取扱う機会が多々ありました。その間、ヒト組織の倫理的な取扱いのために諸先生の指導を得, また同僚とともに互いに研鑽し、政府や関連機関の支援や、国際交流への寄与を志してきました。勤務を辞してより5年、いま市民の皆様と健康科学を話題に交流しています。履歴はhascrossスタッフ紹介、ウィキペディアをご覧ください。趣味は農作業。ハスクロスでの飲食用に農薬を使わない野菜や果実を供給しています。

◆解決をめざす問題
移植医療、医薬品の開発・生産、環境の検査まで、陰となって市民の健康を支えているヒト組織。しかし日本のヒト組織供給(亡くなった方からの)は世界最低水準です。
[画像1: https://prtimes.jp/i/93341/2/resize/d93341-2-9295f5345121c33b16f8-2.jpg ]

ヒト組織の供給について国際的な不均衡問題の解決をめざしています。健康社会の維持や発展にヒト組織があらゆる局面で取り扱われ、それが提供者の善意に頼っている状況ではヒト組織供給の不均衡は重大な社会問題であると判断しています。
ヒト組織と長年関わりながら、解決の糸口は市民が握っているとようやく気がつきました。その糸口について、識者のご協力を得て検討会によって批判・評価をいただき、検討過程を広く公開して、市民各位と情報共有したいと考えています。

◆ヒト組織は体外で生き続けてこんなに役立っている
いま国民の健康はヒト組織に大きく支えられています。移植医療や生命医科学の研究だけでなく、私たちが使っている医薬品、ワクチン、化粧品の開発や生産、そして環境中の有害因子の検査といった実社会の営みのなかで大役を果たしています。
[画像2: https://prtimes.jp/i/93341/2/resize/d93341-2-b16f8b3f884806e301e2-1.jpg ]

◆人間社会はすでにヒト組織なしにはありえなくなっている
国産であれ輸入品であれ、あらゆる医薬品は開発段階で安全性・有効性を確認する必要があり、過去にはそのために大量の実験動物が犠牲になってきました。しかし今、その工程をヒト組織が代わって動物を救っているばかりか、動物では代えられない優秀な役割を果たすようになりました。化粧品や環境安全についても同様です。例えばただいま世界が求めているコロナウイルスのワクチンも、ヒト組織なしにその開発を完了することはできません。
今後の医療に大きな夢を与えている人工多能性幹細胞(iPS細胞)も、どなたかから贈与を受けた組織片に由来しているのであり、夢が現実となれば、ますますヒト組織は人間社会になくてはならない存在となっていくでしょう。

◆わが国のヒト組織供給の現状
わが国と多くの先進諸国の間には、ヒト組織供給に大きな不均衡が見られます。ヒト組織を提供するかしないかは提供者の一存ですから、供給が多いか少ないかはあまり問題でないでしょう。好意をもって与えられるヒト組織を敬意と感謝をもって取り扱うばかりです。しかし、国ごとに不均衡があるとき、人道上、倫理上問題が起きます。例えば最近まで、海外に出向いて移植を受ける移植旅行が盛んに行われてきました。これは国際的な批判が高まって世界的に禁止する流れになりました。結果として、わが国で移植を待機している患者さんは多くの先進諸国よりも長い待ち時間を強いられています。
また、国内の研究所や工場に対してのヒト組織は海外からの好意ある提供に依存する状況が続いています。
わが国と欧米各国との不均衡の原因については、さまざまな意見がありますが、提供意志をもっている者は若者を中心に増加しつつあるので、不均衡の原因は提供意思が足りないこととは考えられません。一方で法制上の不備を指摘する声があり、この声に抗することはいまや不可能なのではないか、と考えて法整備の方向で解決の糸口を探し始めました。

◆ヒト組織の取扱はどのような法律で取締まられている?
ヒト組織を人体から切り出す行為は傷害罪、あるいは死体損壊罪という刑法上の罪刑の構成要件ですが、移植医療・病理解剖・医学研究・医学教育などの有益な行為は、それぞれ死体解剖保存法ならびに臓器移植法という法律によって罪刑から免れて(阻却されて)います。
最近になって、切り離されたヒト組織は多岐にわたる領域で取り扱われるようになりました。これら新しい領域についても、法整備がなされて、取扱の倫理性、信頼性が保証されている部分があります。たとえば医薬品開発に関する法律、遺伝子情報を保護するための法律、クローン技術など先端的な医療法の開発のための法律などがあります。しかし、広大に広がったヒト組織の取扱全般にわたる倫理原則を明かにして、その原則を担保するための法律(ヒト組織基本法と言うべきか)がありません。結果としてわが国では、ヒト組織取扱の各所において、倫理原則が設定もされず、担保もされていない状況が生まれている、といっていいでしょう。
そこで、問題解決の道としてヒト組織基本法の立法という視点で話しを進めます。企画者は法律の専門家ではないので、法律に関する記述に不正確なところがあるかもしれません。本オンライン検討会において法学の先生方のご指導をいただくべく準備しております。

◆オンライン検討会で予定している検討課題
セミナー企画者が検討の糸口を提案します。
わが国は長年にわたって、人体を対象する取扱いの全般を規定する法律の制定は避けるべきとの意見があり、そこにはそれなりの理由があるものと理解しています。問題が過去数十年の歴史を背負っていることから5〜10年かけての解決を念頭において以下3つの糸口を提案します。
糸口1:選挙区の市民として議員候補者へ質問状を出すこと
糸口2:臓器提供意思表示カードの意思表示において、必ずしも設問にとらわれず、それぞれが自由に自分の意思を表示すること
糸口3:わが国なりのヒト組織取扱倫理に基づいた法律立法に向けて市民が意見交換すること

◆なぜ市民が問題解決の糸口を掴んでいるのか
ここで企画者が‘市民’といっているのは、機関の関係者や専門の諸先生に対する庶民という意味ではありません。それらの方々も含め、肩書きを取り去った個人として、選挙の際の有権者として、また潜在的な臓器提供者あるいはその受取者として対等な立場にある我々すべてという意味です。いま立法が問題であるとすれば、民主主義社会では立法は選挙によって選出された代議員によってなされるのですから、問題解決の素養のある代議員を選出することが解決の糸口となるでしょう。そのような代議員を選出する役割を担うのは市民以外にいません。
誰かがやってくれるだろう、そう思っているうちに数十年が過ぎ去り、今を迎えているのだとすれば、このままでいって将来に大きな問題が生じたとしても、誰にも責任を負わせることはできず、結局国民が責任を負うということになるのでしょう。どんな問題が起きうるのか、あまり言いたいことではないが、あり得ることの一例に触れるとすれば、ヒト組織供給なくして成立しない医薬品産業が国内で衰退し、海外依存、医療費の高騰、健康保険の破綻、若者に魅力ある職場の消滅という道ではなかろうかと推察しているのです。
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