放射線による被ばく低減化が期待できる機能性物質の研究推進を目的とした研究会 『機能性物質による被ばく低減化研究会 第二回研究会』開催
[12/05/23]
提供元:PRTIMES
提供元:PRTIMES
この度、『機能性物質による被ばく低減化研究会』は2012年5月22日(火)に第二回研究会を実施致しました。
『機能性物質による被ばく低減化研究会』とは、震災での原発事故による放射能問題をふまえ、被ばくに関する正しい情報をお伝えすると共に、被ばく低減化が期待される機能性物質の研究推進を行うべく、放射線医学総合研究所 客員協力研究員の西村義一氏を代表幹事に発足した研究会です。
今年1月に第一回研究会を実施し、被ばく低減化が期待される機能性物質の研究に関連している研究会会員からがそれぞれの研究内容の報告、それに基づき意見交換を実施いたしました。
昨日の第二回研究会では、被ばく低減化が期待される機能性物質が及ぼす体内のメカニズムを理解すべく、人体が環境有害物質に対して持つ生体防御のメカニズムを総合的に研究した実績をもつ元原子力安全委員会の委員長代理を務めていた松原 純子氏より、「放射線ストレス反応としての肝メタロチオネイン生成と長寿命ラジカルの制御」について講演いただきました。その講演内容を基に、今回の研究会の出席者と松原氏の積極的な意見交換が行われました。
今後も情報交換の場となる研究会を開催し、放射線の被ばく低減化が期待できる機能性物質の研究推進を行っていくと共に、放射線被ばくに関する問題、ならびに放射線の被ばく低減化が期待できる機能性物質の正しい知識、認識を広めるための啓蒙活動を行っていく予定です。
研究会内容、ならびに研究会の活動内容の詳細は、問合せにて受け付けておりますので、下記問合せ先までご連絡
頂けますと幸いでございます。
<第二回研究会内容>
開催日時 :2012年5月22日(火) / 開催場所:都内
第二回研究会内容 :
- 第一回研究会の報告
- 講演 「放射線ストレス反応としての肝メタロチオネイン生成と長寿命ラジカルの制御」
元原子力安全委員会委員長代理 松原 純子
主な出席者 :
放射線医学総合研究所 客員協力研究員 西村義一 (ニシムラ ヨシカズ)
群馬大学重粒子線医学研究センター 安藤興一(アンドウ コウイチ)
元原子力安全委員会委員長代理 松原 純子(マツバラ ジュンコ)
※今後、年内に2回程度の研究会実施を予定しています。
第2回研究会開催内容
【講演者プロフィール】
元 原子力安全委員会委員長代理
松原 純子(マツバラ ジュンコ)
東京生まれ、お茶の水大学付属高校卒。1963年東京大学大学院博士課程修了後、同大学医学部助手、講師を経て94-99 年横浜市立大学教授。1996 年原子力安全委員会委員、2000-04 年原子力安全委員会委員長代理。現在、公益財団法人放射線影響協会研究参与。専門は環境医学、リスク評価。長年、放射線に対する生体防御機構の役割について実験的研究を続けるなど、放射線や原子力の安全問題を女性の視野も含めて多角的に検討している。放射線や有害リスク評価に関する知見をリスク科学としてまとめた。主な著書に「女の論理」(サイマル出版社)、「リスク科学入門」(東京図書)、「いのちのネットワーク」(丸善ライブラリ)など。
【開催結果】
松原先生は、多くの研究家が「障害」をメインに研究をされる中で、兼ねてから「生体防御」に着眼点をおいた研究を続けられています。その中で放射線をストレスのひとつとして捉え、その体が示す反応について研究を行い、その結果、金属を含むたんぱく質である「メタロチオネイン」が、“障害予防の可能性があるという発表”をされました。
本日の研究会では、その研究の結果と過程に関してご講演頂き、その後、活発な議論が交わされました。
<講演概要>
広い意味でのストレスで生成されるタンパクであるメタロチオネインが放射線防護機構に関わる役割について自らの実験をもとに概説された。とくにメタロチオネインが有機ラジカルを一定に保ち、これが放射線による被ばく低減化に大きく関与していることを示された。
なお次回の研究会では、福島の事故後の放射線防護研究に関する事例についても掘り下げていきたいという意見も上がっており、今後検討していくこととなりました。
補足資料
【機能性物質による被ばく低減化研究会 会則】
【目的】 本会は、放射線被ばく低減化が期待できる機能性物質の研究推進を目的とする。
【事業】 放射線被ばく低減化が期待できる機能性物質としてラクトフェリンなどを取り上げた研究の推進、及び放射線被ばく低減化が期待できる機能性物質の正しい知識、認識を広めるための啓蒙活動を実施する。
【HP】 http://teigenka-lab.com/
【当日の出席メンバー】 *上記に記載しました3名以外
■ 小久保 年章(コクボ トシアキ)
放射線医学総合研究所 研究基盤センター 研究基盤技術部 所属
■ 八並 一寿(ヤツナミ カズヒサ)
玉川大学 農学部 応用生物化学科 准教授
■ 加賀谷 伸治(カガヤ シンジ)
NRLファーマ 研究開発本部 創薬事業部 所属
【メタロチオネインについて】
メタロチオネインはMargoshes とVaiieeによってウマの腎臓からカドミウムを結合するタンパク質として1957年に発見された。全動物の細胞に存在していて、ファイトケラチンが植物中に認められる。分子中に最大で7 から12 個の重金属イオンを統合できので、必須微量元素の恒常性の維持あるいは重金属元素の解毒の役割を果たしていると考えられ、抗酸化性タンパク質としても注目されている。
『機能性物質による被ばく低減化研究会』とは、震災での原発事故による放射能問題をふまえ、被ばくに関する正しい情報をお伝えすると共に、被ばく低減化が期待される機能性物質の研究推進を行うべく、放射線医学総合研究所 客員協力研究員の西村義一氏を代表幹事に発足した研究会です。
今年1月に第一回研究会を実施し、被ばく低減化が期待される機能性物質の研究に関連している研究会会員からがそれぞれの研究内容の報告、それに基づき意見交換を実施いたしました。
昨日の第二回研究会では、被ばく低減化が期待される機能性物質が及ぼす体内のメカニズムを理解すべく、人体が環境有害物質に対して持つ生体防御のメカニズムを総合的に研究した実績をもつ元原子力安全委員会の委員長代理を務めていた松原 純子氏より、「放射線ストレス反応としての肝メタロチオネイン生成と長寿命ラジカルの制御」について講演いただきました。その講演内容を基に、今回の研究会の出席者と松原氏の積極的な意見交換が行われました。
今後も情報交換の場となる研究会を開催し、放射線の被ばく低減化が期待できる機能性物質の研究推進を行っていくと共に、放射線被ばくに関する問題、ならびに放射線の被ばく低減化が期待できる機能性物質の正しい知識、認識を広めるための啓蒙活動を行っていく予定です。
研究会内容、ならびに研究会の活動内容の詳細は、問合せにて受け付けておりますので、下記問合せ先までご連絡
頂けますと幸いでございます。
<第二回研究会内容>
開催日時 :2012年5月22日(火) / 開催場所:都内
第二回研究会内容 :
- 第一回研究会の報告
- 講演 「放射線ストレス反応としての肝メタロチオネイン生成と長寿命ラジカルの制御」
元原子力安全委員会委員長代理 松原 純子
主な出席者 :
放射線医学総合研究所 客員協力研究員 西村義一 (ニシムラ ヨシカズ)
群馬大学重粒子線医学研究センター 安藤興一(アンドウ コウイチ)
元原子力安全委員会委員長代理 松原 純子(マツバラ ジュンコ)
※今後、年内に2回程度の研究会実施を予定しています。
第2回研究会開催内容
【講演者プロフィール】
元 原子力安全委員会委員長代理
松原 純子(マツバラ ジュンコ)
東京生まれ、お茶の水大学付属高校卒。1963年東京大学大学院博士課程修了後、同大学医学部助手、講師を経て94-99 年横浜市立大学教授。1996 年原子力安全委員会委員、2000-04 年原子力安全委員会委員長代理。現在、公益財団法人放射線影響協会研究参与。専門は環境医学、リスク評価。長年、放射線に対する生体防御機構の役割について実験的研究を続けるなど、放射線や原子力の安全問題を女性の視野も含めて多角的に検討している。放射線や有害リスク評価に関する知見をリスク科学としてまとめた。主な著書に「女の論理」(サイマル出版社)、「リスク科学入門」(東京図書)、「いのちのネットワーク」(丸善ライブラリ)など。
【開催結果】
松原先生は、多くの研究家が「障害」をメインに研究をされる中で、兼ねてから「生体防御」に着眼点をおいた研究を続けられています。その中で放射線をストレスのひとつとして捉え、その体が示す反応について研究を行い、その結果、金属を含むたんぱく質である「メタロチオネイン」が、“障害予防の可能性があるという発表”をされました。
本日の研究会では、その研究の結果と過程に関してご講演頂き、その後、活発な議論が交わされました。
<講演概要>
広い意味でのストレスで生成されるタンパクであるメタロチオネインが放射線防護機構に関わる役割について自らの実験をもとに概説された。とくにメタロチオネインが有機ラジカルを一定に保ち、これが放射線による被ばく低減化に大きく関与していることを示された。
なお次回の研究会では、福島の事故後の放射線防護研究に関する事例についても掘り下げていきたいという意見も上がっており、今後検討していくこととなりました。
補足資料
【機能性物質による被ばく低減化研究会 会則】
【目的】 本会は、放射線被ばく低減化が期待できる機能性物質の研究推進を目的とする。
【事業】 放射線被ばく低減化が期待できる機能性物質としてラクトフェリンなどを取り上げた研究の推進、及び放射線被ばく低減化が期待できる機能性物質の正しい知識、認識を広めるための啓蒙活動を実施する。
【HP】 http://teigenka-lab.com/
【当日の出席メンバー】 *上記に記載しました3名以外
■ 小久保 年章(コクボ トシアキ)
放射線医学総合研究所 研究基盤センター 研究基盤技術部 所属
■ 八並 一寿(ヤツナミ カズヒサ)
玉川大学 農学部 応用生物化学科 准教授
■ 加賀谷 伸治(カガヤ シンジ)
NRLファーマ 研究開発本部 創薬事業部 所属
【メタロチオネインについて】
メタロチオネインはMargoshes とVaiieeによってウマの腎臓からカドミウムを結合するタンパク質として1957年に発見された。全動物の細胞に存在していて、ファイトケラチンが植物中に認められる。分子中に最大で7 から12 個の重金属イオンを統合できので、必須微量元素の恒常性の維持あるいは重金属元素の解毒の役割を果たしていると考えられ、抗酸化性タンパク質としても注目されている。