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健康な人の歩行と歩行時の映像を体験しながら歩行リハビリテーション

独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
筑波大学大学院システム情報工学研究科


リハビリ患者がより現実に近い移動感覚で歩行機能の改善訓練をできる装置と
訓練中の飽きを防ぎリハビリ効果の向上を実現する球面ディスプレイを組み合わせた
新しい歩行リハビリテーションシステムの開発


【新規発表事項】 
 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)の産業技術研究助成事業(予算規模:約50億円)の一環として、筑波大学准教授の矢野博明氏は球面没入型ディスプレイおよび歩行感覚呈示装置によって、健常者の歩行を反復して体験する介護予防・機能回復促通システムを開発しました。これは歩行機能の回復が見込めないとされていた人々への朗報です。
 開発に当たり、複数名の患者の協力を得て長期のリハビリテーションプログラムを実施し、近赤外光によって脳の働きを観察する装置である光トポグラフィによる脳活動計測などの医学的評価により本装置の効果を実証した結果、歩行機能回復の見込みが低いと考えられている“プラトー”と呼ばれる機能回復カーブが横ばいになった患者でも機能改善が見られました。
 高齢者の介護予防訓練装置として、観光地などを自分の足で歩く疑似体験もできます。
副次的な用途として、ロールプレイングゲームなど、大人から子どもまで楽しめるエンターテインメントシステムとして利用できます。



1.研究成果概要
 歩行感覚呈示装置は、通常歩行と同じ1m/secの歩行速度を実現するために前後方向の軌跡呈示用に直線運動を回転運動に変換するスライダクランク機構を採用し、上下方向には直動アクチュエータを用いました。また、ユーザが足を乗せるフットパッドには圧力センサおよびかかと上げ機構を付け、体重移動に応じてフットパッドが健常者の足の動きを模擬して動き、かかとを上げるタイミングや角度を再現しています。実際に患者での評価実験を行った結果、体重80kgの人が歩幅最大800mm、歩行速度1m/secの目標達成を確認しました。
 また没入型ディスプレイにはなるべく大きな視野角を確保しつつ、歩行感覚呈示装置と同時に使用するため、直径1600mm、水平画角270度、仰角30度、俯角45度としました。SXGA+(解像度1400×1050ピクセル)のプロジェクタを3台使用し、それぞれが映像を水平画角90度ずつの映像を映し出します。映像コンテンツはCGだけでなく実写映像を投影することができ、本研究では患者にとって身近な自宅近隣の公園などを散策するさまざまなコンテンツを用意しました。これにより入院前の健康時の歩幅で自宅付近を歩く疑似体験をすることで、患者自身が早く治したいという気持ちになり、モチベーションが向上するという精神面での効果も報告されています。
 また、副次的な用途として、ロールプレイングゲームなど、大人から子どもまで楽しめるエンターテインメントシステムとして利用が期待されます。


2.競合技術への強み
 従来のリハビリテーションは、トレッドミルやLokomatなどのロボットによる方法が行われていますが、身体拘束が適切になされていないために腰の回旋などの訓練に難がありました。加えて着脱は困難、設備は高価、単調な訓練という欠点が指摘されていました。
 しかし本研究で開発したシステムでは、歩行感覚呈示装置で患者に合わせた任意の足の軌跡を示すことができます。しかも足のみを装置に固定する形なので、適度な拘束と容易な着脱が実現されます。


■市販品と研究試作品の比較
・トレッドミル[市販品]
身体的拘束性:−
価 格:約200万円
訓 練:×(単調)
特 徴:いわゆるウォーキングマシン

・Lokomat[市販品]
身体的拘束性:高い
価 格:約5000万円
訓 練:×(単調)
特 徴: Lokomat:足や手、腰などをテープバンドで機械に固定し、支えながら歩行訓練をする装置

・本研究の技術[研究試作品]
身体的拘束性:低い
価 格:約800万円
訓 練:◎(視覚との連動)
特 徴: 本研究の技術:靴を履くような感覚で装着できる 



 球面没入ディスプレイでユーザの周囲に映像を呈示することで、観光地や自宅近所の映像と歩行動作を同期させ、リハビリ訓練をしながら実際に現地を歩いているような感覚を提供することにより、ウォーキングマシンのように機械と向かい合って歩行訓練をする場合と比べ、単調さをなくし、やる気を持続させる効果が認められました。
 また、脳の活性状態にも大きな違いが見られました。下図は本システムとトレッドミルを使ったときの脳の活動を光トポグラフィで計測した結果ですが、トレッドミル歩行は脳の活性が全体的に見られますが、本装置ではトレッドミルでは見られなかった足の一次運動野など(図の濃い部分)の活発化が顕著で、本システムは足に関する脳の制御部位を効率的に刺激できることが認められました。


3.今後の展望
 脳内出血による右麻痺の患者に本システムを利用して訓練を行ってもらったところ、歩行の平均速度は0.51m/s→0.84m/ sに、歩幅の平均についても32.1cm→46.2cm と、歩行速度・歩幅ともに大きく改善されました。本システムが実用化されれば、より高度な機能回復が期待でき、これまで脳卒中でやむなく本格的な社会復帰ができなかった人の多くが、社会復帰を果たすことができると考えます。また、家族の負担が減るだけでなく、これまで失われてきた患者自身の貴重なスキルを再び社会に還元することによる効果も期待できます。
 今後、システム実用化への残された課題としては、さらなる長期のリハビリテーションプログラムの開発や、装置の安全対策、薬事法取得による医療制度としてのサポート体制づくりがあります。さらに患者のモチベーションの向上・維持の具体策として、たとえば平坦な道だけでなく、坂道や階段などの感覚にも対応するシステム開発などを考案していきたいと考えています。また今後、このような歩行リハビリテーションシステムの実用化に向け、企業・研究機関と意見交換を行う予定です。
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